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ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

女たちのジハード(篠田節子)

2006-01-17 21:25:00 | 本と雑誌

Onnatachi1女たちのジハード(集英社文庫)
★★★★☆:90点

読んだのは2年以上前ですが、とても面白かったです。途中(or途中まで)、ちょっと中だるみというか題材や女性の考え方(結婚願望、キャリア志向 etc.)が古い、または類型的すぎるかとも思ったのですが、終盤、彼女たちに大きな転機が訪れるあたらりから快調なテンポ・ノリになって楽しめました。

****************** Amazon より ******************

中堅保険会社に勤める5人のOL。条件のよい結婚に策略を巡らす美人のリサ。家事能力ゼロで結婚に失敗する紀子。有能なOLでありながら会社を辞めざるをえなくなったみどり。自分の城を持つことに邁進するいきおくれの康子。そして得意の英語で自立をめざす紗織。男性優位社会の中で、踏まれても虐げられても逞しく人生を切り開いていこうとする女たち。それぞれの選択と闘いを描く痛快長編。直木賞受賞作品。

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何とか見つけた昔の読後メモによると、「シャトレーヌ」「三十四歳のせみしぐれ」(康子)「それぞれの春」(リサ)「離陸」「タッチアンドゴー」(沙織)などを高く評価したようです。細部についてはすっかり忘却の彼方ですが・・・。

直木賞の選評では、特に序盤の短編群を文学的に高く評価する声が多く、終盤のものは生き方マニュアル的な面白さといった評価の模様でした。しかし、私はリサ・沙織・康子に大きな転機が訪れて各々が新たな人生へ踏み出す(それまでの内に閉じこもりがちだったことを超えて)過程が非常に興味深かったです。プロの書き手と素人の読み手の評価が異なるのは当然ですが、その感じ方が実に対照的で面白かったですね。

参考ブログ:

   ”そらさん”のブログ「日だまりで読書」
   ”ちびちびさん”のブログ「奥さまは149cm」(2008-5-26追加)   

■そらさんが書かれていた

>ただ、紀子だけはどうも。。。。
>きみ、もっとしゃんとしようよ、と思いました。
>解説によると、紀子が男性読者に一番人気があるのだとか。
>う~ん、、、、、とうなってしまいます(笑)

そんな男性読者にはビックリ!

頼りなげなのが良いのですかね。信じられない。

私もう~ん、、、、、とうなってしまいます。男性としても全く紀子を評価しませんので、ご安心あれ!?


今年初の例会

2006-01-16 12:58:34 | ランニング

昨日は所属ランニングチームの今年初の例会(&ミニ新年会)でした。

2月に小学校4年生と1年生の息子2人を子供マラソンに参加させようと考えており、今回はその練習も兼ねて親子で参加しました。ですが、昨日の長居公園では大阪の実業団対抗駅伝が開催されており、凄い人でした(選手&応援)。結局、駅伝レース中の①~②周目は人をよけながら歩道を走ったり、先に行ってしまった長男を追いかけたり、また逆走して次男のところに戻ったりと、まともに走らなかった割には疲れてしまいました。今回は人が多すぎて走りづらく、あまり子供たちの練習にもなりませんでしたね。

③周目以降は、子供たちをサッカーボールで遊ばせておき、チームのMさんやFさんと走りました。1周2813mの周回道路を適度にペースUPも交えながら、キロ5分ちょっとくらいペースで走り、タイムは③14’07”、④14’27”、⑤14’13”。左ふくらはぎに多少肉離れ的な違和感はありましたが、まずまずの走りでしょうか。

ようやくこれで1月度2日目のランニングです。こんなことで3月上旬の篠山フルをきちんと走れるのかな?まあ、なるようになるでしょう。

息子たちはチームの先輩(Oさん)から何とお年玉を頂き、ホクホク顔でした。


優しい音楽(瀬尾まいこ)

2006-01-14 23:14:40 | 本と雑誌

Yasashiiongaku1 優しい音楽(双葉社)

★★★☆’:65点


2時間くらいで読んだと思いますが、不思議な感覚の小説でした。

「優しい音楽」:○、「タイムラグ」:○’、「がらくた効果」:△ といった評価でしょうか。個人的にはもうちょっと濃厚で手応えのある作品が好きなのでトータルとしての評価はやや低めになってしまいました。

「優しい音楽」で、千波が永居に近づいた理由は途中で気付きましたが、終盤の音楽のシーンは良かったです。音楽をきっかけにした新しい家族の始まり。

「タイムラグ」、浮気相手の娘(佐菜)を預かることになった深雪。佐菜の母親のことを知ってから、とある場所で思わず熱弁をふるってしまう深雪がgood!

「がらくた効果」、言わんとすることは分からないでもないのですが、ちょっとこの文体というかテイストは私好みではないですね。少し検索して調べてみたら、これを一番高く評価されている人が割とおられるようで、へーっと思いました。


今年の読書も徐々にエンジンがかかってきました。 


TVドラマ「白夜行」

2006-01-13 23:07:37 | テレビ番組

”そらさん”のブログ「日だまりで読書」 でも書かれていたTVドラマ「白夜行」、見ました。東野圭吾さんの原作を読んだのはずーっと以前だったので細部は完全に忘れていましたが、面白かったです。まさかファーストシーンがあれから始まるとは!絶句・・・。こんなシーンを見せてもいいのかなと心配になりました。

「白夜行」は序盤の事件が非常にショッキングなのですが、これは原作の凄さですね。原作との差違はよく分かっていないのですが、なかなかよくできたドラマという印象を持ちました。次回以降も必見ですね。

■そらさん<

>雪穂の子役の子、うまかったです。かわいいし。
>亮司の子役の子も素朴な感じがかわいかった。

全く同感です。とくに女の子は目の表情が素晴らしいですね。

ひとつ気になったのは刑事役・武田鉄矢の大阪弁。あいさつ程度の短いフレーズであれば何とか許容範囲内ですが、ちょっと長いセリフになると怪しげなアクセントがたくさん出てきて興ざめでした。大阪弁をもうちょっと大事にしてほしいです。どうせなら博多弁にしたら良かったのに・・・。その点、八千草薫さんの大阪弁は見事でっせ。ただし、武田鉄矢のしわだらけの笑顔は不気味さもあってgood。

東野さん、今度こそ直木賞とれるのかなあ。強力なライバル作が1、2あるようですが。


辰巳八景(山本一力)

2006-01-13 00:01:00 | 山本一力

Tatsumi1 辰巳八景(新潮社)

★★★★(☆’):80(~85)点

~Amazonより~

八幡様に朝日がのぼり、大川端に夕陽が沈む。明暦、元禄、天明、文化、時代は移るもそれは変わらず、お天道様が見守る下で、様々な人生が織り成されていく。江戸は深川、辰巳に花咲く、八つの人情物語。

一力さんの最近作(とくに長編)には辛目の評価をすることが多かったのですが、短編集である本作は人物や人情がよく描けているし”しみじみ感”もあって、今年の読了本第1作目にふさわしい出来映えでした。一気に数十年が経過する話もあり、5編くらいで1つ1つをもうちょっと書き込んでくれた方が嬉しかったような気もしますが、まずは文句なし。 時の経過も効果的ではありました。

◎ :永代橋晩鐘、やぐら下の夕照

○ :佃町の晴嵐

○’:永代橋帰帆、仲町の夜雨、木場の落雁、洲崎の秋月、石場の暮雪

実らぬ恋(実らなかった恋)を描いた「永代橋晩鐘」「やぐら下の夕照」がベストでしょうか。悲しさと明るさのブレンドが絶妙。まるで「料理の鉄人」のナレーションみたいやな・・・。