瀞ホテル報告の続きです。
まず最初に、ホテル2F回廊および3Fから眺めた写真をもう少し掲げてみました。本館の所在地は奈良県ですが、南面する対岸(2枚目)は三重県にあり、吊り橋を渡った対岸にある別館(4、5枚目)は和歌山県にあります。つまり、この地は奈良県・三重県・和歌山県の三県が接する”瀞中、最も勝れた眺望をほしいまま”にする地点にあります。景色が素晴らしいことはもちろんですが、地理的にも何という凄いロケーション!
吊り橋を渡った対岸にある別館は現在は簡素な外観ですが、昔は本館と同様に入母屋屋根に欄干のついた縁側が回っていたそうです。往時のその姿を見たかったですね。なお、吊り橋のワイヤーが一部切れていて、現在は別館に渡ることはできません。
この日の見学は他にも回るところが目白押しで、瀞ホテル内での滞在時間は昼食時間も含めて(昼食は各自自前です)50分くらいしかなく、みんな名残惜しそうにホテルを後にしました。せめてもう30分くらいは、ここからの素晴らしい眺めを楽しみたかったところです。
昼食後はホテル横の階段を更に下って河原に降り立ちます。この後、ジェット船の特別便で瀞峡めぐりを楽しみながら次の目的地(トロッコ列車&瀞流荘温泉)を目指す予定です。
河原から見ると、瀞ホテルは石垣の上に、崖にへばりつくように建っていることがよく分かります。また、玄関側からは見えなかった3階部分も姿を現しています。瀞ホテルからの景色も絶景でしたが、ホテルそのものの眺めは川からのものが素晴らしいです。これは、昔は川からのアプローチしかなかったため、外観もそこからの眺めを重視して考えられたためのようです。
川島先生の解説文では、建築スタイルの最大の特徴として「城郭風スタイル」があげられています。その1で、”「瀞ホテルと瀞峡」をモチーフとした透かし彫りの欄間”のことを書きましたが、やはり川を遡行してくる船からの眺めが最大の魅力でしょうね。
以下、船から見た瀞ホテルの写真3枚を最後にアップしました。まさに”瀞峡に浮かぶ城”ですね。凄い!3階部分もよく分かります。
↑ちょっと小さいのですが、上の写真がこの日のベスト・ショットでしょうか。
川を船で遡ってきて初めてこの景観が目に入ったら、それはそれは大感激でしょうね。
瀞ホテルは営業を休止されてから数年が経ち、それに伴って屋根が落ちかけたりと傷みも進んでいるようです。本館のとりあえずの補修費用(だったでしょうか?)で数千万円かかるそうですが、何とかこの風景、佇まいを極力このまま残して頂きたいものです。ただ、補修・修復したとしても、その後の維持・運営をどのようにするかが、その費用と共に最大の課題になると思われます。ですが、今回特別にホテルを開けて頂いた息子さんはとてもやる気のある方なので、私たちも何とか支援したいものですね。