今年も間もなく、8月を迎える。終戦から63年目の夏だ。
広い意味での戦争体験者も、どんどん減少してきており、戦争はもはや昔話でしかない。
「日本はアメリカと戦争したんだって?で、どっちが勝ったの?」
このような若者の存在は、まれなことではなくなってきたようだ。
この国のなかで、先の大戦がすっかり希薄になってきている。
にもかかわらず、8月15日が近づくにつれ、「靖国問題」や「歴史認識」が世間をにぎわす
ことになる。
先ごろ竹島の領土問題で、韓国が大騒ぎとなった。国会も政府も一般市民からも、反日の大合唱の声があがった。
一方の日本では、「竹島って何だっけ?」といった程度の受け止め方であった。
どうやら日本は、先の戦争に関し、中途半端な総括しかしなかったため、国民の意識が停滞したままになっているようだ。
いや、それよりも由々しきことは、日本政府の事なかれ主義なのだ。表面が穏やかならそれでいい。それが日本政府の態度なのだから始末が悪い。
国家の責務とは何か。
「領土の保全と国民の生命・財産の保護」が国の役割だ。しかし日本は、それをアイマイにしたまま過ごしてきた。
日本人の多くは、次のように思っている。
朝鮮半島を植民地化したのは悪かった。
*中国を侵略したのは悪かった。
*その延長としての太平洋戦争も日本のせい。
*従軍慰安婦問題は日本の恥部だ。
*南京大虐殺は日本が犯した重大な戦争犯罪。
*広島、長崎の原爆は、戦争の早期決着のためには必要だった。
*東京裁判は正義に基づく合法的な裁判。
昭和20年8月15日以降、多くの日本人は、「残虐非道な日本人」の罪を背負わされ、諸外国に対して、ひたすら恭順の態度で過ごしてきた。
非難の対象とされている事実が、真の事実かについて、もっと真摯に見つめ直し、反論すべきは反論しなければなるまい。
わずかながらも戦争体験者が生きている今こそ、
① なぜ戦争を起こしてしまったのか。責任者は誰なのか。
② なぜ戦争に負けてしまったのか。責任者は誰なのか。
③ 東京裁判の意味するものは何なのか。日本だけが悪かったのか。
等について整理をして国民に示すべきではなかろうか。
中途半端なまま時代が過ぎれば、非道の汚名を着せられたまま、発言権のない国になってしまうのではなかろうか。
罪に服す気持ちで、ひたすらお経を唱えているだけではすむまい。
正統保守派の奮起を期待してやまない。
空蝉のひねもす経を唱へたり 鵯 一平
空蝉(うつせみ)は蝉の抜け殻で夏の季語。
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