Somei Satoh "Mantra / Stabat Mater" New Albion, 1988.
現代音楽。佐藤聰明作の声楽(?)曲二曲のカップリング。この作曲家は、日本よりも米国のほうでよく受け容れられているようで、この録音も米国ニューエージ音楽専門のNew Albionレーベルから発表されている。
面白いのは‘Mantra’の方。声明というお寺のお坊さんが低い声で「アー」と唸る手法を使う、ドローン系音楽である。テープで何重にも重ね合わされた声明が、ウネリながら現れたり消えていったりするという作品である。リズムもメロディも無い音楽だが、そのパワーは圧倒的で、音の鳴る場を異空間に変えてしまう。カリフォルニアのニューエージ愛好家が「東洋の神秘!」とか言いながら一種のドラッグミュージックとして楽しむ光景が目に浮かぶ。一方、もう一つの‘Stabat Mater’はリゲティの‘Lux Aeterna’風の合唱曲で、音の聞こえない瞬間が多いし、人を驚かせる場面もあってちょっと気持ち悪い。
‘Mantra’の方は、同じくNew Albionからの“Mandara Trilogy”にも収録されているらしく、今ではそっちの方が入手しやすいかもしれない。
現代音楽。佐藤聰明作の声楽(?)曲二曲のカップリング。この作曲家は、日本よりも米国のほうでよく受け容れられているようで、この録音も米国ニューエージ音楽専門のNew Albionレーベルから発表されている。
面白いのは‘Mantra’の方。声明というお寺のお坊さんが低い声で「アー」と唸る手法を使う、ドローン系音楽である。テープで何重にも重ね合わされた声明が、ウネリながら現れたり消えていったりするという作品である。リズムもメロディも無い音楽だが、そのパワーは圧倒的で、音の鳴る場を異空間に変えてしまう。カリフォルニアのニューエージ愛好家が「東洋の神秘!」とか言いながら一種のドラッグミュージックとして楽しむ光景が目に浮かぶ。一方、もう一つの‘Stabat Mater’はリゲティの‘Lux Aeterna’風の合唱曲で、音の聞こえない瞬間が多いし、人を驚かせる場面もあってちょっと気持ち悪い。
‘Mantra’の方は、同じくNew Albionからの“Mandara Trilogy”にも収録されているらしく、今ではそっちの方が入手しやすいかもしれない。