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ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

My読書リスト-3(日本人作家編終了)

2006-09-09 00:00:00 | 本と雑誌

読書リスト・日本人作家編の最終回です。

一応のおすすめレベルに達している★★★☆:70点以上のものを挙げたつもりなのですが、再度眺めてみると、そのレベル未満のものも結構含まれている気がしてきました。まあ、とりあえずのリストアップやし個人的な遊びやからいいですよね。

そらさんがご自分のブログのコメントで書かれていた

>リストに挙げてみると、読んでる本に偏りがあるな~と思ってみたり、
>なんか統一性がないな~と思ってみたり(まるっきり逆やねん ^^;)
>なかなかおもしろいよ☆

という感想が私の場合にもぴったり当てはまります。そういう意味も含めて面白かった!

年代・年齢によって読書傾向が変わってきたことは確かですが、面白ければ特に作家もジャンルも問わないといった点は自分の中では不変です。未読の作家も多数おられますが、全てを読むことなんて不可能ですからね。自分のカンを信じるのみです。そうそう、信頼のおける読書仲間の感想は非常に参考になりますし、それで読書の幅が広がることは確かです。

結構時間はかかりましたが、 自分でも一度棚卸ししたかったので良い機会でした。
これで、全部の作品に感想がついていたら大したものなのですが、時間的にもちょっと無理ですう。★★★☆などの採点は追加するつもりですけれど。

【は行の作家】

服部真澄          龍の契り
                      エル・ドラド
羽仁進            自由学園物語
林望               書斎の造り方
東野圭吾         白夜行
                      秘密
                      容疑者Xの献身
                       パラレルワールド・ラブストーリー
樋口明雄         狼は瞑らない
姫野カオルコ      終業式
広瀬正            マイナス・ゼロ
福井晴敏         亡国のイージス
                      Twelve Y.O.
                      6ステイン
深田祐介         炎熱商人
藤井素介          海鳴りやまず
藤沢周平         蝉しぐれ
                      風の果て
                      隠し剣 孤影抄
                      隠し剣 秋風抄
                      秘太刀剣馬の骨
                      たそがれ清兵衛
                      竹光始末
                      暗殺の年輪
                      橋ものがたり
藤原伊織         てのひらの闇
船山馨             石狩平野

【ま行の作家】

松本清張          空の城
南伸坊             装丁
宮部みゆき       火車
                        魔術はささやく
                       我が隣人の殺人
                       龍は眠る
                       レベル7
                       パーフェクトブルー
                       模倣犯
宮本輝             約束の冬
宮本昌孝          藩校早春賦
向田邦子          思い出トランプ
村上龍             コインロッカーベイビーズ
森絵都              DIVE!!
           つきのふね
           永遠の出口

【や行の作家】

山崎豊子     不毛地帯
           白い巨塔 
           大地の子
           華麗なる一族
           二つの祖国
           沈まぬ太陽
山田風太郎    八犬伝
山本一力     あかね空
           蒼龍
           いっぽん桜
           梅咲きぬ
           大川わたり
           欅しぐれ
           損料屋喜八郎始末控え
           赤絵の桜 損料屋喜八郎始末控え
           だいこん
           深川駕籠
           はぐれ牡丹
           深川黄表紙掛取り帖
           草笛の音次郎
           お神酒徳利
山本周五郎    樅の木は残った
           日々平安
湯本香樹美    夏の庭
横山秀夫     クライマーズ・ハイ
           第三の時効
           出口のない海
           陰の季節
           動機
           半落ち
           震度0
           顔-FACE-
           看守眼
           深追い
           影踏み
           臨場
           ルパンの消息
吉川英治     宮本武蔵
           新・平家物語
           三国志
吉田修一     パーク・ライフ
吉村昭       冬の鷹
                       破獄

【わ行の作家】

若竹七海          ぼくのミステリな日常
渡辺淳一          白夜


My読書リスト-2

2006-09-07 22:25:00 | 本と雑誌

読書リストの続きで、今宵は【な行の作家】までです。
あと1回で日本人作家編は終了予定です。

【さ行の作家】

佐々淳行     戦時少年 父と母と伊藤先生
佐藤正午     Y
           ジャンプ
           スペインの雨
佐藤多佳子      しゃべれども しゃべれども
                     神様がくれた指
沢木耕太郎      凍
椎名誠            本の雑誌血風録
重松清            流星ワゴン
雫井脩介         犯人に告ぐ
篠田節子         女たちのジハード
司馬遼太郎      城塞
                     関ヶ原
                     燃えよ剣
島崎藤村        破戒
志水辰夫        裂けて海峡
白石一文         一瞬の光
白川道            海は涸いていた
城山三郎         毎日が日曜日
真保裕一         ホワイトアウト
                     ストロボ
鈴木かおり     青葉台チャリンコ2分
瀬尾まいこ       幸福な食卓
                     卵の緒
                     優しい音楽
妹尾河童        少年H

【た行の作家】

高田直樹         なんで山登ねん
                      いやいやまあまあ
高田宏            言葉の海へ
高村薫            マークスの山
                     リヴィエラを撃て
高橋克彦        写楽殺人事件
立花隆           宇宙からの帰還
谷崎潤一郎     細雪
壺井栄             二十四の瞳

【な行の作家】

内藤陳             読まずに死ねるか
                      読まずば二度死ね
長塚節            土
中沢けい         楽隊のうさぎ
夏目漱石         こころ
                      それから
鳴海風            円周率を計算した男
                      算聖伝 関孝和の生涯
新田次郎         八甲田山
                      孤高の人
                      聖職の碑
                      槍ヶ岳開山
                       武田信玄
                       銀嶺の人
                     栄光の岩壁
                      武田勝頼
                      新田義貞
乃南アサ         凍える牙
                      鎖
野田知佑         少年期


My読書リスト-1

2006-09-06 23:10:00 | 本と雑誌

そらさんが書かれていた”ブログの中の本”をちょっと真似してみました。ただし、ここではブログの中で紹介した本ではなくて、これまでに読んだ本(小説プラス若干のノンフィクション)そのもののリストです。

一応、オススメに値する★★★☆:70点以上の作品を挙げましたが、それ以下のものも多少含まれています。昔読んだ本はハッキリと覚えていないものも多いので、かなりエイヤーで取捨選択しました。今年読んだものは含めたり含めなかったり色々です。このリストから漏れたものを含む単純な読了本の数は、2倍弱といったところでしょうか。建築関連本や教養書?などを含むノンフィクションを含めると約3倍かな?自分でもよく分かりません(^_^;

あ行だけで結構な数になってしまったので、幾つかに分割します。複数の作品を挙げた作家さんの場合、大体上に書いたものが高く評価した作品です。また時間が取れたら、★や☆を使った採点も付け加えたり、ブログ記事とリンクを張ったりしたいと思います。

【あ行の作家】

阿川弘之    雲の墓標
阿久悠      続・瀬戸内少年野球団
浅田次郎    壬生義士伝
          輪違屋糸里
          鉄道員(ぽっぽや)
          地下鉄(メトロ)に乗って
          蒼穹の昴
          プリズンホテル・秋
          プリズンホテル・夏
あさのあつこ  バッテリー(1~6)
梓沢要      百枚の定家
有吉佐和子   和宮様御留
           真砂屋お峯
           華岡清州の妻
安東能明    強奪箱根駅伝
飯嶋和一    始祖鳥記
池宮彰一郎   四十七人の刺客
伊坂幸太郎   砂漠
石川達三    蒼氓
井上ひさし   十二人の手紙
          下駄の上の卵
井上靖     敦煌
          天平の甍
          北の海
          異国の星
          しろばんば
          夏草冬涛
井上夢人    プラスチック
上遠野浩平  ぼくらは虚空に夜を視る
大沢在昌    新宿鮫
逢坂剛      カディスの赤い星
大崎善生    聖の青春
岡嶋二人    クラインの壺
荻原浩      なかよし小鳩組
           母恋旅烏
小川洋子     博士の愛した数式
奥泉光         グランド・ミステリー
奥田英朗     邪魔
落合信彦     シリコン・バレー 逆おとり作戦
乙川優三郎  生きる
小野不由美  「十二国記シリーズ」
          図南の翼
          華しょの幽夢
          風の海 迷宮の岸
          風の万里 黎明の空
          黄昏の岸 暁の空
          月の影 影の海
          東の海神 西の蒼海
恩田陸      夜のピクニック

【か行の作家】

角田光代    キッドナップツアー
風間一輝    男たちは北へ
梶尾真治    クロノス・ジョウンターの伝説
川上健一    翼はいつまでも
          雨鱒の川
          ららのいた夏
河口慧海    チベット旅行記
川島誠      800
            もういちど走りだそう
北杜夫      白きたおやかな峰
                    楡家の人々
                     ドクトルマンボウ青春記
                     ドクトルマンボウ航海記
                    ドクトルマンボウ追想記
北村薫          スキップ 
                    リセット
胡桃沢耕史   天山を越えて
黒川博行       文福茶釜
                    蒼煌
久米正雄       学生時代
神坂次郎       縛られた巨人
小林信彦       ドリームハウス
小松左京        さよならジュピター
                     果しなき流れの果に


風味絶佳(山田詠美)

2006-09-05 23:58:00 | 本と雑誌

Huumi1 風味絶佳(文藝春秋)
★★★:60点

本の雑誌で2005年度のベスト1に輝き、アマゾンのカスタマーレビュー等でもかなりの高評価を得ている作品ですが、私にはピンと来ずでした。読書にはある程度、嗜好などについて性差があると思うのですが、男性読者の平均的な評価・感想はどんなものなんでしょうね。あまり読んだ人はいないのかも。でも、北上次郎氏は凄いと唸っているみたいだしなあ。

6編の中では「海の庭」がマイ・ベスト。離婚したママと幼なじみ”作並くん”との不思議な関係が魅力的でした。プラトニックかと思いきや、「大人が初恋をやり直すって、いやらしくて最高だろ?」
次いで「風味絶佳」「春眠」といったところか。

「間食」は鳶職仲間の寺内がちょっとコワかったです。いつも微笑んでいて礼儀正しく、言葉づかいも妙に丁寧。休憩時間には一人で静かに文庫本を読み、昼食も品の良い蕎麦屋で一人で食べている。しかし、ラチェットの使い方はプロだという、そんな不思議な鳶職人。高い所に行くことは全然恐くないと言い、安全帯を「うっとおしいんだよね、あれ」と嫌う。落ちることを何とも思っていない怖さ。暴走族上がりの新入りが絡んできたときは、「殺したいんですか?」「もしそうなら、どうぞ」と言ってのける。世界じゅう全部の人をいつも殺したいと思っていると事も無げに言う。彼には一体過去にどんなことがあったのだろうか?彼の中で、どこかで何かが破綻したのか。これだけでも凄い物語ができるような気がしました。敢えてこれをベストとする考え方もあります。ということで、私はあまり恋愛小説としては読んでいなかったですね。

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出版社 / 著者からの内容紹介

「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから」。孫にグランマと呼ぶことを強要する祖母・不二子は真っ赤なカマロの助手席にはボーイフレンドを、バッグには森永ミルクキャラメルを携え、70歳の今も現役ぶりを発揮する――。

鳶職の男を隅から隅まで慈しみ、彼のためなら何でもする女、「料理は性欲以上に愛の証」とばかりに、清掃作業員の彼に食べさせる料理に心血を注ぐ元主婦など、お互いにしかわからない本能の愛の形を描いた珠玉の6篇を収録。

山田詠美が作家生活20年目に贈る贅を尽くした最高傑作。

小説は、私にとって、ままならない恋そのものである。

山田 詠美(あとがきより)

~ブックカバーより~

ままならない恋に、風味あり
「ベッドタイムアイズ」から20年、「新たな恋愛小説」が生まれた!


出口のない海(横山秀夫)

2006-08-31 23:00:00 | 本と雑誌

Deguchino1 出口のない海(講談社文庫)
★★★★☆’:85点

8月だからというわけではないのだが、最近、戦争に関係する本を2冊続けて読んだ。そうちの1冊が近々映画も公開されるという横山秀夫氏の小説「出口のない海」。 警察ものなどで有名な横山秀夫が特攻兵器の人間魚雷「回天」を題材にした作品を書くのは意外だったが、優れた作品であり、一気に読了した。

【注意:以下、ネタバレ大あり】

学徒出陣の大学生・並木が主人公。戦争を描いた小説はともすれば暗くなりがちであるが、そこに野球(並木は甲子園の優勝投手)という題材を付け加えたことが、作品に明るさと爽やかさ、躍動感を与えて非常に良かった。

マネージャーの小畑が身の回りのものに加え、大切な眼鏡までも質に入れてお金に換え、郷里に帰ってちりぢりなった仲間に至急電報を打って開催にこぎつけた壮行試合。相手は近所のおやじさん達に赤い口紅のホステスさん!が加わった寄せ集めチームだったが、久しぶりの野球は明るくて楽しくて逆にそれが胸を打つ。 解説で山田洋次氏が書かれていた”野球の開放的な世界と回天の暗闇の空間の対比”が見事だった。

死を約束され、死を覚悟したのに、何度出陣しても故障などで戦果を挙げることなく帰投する北や沖田。そんな彼らに浴びせられる上官たちの非情な言葉。 「・・・出ていくからには戦果を挙げろ。スクリューが回らなかったら、手で回してでも突っ込んでみろ。わかったか!」
「スクリューを手で回せだとお?チクショウ!ふざけたこと言いやがって!・・・ああ、いいとも、死んでやる。・・・スクリューが回らなかったら、自爆したって死んでやらあ!」
敵艦に体当たりするのが使命の特攻隊員が味方の心ない言葉に傷つき、自棄になって死に急ごうとする虚しさ。

並木が沖田に語った言葉「俺は回天を伝えるために死ぬ。人間魚雷という特攻兵器がこの世に存在したという事実を伝えたいんだ」自分の死に何とか意味を見いだそうとする若者の苦悩がよく表れていたと思う。

軍隊生活を通じて一度も部下や目下のものに鉄拳をふるったことのなかった並木。「発進用意!」で心を決め、発動桿を押したのに、艇はクーンという妙な音がしただけで、燃料に点火しない「冷走」のトラブルに見舞われる。一度は死線を越えてしまった並木。回天のハッチから潜水艦に戻る彼の顔は蝋のように白く、髪が逆立ち、目は虚ろに宙を彷徨っていた。並木が出迎えた整備員・伊藤に「なぜ笑うかあ!」と怒鳴りつけ、頬を殴りつけたシーンに一瞬とはいえ人間が崩壊してしまった恐ろしさを感じた。

練習中に訓練艇に乗ったまま行方不明になった並木の驚愕の帰還。ボールに書かれた「魔球完成」の文字と沖田・美奈子に宛てられた手紙。感謝と詫びの言葉にこめられた喜びと悲しみが切ない。

本作ではラヴェルの「ボレロ」が重要な役割を担っていた。出征前の最後の日、喫茶「ボレロ」でマスターが並木と美奈子のためにかけてくれた秘蔵のレコード。国民学校の若い女性教師が拙いオルガンで必死に弾いてくれたボレロ。これからは「ボレロ」を聴くたびにこの小説のことを思い出しそうである。

文庫本カバーに「戦争青春小説」とあったが、この表現はちょっと軽く安易な気もした。戦時下という極限状態の中でも夢を追いかけ、精一杯考え、悩み、それでも明るくひたむきに生きようとした若者たちの物語とする方が良いのではないだろうか。 10代の頃に読んだ阿川弘之の名作「雲の墓標」にも深く感動した記憶がある。本作は主人公・並木の人柄もあり、より明るく軽みも持った作品になっていた。

ふと思ったのだが、ずっと戦火が続いているような国々では、このような小説が書かれることはないのだろうか。戦争の悲惨さ・虚しさを文学で伝えることはできないのだろうか。民族・宗教などバックにあるものが違うとは思うが。

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出版社 / 著者からの内容紹介人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第二次世界大戦の終戦前に展開されていた。ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手・並木浩二は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。命の重みとは、青春の哀しみとは--。ベストセラー作家が描く戦争青春小説。