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ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

鷲の驕り(服部真澄)

2006-12-29 22:58:00 | 15:は行の作家

Washino1 鷲の驕り(祥伝社文庫)
★★★★☆:90点

Amazonの読者レビューにも書かれていたのだが、服部真澄の先見性というか時代の先取り感は凄い。作品の執筆順と私が読んだ順序は一致していないのだが、「龍の契り」での香港返還問題、「ディール・メイカー」での著作権問題、「エル・ドラド」での遺伝子操作食物。そして本作での特許権(知的財産権)問題----サブマリン特許なんてのがあるんですね。
幅広い題材をテーマに見事な物語を紡ぎ出す、その力量が素晴らしい。

本作では、伝説的ハッカー、コンピュータ・セキュリティの専門家、稀代の発明家、美人の女性弁護士、ダイヤモンド・シンジケート、現代のイタリアン・(知的)マフィア、米国の巨大企業体「UE」(モデルはGEか)、国防総省、CIA、通産省(もち日本)、日本の大手自動車メーカー「ハヤタ」(モデルはトヨタ)・電子機器メーカー「インフォグラス」(モデルはシャープ----この会社を取り上げたのが凄い!)とその技術者たち。
彼ら・彼女らが、ある者は自分たちだけの限りない財産と地位のために、またある者は21世紀の国の存亡をかけて、”発明家”と”サブマリン特許”と”石”の謎を巡って様々な知的ゲーム&パワーゲームを繰り広げる。いやはや、壮大なドラマである。

氏の作品をリアルタイムで読んでいたら、数年後、その凄さにもっと唸ったはずだったと思うが、出会うのが遅すぎた。しかし、服部真澄を知らなかったら、それはそれは惜しいことなので、1年で4作品を読むことができて良しとしましょう。

********************** Amazonより **********************

内容(「BOOK」データベースより)
「発明家クレイソンを調査してほしい」在米のコンピュータ・セキュリティの専門家笹生勁史に、通産省から極秘依頼があった。クレイソンは日本企業に訴訟を起こし、巨万の富を得ているという。問題は、米国の「特許法」の特異性にあった。先端技術の特許を牛耳る米国に、日本、そして正体不明の産業スパイ、マフィア、ハッカーが暗躍、手に汗握る国際サスペンス巨編。

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【注意:以下、ネタバレあり】

序盤:抜群の出だし&抜群の面白さで名作の予感。
中盤:忘年会やら業多忙で読み方が完全に寸断されたことに伴い、
    面白さも期待度対比でやや低下。「あれっ?今いちか?」と
    思いかけていたのだが・・・。
終盤:おおーっ!ええやん、ええやん(いいね、いいね)!

服部氏の作品はラスト(ラストのラスト)がもう一つ掘り下げ不足・ケレン味不足・余韻不足といった印象があり、多少不満を持っていた。本作もそうかなと思っていたら・・・。
やってくれましたね!
最後に仕掛けられた罠。さすがは天才的ハッカー○○・・・?

服部氏の作品は社会派小説×サスペンス小説といった位置づけになるのだろうか。サスペンス小説にしては明るくカラッとした感じがするのが、氏の作品の特徴かもしれない。これは登場人物がみな何となくユーモアがあるせいか。
  ----「エル・ドラド」はちょっと陰の部分が多かったかな。
私は結構重厚で暗さのある小説も好きなのだが、服部路線も非常に良いと思う。男性読者で、やや深みに欠けると評する人がいるかもしれませんけれど。

思わず笑ったシーン:

  「彼みたいなのがタイプなのかい」
  「アメリカの女の半分は、このタイプが好きなのよ」
      :
  (辣腕美人弁護士の写真を見て)
      :
  「そうは見えないわ」
  「何に見える?」
  「お嬢ちゃん」
      :
  「アメリカの男の半分は、このタイプが好きだね」

しかし、とある人物が亡くなったのが可哀想で可哀想で・・・。

おそらく本作が年内最後の読了小説になると思われますが、1年の締めくくりに素晴らしい作品を読むことができて良かったです。


ディール・メイカー(服部真澄)

2006-12-19 22:34:34 | 15:は行の作家

Deal1 ディール・メイカー(祥伝社文庫)
★★★☆:70点

前に読んだ「エル・ドラド」「龍の契り」に比べると、迫力・緊迫感・ダイナミックさといった点で、やや劣るか。

途中まで、全体の雰囲気といい(あまり熱気などは感じられない)、今ひとつかと思っていたのだが、ノックス・ブレイガーと旧敵のビル・ブロックの虚々実々のかけひき・戦いが具体的になってくるあたりから面白くなってきて、タイムカプセルに隠された秘密が明らかになるあたりからワクワク感が。

****************  文庫本裏カバーより  ****************

アニメ・キャラクター「クマのデニー」で大成功した米国の巨大メディア企業ハリス・ブラザーズ社。その大株主にしてデニーの著作権継承者が病に倒れ、社の幹部は震撼した。彼の遺言状の内容が社の運命を左右するのだ。折しも急成長中のハイテク企業が同社の乗っ取りを宣言、息詰まる攻防戦が開始された。はたして世紀の勝負(ディール)の行方は?超弩級作品、ついに文庫化!

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【注意:以下、超ネタバレあり】

ブロックの攻勢に対して守勢一辺倒となり、最後の方は沈黙を守り、なすすべなしかと思わせたブレイガーが仕掛けた罠。まあ、何かたくらんでいるとは予想していたが、実はブロックのマジコム社に「ハリス・ブラザーズ」を買わせたがっていた、買わせようとしていたとは!・・・これは全く予想せずでした。うーん、やられた。
著作権にまつわる訴訟のおそれ。物語の最初から著作権がテーマであったが、最後にこのような内容を持ってくるとは、さすが、服部真澄と言える。

ストック・オプションやゴールデン・パラシュートなどもよく分かった。経営陣とはいえ、自分の財産を増やすことに必死になる仕組みができているんですね。そういえば、うちの会社でもストック・オプション制度があるけれど、自分には全然関係ないし、気にもとめていませんでした。

人工授精ビジネスも主なテーマではあるのだが、これはあまり気持ちの良いものではなかった。ウィンストン氏の死後に新たに人工授精で生まれてきた女児(男児?)。実は、死体から精子を抽出し、ドクター・蔡は自分自身をドナーとして人工授精を受けて出産したのだった。著作権の継承者(の母)として名乗り出るために。何という執念・・・おそろしー。

終盤、ブレイガーとデイヴィッド・ウーの死のあたりは、やや唐突感があり、あれ? え?という感じで今ひとつ盛り上がりに欠けたのは惜しまれる。
ブレイガーが画策した脳波を消えたようにみせる企み、デイヴィッド・ウーの心臓が実父・ウィンストン氏と同じく右側にあった・・・とかは非常に面白い設定だった。
パラパラとページを繰ってふり返ってみると、なかなかに素晴らしい仕掛けやディーテールがあちこちに施されているのだが、服部氏はあまりそれを大きくふくらましたりせず、あっさりと1つのエピソード的に流してしまう。勿体ないというか、大人物というか。。。

女主人公である商品部門担当副社長のシェリル・ハサウェイが、社内のボーイズ・クラブの役員たちとの間に疎外感を感じながらも、何とか負けないようにと頑張る姿はよく描けていたと思う。恋人の反健斗は、意外にもあまり活躍せずといった印象。ブレイガーの人物像がずば抜けて面白い反面(本当の心の内までは分からないが)、全体としては人物描写に多少の不満も感じた。

うーん、今回も支離滅裂な感想やな。

服部真澄の作品は3作目だが、社会派的な作品も書く他の女流作家と比較すると、

 山崎豊子  :膨大なデータと格闘して相手を研究し尽くし、
                    急所にズバッと直球を投げ込むタイプ
 高村薫    :球質の重い剛腕タイプ(かつての野茂みたいな) 
 宮部みゆき:しなやかさと力強さを併せ持った万能型
 服部真澄   :私にとっては、ややつかみどころのない変幻自在型か
           決め球はチェンジアップorカットボール

といったところでしょうか。

Now reading ・・・「鷲の奢り」(服部真澄)。これは面白い!


幻夜(東野圭吾)

2006-11-09 22:10:00 | 15:は行の作家

Genya1_1 幻夜(集英社)
★★★★~★★★★☆’:80~85点

またまたですが、読書仲間のそらさん(日だまりで読書)も感想を書いておられる「幻夜」を読了しました。

この作品は、かの衝撃作「白夜行」とは双子の関係にあるとか、続編の関係にあると言われているものです。上下2段組み524ページの長編を一気に読ませる東野圭吾さんの手腕はさすがでしたが、衝撃度・感銘度は「白夜行」の方が上と感じました。写真が重要なポイントとなってくる中盤あたりは非常に面白く、ワクワク(ゾクゾクか?)しながら読んだのですが、終盤になるにつれて物語は深みを増すというよりも展開が早くなり、水原雅也と加藤刑事が遂に相対する場面など「え?こうなるの?」といった感じで拍子抜け。まあ、「白夜行」からもこれは想像できるといえば想像できたのですが、それ以上のラストを期待していただけに惜しいなあというのが本音でした。

「白夜行」と比較してみると、確かに、とある事件をきっかけに悪に手を染めてどんどん堕ちていく男女(女が主で男が従--雅也は桐原亮司以上に可哀想)、たった一人になっても執拗に追いかける刑事、風と共に去りぬ、スカーレット・オハラ、ブティック「ホワイト・ナイト(白夜)」、太陽・・・といった内容・フレーズなど明らかに「白夜行」を意識させますが、描き方はかなり異なっていました。

「白夜行」は最後まで主人公二人の真の気持ち・考えが明らかにされない、二人の会話のやりとりも示されない、いったい誰が何をどうやったのかの具体的手口も殆ど明らかにされない・・・全て読者が類推するのみ。そういった不気味さ・不可解さがあったゆえか、底知れない情念というか暗い・黒いエネルギーを感じたのですが、本作では、殆ど全てが提示されます。ただ1点、新海美冬の過去と本当の気持ちのみが最後まで謎に包まれたままで。これはこれで怖かったですが・・・。

読んでいる途中、宮部みゆきさんの作品との共通点を感じました。ある人物になりすますという点で「火車」の新城喬子(?)を、考えること・やること・やらせることのエゲツなさ(非人間的な無茶苦茶さ)という点で「模倣犯」のピースを彷彿とさせます。

「白夜行」は原作と全く異なった描き方をしたTVの影響もあって、唐沢雪穂がそう悪女でもないようにも思えたのですが(綾瀬はるかさんの演技や人柄もあるかな?)、新海美冬は全く救いようのない人物・生き方だと思ってしまいました。

新海美冬とは一体誰なのか。彼女の生い立ちは? これまでにどんな人生をおくってき
たのか。彼女が生きている・生きていく目的は何か?彼女にとって幸せとは何か?彼女は真に幸せを感じることがあるのか?美冬は人間として精神的に破綻している?お金や地位や美貌だけを追い求めているとも思えないのですが・・・。頭が良く綺麗なのに、美冬がこのような生き方しかできない理由は?など、色々と考えさせられる凄い作品ではありました。東野圭吾さんはよくぞこんな人物を考えついたものだと思います。しかし、もう少し心の闇の部分を解き明かしてほしかったなあ。

また、もう一つの疑問としては、整形手術を繰り返す・繰り返してきたとしても、かなり有名になった人物がこれほどスパッと過去を隠して、過去を断ち切って生きることができるものだろうかということでした。

「白夜行」と双子の関係にあるとは思いますが、私は続編とはとらえませんでしたね。しかし、2作合わせて非常に実験的というか野心的な作品でした。

**************** Amazonより ****************
1995年、西宮。父の通夜の翌朝起きた未曾有の大地震。狂騒の中、男と女は出会った。美しく冷徹なヒロインと、彼女の意のままに動く男。女の過去に疑念を持つ刑事。あの『白夜行』の衝撃が蘇る!
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P.S.その他参考ブログ(11/12追加)

 ◎ぐれえすさんの”お犬と本のある暮らし”
 ◎ゆきうさぎさんの♪ウサギ・絵・花・本・写真・・・♪
 ※お二方の記事、見つけることができていませんでした。失礼!


龍の契り(服部真澄)

2006-09-13 23:08:00 | 15:は行の作家

Ryuunochigiri1 龍の契り(新潮文庫)
★★★★☆’:85点

服部真澄さんの作品は、以前「エル・ドラド」を読んでいたく感銘を受けたのだが、この作品も非常に面白く読んだ。

1997年のイギリスから中国への香港返還に関する密約文書をめぐる国家間の争奪戦。それだけでも凄いのに、そこに闇のS資金や上海香港銀行の不正預金、政治・経済など全てに渡って世界を影で操るゴルトシルト家の存在、それに敵対する中国の秘密結社などが絡んで、物語は複雑な様相を見せる。本作が服部氏のデビュー作とのことだが、壮大なスケールは日本人離れしていた。一方、女性陣を中心とした人物の心理描写も素晴らしく、凄い筆力である。ただ、この女性陣が殆ど皆、スタイル抜群の美女といった点がやや類型的で紛らわしさも感じた。しかし、それが読者を迷わせる作者の狙いの1つだったとすると、お見事である。

物語の背景だけを書くと、全編で秘密情報部員が暗躍し、奪い奪われ・殺し殺されの連続で緊張感が漂う超サスペンス・ストーリーといった暗めの話となりがちである。ところがどっこい、服部氏はそこに明るさとユーモアも適度にまぶすという異色の作品に仕上げたのだった。若き外交官・沢木、エレクトロニクス分野の世界的ビッグ・カンパニー”ハイパーソニック”社長・西条。仕事の上では非常に優秀な彼らなのだが、元来の人の良さというか、どこか抜けたようなところがあるのが面白かった。また、沢木のライバルで常に同期のトップを走っていた女性外交官は”とある人物”がモデルなのだが・・・。他にも色々実在人物を想像させる人物が登場するのだが、このあたりのシリアスとユーモアのバランスについては、読者によって多少好き嫌いの差があるかもしれない。

最後の方は息もつかせぬ大ドンデン返しの連続だが、連発し過ぎの感があった。もう一段ゆったりと、深み・余韻・味わいといったものが欲しかったようにも思う。
一番あっと驚いたのは、物語の途中で現れたとある人物の正体。何かおかしいなあ、不思議だなあとは思っていたのだが、まさか、○○が◎◎だったとは!”今日のモデルは6人のはずなのに、8人もいる。2人も多いとは・・・” 後から読み返してみると、ヒントはきちんと与えられていたし、こちらの思い込みから完全に騙されて脱帽だった。いやはやお見事。

また、物語の本筋からやや離れるのであるが、非常に面白いと感じたのは、企業のトップシークレットにアクセス可能な人物のパスワードの盗み方だった。全てハイテク駆使でやるのではなく、人間の弱み・心理をうまく突く頭脳的作戦に驚いた。なるほど!これは勉強になりました。いつでも微笑みを絶やさない香港電脳界の天才ハッカー・劉日月(ラオヤアユツ)が秀逸。

ちょっと多くの要素を詰め込みすぎという気がしないでもないが、デビュー作でこれだけ読者を惹きつける力は並大抵のものではない。個人的には中盤あたりが一番面白いと感じたのであるが、約700ページの大作を一気に読み切ってしまった。

*********************** Amazonより ***********************

内容(「BOOK」データベースより)
東洋の富の一大拠点・香港。その返還を前に、永い眠りから覚醒するかのように突如浮上した、返還に関する謎の密約。いつ、誰が締結し、誰を利するものなのか―。全焼したロンドンのスタジオから忽然と消えた機密文書をめぐる英・中・米・日の熾烈な争奪戦が、世紀末の北京でついにクライマックスを迎えるとき、いにしえの密約文書は果たして誰の手に落ち、何を開示するのか。


エル・ドラド(服部真澄)

2006-08-10 23:30:00 | 15:は行の作家

エル・ドラド(新潮文庫)
★★★★~★★★★☆’:80~85点

Erudorado1 Erudorado2

juraさんのブログ:jura'file+++movie でアップされていた「エル・ドラド」。途中、家族旅行に出かけたりして読み方がやや散漫になってしまったのですが、本日読了。面白かったです。

書名は単行本のときは「GMO」だったそうですが、「エル・ドラド」(南米に存在すると言われた黄金郷のこと)の方が色んな意味を含んでいるし、今も昔も変わらない人々の狂騒ぶりも想像させてずっと良いと思った。

【注意:以下、ネタバレあり】

GMO(遺伝子組み換え作物)自体が実は持っている底知れぬ恐ろしさ、それを悪用すれば生態系を、ひいては世界を動かし支配し、その命運を握ることも可能になる怖さ・不気味さ。その”麻薬のような”怪しい魅力に人々が取り憑かれ翻弄される内容に唸った。

遺伝子組み換えトウモロコシといった言葉は聞いていたが、それが何のためのものなのか、何をどうしているのか等について無知だったことを思い知らされた。それにしてもGM昆虫まであるとは!

題材的には、”超弩級国際サスペンス”といえる内容だろうが、読んでいる最中はあまりそういった感じは受けなかったように思う。作者によっては、あるいは書き方によっては、波瀾万丈、ハラハラドキドキのどんでん返しの連続といった冒険小説風に仕上げることも可能だったと思うが、服部真澄さんは敢えて(?)静かな筆致とされたようだ。しかし、静かなタッチゆえにかえってGMOの怖さやそれを利用しようとする人々・国家の凄まじさ、翻っておぞましさ・おろかさが見事に描き出されていたと思う。この静かなスタイルは若干迫力不足ともとらえられるが、ノンフィクション的な味わいを持たせる意味も含めて私には好ましく感じられた。また、物語のスケールの割には登場人物が少な目で理解しやすかったと思う。

また、この物語は評論家・北上次郎風に書くと、「かつて気鋭の科学ジャーナリストとして活躍しながらも(巨額のインサイダー取引がらみのスクープで)堕ちてしまった失意の翻訳家・蓮尾一生の(ちょっとホロ苦い)復活物語でもあるのだ」となるか。ちょっと物足りないなと思ったのは、冒頭で抗争に巻き込まれて殺された、蓮尾の唯一の友・アダム少年の描き方。後半でも彼のことが少しは出てくるのだが、非常に聡明で印象的な少年だったので、彼のことをもっと深く描いて欲しかった。 蓮尾の担当編集者である三角乃梨、不思議な笑顔と優しさを持つ私立探偵のアール・カッツ、共に良し。若くして伝説的な科学ジャーナリスト:レックス・ウォルシュがあることに関与することについては、薄々そういうことになるんだろうなと想像していたので、それに対しての驚きは小さめだった。

某組織(!)によって飲まされた自白剤の恐怖。現地での案内人、ホセ・ルイス・比嘉の正体は? こあたりのスリル感・サスペンス感は見事だった。

********************* Amazonより *********************
内容(「BOOK」データベースより)
食料の生産と流通を寡占し、世界的大産業に成長した「アグリビジネス」。彼らの次の狙いは新種のGMO(遺伝子組み換え作物)を駆使し、食料のみならず地球のあらゆる生態系を支配することだ―。アグリビジネスの陰謀を暴く原稿の一部を遺して消息を絶った、天才科学ジャーナリスト、レックス・ウォルシュ。翻訳家の蓮尾一生は、彼の足跡を追って南米ボリヴィアへ飛ぶ。
内容(「BOOK」データベースより)
密林の奥に開発されたワイナリー。コカインの原料作物「コカノキ」に蔓延する病害。行方不明となった何人ものサイエンティスト。ボリヴィアの奥地で進行する極秘プロジェクトに迫る蓮尾一生は、ついに驚愕の真実に直面する。人間が神に逆らって創造したGMO(遺伝子組み換え作物)がもたらす大いなる厄災を予見し、地球の未来に警鐘を鳴らす、超弩級国際サスペンス。
内容(「BOOK」データベースより)
除草剤でも枯れないコーンや大豆。カレイの遺伝子を持つジャガイモ。しかし、それはほんの「序曲」に過ぎなかった―。“神の手”を自在に操る巨大企業とワインビジネスの闇、優雅なるセレブたちの光と翳、北米アナポリスの放火殺人と南米ボリヴィアの奥地。すべての仄かな点と線が結びついた時、醜悪なる「真実」が現れる。