日本政府が、またやってしまった。
同じ過ちを幾度繰り返せばいいのか。日本政府が、「外交的配慮」の愚をまた犯したのだ。
真の友人と思うなら、日本の立場や考えを、はっきり主張すべきだったのだ。
まして、教科書に絡んだ内政問題だったではないか。
竹島問題である。
7月14日、文部科学省は、竹島(島根県)の領土問題を盛り込んだ中学社会科の新学習指導要領解説書を公表した。
その中で、政府内で調整した結果として、当初方針の「竹島は我が国固有の領土」とする表現を見送ったのだ。両国間で揉めたくないという配慮をしたのだ。
政府の弱腰には、まったく驚いた。悲しくなる。
日本には、日本人の誇りと国益を考える政治家はいないのか。
竹島の領有権については、日本には日本の主張があり、韓国には韓国の主張がある。
日本の歴史的な根拠について、このブログで詳述するつもりはない。
韓国の主張の内容についてもここでは記述しない。
しかし私が、日本側の主張の正当性を疑っていないことは、申すまでもない。
日本としては「竹島は我が国固有の領土」としており、韓国は、「独島(竹島を韓国では独島と言っている)が韓国の領土であることは自明」としている。つまり、双方が主張を譲っていないのが現状なのだ。
両国の対応で、まったく異なることがある。
韓国は独島問題を「韓国独立の象徴的問題」として位置づけ、あらゆる面で国民に対し浸透の努力をはかっていた。
反面日本は、学校教育をはじめとして、国民に対し、竹島問題の周知すらしてこなかった。
日本政府の歴史的な重大な不作為である。
日本人の誇りも自信も打ち砕いたに等しい不作為だったのだ。
外交的な対応として過去に我が国は、「国際司法裁判所で争おうではないか」と韓国側に提案したが、拒否されている。
「国際司法裁判所の判断を仰ぐ必要はないほどの自明の理」、と韓国は言っているが、争っても負けることを承知しているからだ。
なにはともあれ、双方が主張して譲らない領土問題に関し、日本政府が、「中学社会科の新学習指導要領解説書」の表現で、譲ってしまったのだ。
このような譲歩は、韓国主張の正当性について認めたことにもなりかねず、大きな禍根を残すことになったはず。
しかも、譲ったにもかかわらず、韓国国会では大反発しており、外交上でも駐日大使を本国に呼び戻すなど、強い抗議の姿勢を示している。また、日本に対する抗議デモが国民的な拡がりを見せている。例によって「何かを燃やす」ような感情的な運動の展開だ。
日本が「外交的配慮」をしても、まったく役に立たなかった。
一方の日本政府や自民党では、「感情的にならず、双方が冷静に対応すべきだ」などと、第三者めいた「他人事発言」を繰り返している。困ったものだ。
かねてから私は、歴史解釈や領土問題に対する日本政府の腰砕けについて、歯がゆい思いを抱いていたが、またもや同じような過ちを犯したことに、激しい怒りを感じている。
今、隣家の庭の凌霄花が満開。
おしゃべり好きな風情のこの花を見ながら、言いたいことも言わない我が国の姿に大いに落胆し、暗澹たる気持ちになっている。
これでいいのか、日本!
日本はいつもノーテンキ。これでは溶解がさらに進みますぞ。
腹にあることも言はずに凌霄花 鵯 一平
こんなことをモチーフに俳句を詠みたくない。
俳句はもっと根源的なものだと思っている。
今朝の私は、少し落ち込んでいます。 暑そうですね。
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