先日のこと。
依頼したいことがあったので、Iさんと会った。
Iさんは私の顔を見るなり、
「いやあ、別に隠そうとしていたわけではなかったのですが……」と、切り出した。
驚いたのは私だ。
「えっ?」 Iさんがなにを言おうとしているのか、はじめのうちは見当がつかなかった。
「あなたも同じころに入院していたんですねえ」 と、Iさんは言った。
いろいろ話をしていくうちに、状況がわかりはじめた。
私がIさんと会いたかったのは、あることを依頼するためであった。
ところがIさんは、病気を隠していたので、私に咎められるのかと勘違いしたのだ。
今年の正月、私は手術のために入院していた。
そのころIさんも、ある手術のため、同じ病院に入院していたのだそうだ。
Iさんは、みんなに気を使わせてはいけないと思い、入院を秘密にしていた。
私も同じように、宣伝せず、ひっそりと入院していた。
よくも会わなかったものだと大笑いとなった。
あることを依頼したあと、二人で昼食を摂った。
コーヒーを呑みながら話をしていて、気づいたことがあった。
二人の病気は同じようなものだった。
病気以来、私は死を身近なものとして感じていた。男性の平均寿命まであと数年。自動車の運転免許証の返上についても、具体的なものとして考えていた。
それに引きかえ、Iさんは意気軒昂だった。私と違って、彼の頭の中に、死の影はまったくなかった。
Iさんは私より7~8歳は若い。やはりここにきて、年齢の違いはとてつもなく大きいようだ。
大汐会では、あと「20年の元気」を約束させられていた。頑張りたいと思っている。
しかし弱気の虫が一度頭をもたげると、幾日間か私をいじめ抜かれる。昨日今日は、そんな日らしい。
これから、恒例の外出。今日は暑そうだ。
写真はオカトラノオ。
今日の記事とは無関係である。
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