新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

父と息子の関係

2007年10月23日 07時54分08秒 | 身辺雑記

                                                                                                                                                                                                             

 昨日の午後、かかりつけの耳鼻科へ行った。ノドに不愉快な痛みがあった。

 待合室は満員で、14~5席ほどの椅子は満席となっていた。

 患者はほとんど老人で、子供連れが2組。まさに高齢化社会そのものだ。

 若いママさんが、「どうぞ」と、席を譲ってくれた。電車の中では、滅多に見られない光景だ。
礼を言って、席に着いた。

 3~4歳ほどの男の子が、待合室を走り廻っている。ママさんは気が気ではない様子。

「○○ちゃん、中待合室へ入ってください」と、アナウンスで男の子が呼ばれた。

 この医院は中待合室があって、そこで診察の順番を待つことになっている。

 私の位置からは、お医者の声がよく聞こえた。
「××◇◇……」と言っている。いつものことなのだが、ここのお医者は小言が多い。
 注意のつもりだろうが、聞くほうは叱られている感じになる。

「○○ちゃん、どうぞ」と呼ばれた。男の子の番だ。
 泣くだろうかと案じていたのだが、静かに診て貰っている。耳なのか鼻なのかノドなのか。

「もう、だいぶいいですねえ」とお医者の声。小言の多いあのお医者だ。
「じゃあ、もう来なくていいですね?」と、ママさんが訊ねた。ホッとした様子だ。
「それは私が決めます。もう一度来てください!」。ママさんが叱られた。

 いつもの調子でやっている。近所では、「恐いけれど腕のいい先生」で通っているのだ。
 つまり、お医者のマイペース。昔からその調子で来たようだ。患者はそれを承知でかかっているのだから、問題はない。

 私も中待合室に呼ばれた。

「………?」
 お医者は爺さん先生ではない。若先生だ。

 声はそっくりだし、叱り方までよく似ている。「親子だなあ」と、私はつくずく思った。

「ああ、大きな口内炎ですねえ」
 私のノドを覗きながら、若先生が言った。

「ノドでしょう?」。ノドにも口内炎があるのか、とは、私の素朴な疑問だ。
「口とノドはつながっているでしょう!」。若先生はこともなげに言った。
 
 なるほどとは思ったが、そのデンで言ったら、「胃潰瘍も口内炎か?」と言いたかった。
 患者は弱い立場。ぐっとこらえた。
 それにしても、よく似ている親子だ。 

 私にも息子がいる。なんのかのと私を批判したりしている。父と息子はよく似るのだぞ。
「ザマアミロ!」と、 一瞬、私はほくそ笑んだ。
 しかし一方では、
「ごめんなあ」、という気持ちも生まれてきた。

 父と息子の関係は、単純でいて複雑だ。

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コメント (8)
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