新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

女やもめに花?

2008年07月31日 10時03分55秒 | 身辺雑記

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 萩はマメ科ハギ属の小低木。

 夏から初秋にかけて紅紫色の花を開き、秋のなかば頃に散りこぼれる。

 秋の七草の一つ。

 今日の記事には関係ない。

 7月21日の記事で、旧友が急逝したことを書いた。

 T君のことである。

 T,H,Kと私は、いずれも昭和9年生まれで、小学校、中学校が一緒の幼馴染みだった。

 H君と私は同じ高校に進み、T君、K君はそれぞれ異なる高校へ進んだ。

 H君はすでに亡い。T君は少し離れた市に引っ越していたので、自然に連絡が途切れていた。そのようなことから、T君の急逝を知らずにいて、葬儀・告別式にも出席できなかった。

 気になってならなかったので、T君宅の番号を探して電話をした。

「はい、Tでございます」と、明るい声の応答があった。

 少し甲高い若やいだ声。S子さんだろうか。

「あのー、私、●▲と申しすが……」 おずおずと名乗った。

「あらっ、●▲さん!お久しぶりでございます!S子です!」 元気な声だ。

「Tが亡くなったと聞いたものですから……」 私の言葉は、歯切れ悪い。

「そうなんですよ、急に逝っちゃったンです」 

 打ちひしがれているのかと思っていたのだが、思いのほか言葉に勢いがあった。

「自業自得だったンですよ。本人も納得していたと思います」

 いきなりビックリするような言葉が飛び出した。もともと元気で、多少は無邪気な面のある女性だったのだが、自業自得とは穏やかでない。

 それからしばらくの時間、彼女の話を聞いた。心の内に溜まっていた何かが、いきなり迸り出ている感じだ。悲しみすらも抑え込んでいたのかもしれない。しかし、あくまでも湿っぽさはなかった。

 あんなに無邪気そうで可愛い雰囲気の彼女に、意外に強い一面があったのかもしれない。

 それとも、今もなお、必死になって悲しみと立ち向かっているのだろうか。

 ひとしきり話を聞いてから、私は、

「近日中に、お線香を上げさせてほしい」と、願い出た。

「お出でいただけますか、ありがとうございます」

 こちらの訪問を快諾してくれた。時間を約束して電話を切った。

 夫君を亡くした際、妻たる身に襲いかかるストレスは凄まじいものがあるようだ。

 H君の葬儀に際してもそうだった。H君の兄弟が乗り込んできていて、妻のY子さんは身動きができずにいた。

 今度もそんな様子だったらしい。言葉の端々から伺い知れた。

 訪問の当日、私は自動車では行かず、常磐線を利用することにした。駅まで迎えに出てくれるとのこと、ありがたいことだ。

 男ヤモメに蛆が湧き、女ヤモメに花が咲く。よく言ったものである。

 H君を見送ったあとの奥さんY子さんは、今、伸び伸びと新しい事業に取り組んでいる。

 S子さんは若い頃から、書道の先生をしていた。今後、どうするのだろうか。

 妻を見送った夫と夫を見送った妻の違い。幾人かの友人を見て、考えさせられることがあった。いや、今後考えてみたいと思っている。

 夫とは、男とは、妻たる女性を長い間にわたって、抑圧を加えている存在なのだろうか。

 それどころか、死んで後も、兄弟たちや親戚との関わりで、心痛の種を残すのかもしれない。

 T君とS子さんとの関係にかぎっては、主導権がS子さんにあったと思っていたのだが………。 

 お読みいただきありがとうございました。

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コメント (16)
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