活字中毒養成ギプス―ジャンル別文庫本ベスト500(角川文庫)
★★★☆:70点
1988年に発行された安原顕氏プロデュースのガイド本です。はっきり言ってめちゃくちゃレベルが高いです。何せ、冒頭の対談が浅田彰×高橋源一郎の「新教養主義のススメ-失われた文庫本を求めて」ですから。と言っても、ここでは哲学書や思想書といったカタイ本だけではなくてSFなども含まれているのですが、これまでに私が読んだ本と全くマッチしません。まあ、かなり古い本も含まれているので、手にする機会がなかったものもあるでしょうけれど。
対談に続く各ジャンル・ベスト本紹介の各ライターの中には、私が名前すら知らない方もおられますが、なかなか錚々たるメンバーのようです(私が無知なだけ?)。ジャンルと執筆者は下記の通り。
①SF・ファンタジー・ベスト50 風間賢二
②ミステリー・ベスト50 宮脇孝雄
③ラヴ・ロマンス(外国編)ベスト44 池澤夏樹
④ラヴ・ロマンス(日本編)ベスト50 関井光男
⑤思想書・ベスト50 矢代梓
⑥ノンフィクション・ベスト50 鈴木明
⑦ヴィジュアル本・ベスト50 飯沢耕太郎
⑧グルメの本・ベスト23 玉村豊男
⑨紀行文・ベスト20 高田宏
⑩ノン・ジャンル・ベスト40 田口賢司
⑪ノン・ジャンル・ベスト50 武藤康史
⑫夢の文庫本 安原顕
約500冊の本が紹介されているのですが、私が明らかに読んだことがあるのは何と下記の16冊だけでした。これはこれで凄い!?思想書なんて読もうと思ったことすらないですね。①のSF・ファンタジーがゼロとは自分でもちょっと意外でした。原作は読んでいないけど映画になったものを見たとかは幾つかありましたが・・・。
②で
エラリー・クイーン「Yの悲劇」
トニー・ケンリック「スカイジャック」
ジョン・ル・カレ「寒い国から帰ってきたスパイ」
フレデリック・フォーサイス「オデッサ・ファイル」
③で
フランソワーズ・サガン「悲しみよ こんにちは」
④で
夏目漱石「それから」
川端康成「雪国」
石坂洋次郎「陽のあたる坂道」
⑤で
「歎異抄」 ※高校のときに倫理の授業で読まざるを得なかった・・・。
⑥で
イザヤ・ベンダサン「日本人とユダヤ人」
⑦で
東京建築探偵団「建築探偵術入門」
⑨で
深田久弥「日本百名山」
河口慧海「チベット旅行記」
北杜夫「どくとるマンボウ航海記」
ウィンパー「アルプス登攀記」
⑪で
武者小路実篤「友情」
最近は、もっぱら小説、建築・まち歩き関連本、実用書・教養書(主に新書で)しか読んでいないのですが、もうちょっと読書の幅は広げてもいいかもです。その意味で良い刺激になりました。でも、読書予定リストには既に数十冊がズラーッと並んでいるやけどなあ。。。