新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

黒日傘

2008年07月29日 06時50分12秒 | 写真俳句・エッセー

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街行ける思ひそれぞれ黒日傘

 

 学生の頃、白いワンピースと白いパラソルに憬れた。

 スカートの丈は今ほど短くなかったのだが、それでも足下に感じた開放感は、とても刺激的であった。

 今やスカートの丈には、眼の毒となるものが多い。眼をそむけたくなる。蔑まれているようにすら思う。そんなことを言っているくせに、つい眼をやってしまう私自身も情けない。

 当の本人たちの意図は、いずこにあるのだろうか。見た目なのか、涼しさなのか。

 こんなことを言っているのは私だけで、世の男性たちは、大歓迎をしているのかもしれない。なにしろ昔から、「スカートの丈と挨拶は、短いほど喜ばれる」と言われていたのだから。

 日傘の色も、白っぽいものから黒を基調とした濃い色のものに移っていた。紫外線カットの機能は、白より黒のほうが優れているらしい。

 見た目の涼しさより、肌の保護を優先しているように思う。これはそれなりに合理的。私の好みとは別の問題だ。

 夏の日の晴れた昼下がり。土手の上の一本道を、若い男女が歩いている。

 男は重々しさを気取りながら、ゆっくりと歩いている。頬はすでに緩みっぱなし。内心の嬉しさは、隠そうにも隠せないようだ。

 女は白いワンピースに白いパラソル。可愛らしいほど弾んでいて、男に近づいたり離れたり……。時には、パラソルがクルリと廻る。

 これは遠い日の幻想。

 先日の午後、銀座を歩いた。カンカン照りなのに、多くの人が行き来していた。

 女性の活力には、真底から敬意を表したかった。

    街行ける思ひそれぞれ黒日傘   鵯 一平

 素養も見識もない私のフアッション談義、トンチンカンにして至極迷惑で不愉快だったかもしれません。

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コメント (16)
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