goo blog サービス終了のお知らせ 

ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

京都市交響楽団・大阪特別講演 ボレロ

2013-10-09 22:14:09 | 音楽

2013_0921_2かなり日数が経ってしまいましたが、9月21日にザ・シンフォニーホールで開催された京都市交響楽団・大阪特別講演に行ってきました。座席は2F AA-17でした。 

指揮 :広上淳一(常任指揮者)
ピアノ:山本貴志

①デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」 

②ラフマニノフ:パガニーニの主題による
          狂詩曲
 

③リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 

④ラヴェル:ボレロ 

※アンコール 

  ブラームス:ハンガリー舞曲 第6番<o:p></o:p>

曲目ごとの大まかな感想・評価です。
:△ ②:〇 ③:◎ ④:◎<o:p></o:p>

プログラムの後半に演奏される曲やよく知っている曲ほど印象に残るのは致し方なしですね。曲目ごとにもう少し細かい感想を書くと・・・ 

①大太鼓の強打や鉄琴・ピッコロの高音などが印象的。<o:p></o:p>CDによる予習は3回くらいで、耳になじむところまでになっていなかったのがちょっと残念でした。

②予習は部分的に聴いたりも含めて1~2回といったところ。完全な予習不足でしたが、良い曲だと思いました。山本貴志さんは最初、鍵盤に覆い被さるような弾き方でちょっとビックリ。

この日のコンサートでは、ピアノソロとオケの協奏曲的な面と”競争”的な面の両方を併せもった感じがしました。指揮の広上さんは、オケをグーッと引っ張って大きな音を引き出し、それを山本氏に受け渡すというか放り投げるような指揮ぶりが印象的でした。CMなどでもよく使われたり、単独でとり上げられることも多い有名な第18変奏(アンダンテ・カンタービレ)はやはり飛び抜けて美しいメロディで、ピアノもオケも素晴らしかったです。
 

ピアノ以外では、オーボエソロ(美音!)→クラリネットソロ→ホルンソロの音の受け渡しやコンマス氏(若い泉原氏)のソロなどが印象的でした。演奏後はかなり盛大な拍手があり、山本氏も4回くらいステージに引っ張り出されましたが、アンコールはありませんでした。熱演で疲れておられたとは思いますが、もう少し拍手を続ければアンコールピースが聴けたのでしょうか?
 

③曲も美しいですし、迫力もあって、コンサートでは嬉しいプログラム。③④はよく知っていると考えて予習なしでした。出だしは割とゆっくり目のテンポでしたが、次第に白熱。全曲を通じて、コンマス氏のソロ、クラリネットトップ、イングリッシュホルンが素晴らしかったです。またオーボエトップの方はこの日は終始美音で見事な演奏でした。タンバリン、カスタネットなども印象的。
 

この曲が切れ目無く演奏されることは一応知っていましたが、予習なしもあって考えていたよりも短い感じがしてちょっとビックリ!もっとこの音の渦の中に浸っていたかったですね。広上さんは曲の途中、指揮台の上で飛んだり跳ねたり、踊ったりしておられました(笑)。見ていても実に楽しかったです。
 

④コンサートで「ボレロ」を実際に聴いたのは3回目くらいでしょうか。かすかな微弱音~最強音まで的確で素晴らしいリズムを刻んだスネアドラム。美しい音色を聴かせてくれた管楽器群のソロ、それをしっかりと支えた弦。期待通りに、いや期待以上に素晴らしかったです。
 

ソロはフルートから始まりますが、落ち着いた美しい音色が響き渡りました。後のソロ奏者もそのペースにうまく乗ったのか、全体的に非常に良かったです。メロディを奏でる楽器順は次のようでした(Wikipediaより)。
 

 1.1フルート 

 2.1クラリネット 

 3.1ファゴット 

 4.小クラリネット 

 5.オーボエダモーレ 

 6.1フルート、第1トランペット(弱音器付き) 

 7.テナーサクソフォーン 

 8.ソプラニーノサクソフォーン→ソプラノサクソフォーン
  (今日ではソプラノサクソ
フォーン1本で演奏) 

 9.ピッコロ(ホ長調とト長調)、ホルン(ハ長調)、チェレスタ(ハ長調)

10.オーボエ、オーボエ・ダモーレ(ト長調)、コーラングレ、第1,2クラリネット 

11.1トロンボーン 


以下省略
 

私が特に印象に残ったのは第1フルート、オーボエダモーレ、テナーサクソフォーン、第1トロンボーンなどです。客演だったサクソフォーンの2人(女性)にはソロパートが終わると広上氏が親指を立ててgood!ポーズ。これもなかなか良かったです。

演奏後、
お客さんの一番の拍手を浴びたのは、もちろんスネアドラム(女性)でした。聴衆だけでなく仲間からも大喝采が送られました。次いでお客さんの拍手が大きかったのはトロンボーントップだったでしょうか。楽器のことはよく分かっていませんが、トロンボーンで細かく正確な音程を刻むのはなかなか難しいと思われます。ずーっと以前、TV放映で某世界的オケの「ボレロ」でトロンボーンが音を外したのを聴いたことがあり(何とか挽回しましたが)、私もトロンボーンソロの前はちょっとドキドキしていました。しかし、ちょっとコミカルな感じもあるBパート(?)のメロディを見事に吹ききって天晴れ!です。

広上さんの指揮は振りが大きく、身体全体(特に上半身)を使って&動き回っての指揮ぶりでした。「ボレロ」の前半以外は、結構タイミングなどの指示を細かく出されていました。オケとの信頼関係も抜群なようですし、素晴らしい指揮者ですね。この日も素晴らしいコンサートを堪能してオケメンバーの方々の見送りを受けながら、気持ちよくホールを後にしました。


インバル=都響のチャイコフスキー in フェスティバルホール

2013-05-29 22:56:31 | 音楽

2013_0513_inbal_2
先日(と言っても、2週間も前のことですが)
、生まれ変わったフェスティバルホールのオープニングシリーズである「東京都交響楽団 大阪特別公演」に行ってきました。”インバル=都響のチィコフスキー”と銘打たれたコンサートのプログラムは下記の内容でした。 

指揮 :エリアフ・インバル
チェロ:宮田大(②)
 

①ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲 

②チャイコフスキー:ロココ風の主題
             による変奏曲
 

③チャイコフスキー:交響曲第5番
 

当日は会社帰りにホール前で妻と待ち合わせ。夫婦で映画は割とよく行くのですが、クラシックのコンサートは久々です。今回は色々と忙しく、私がCDで予習したのは②のみを2回ほど聴いただけでした。①は全く予備知識なし。③はよく演奏される曲であり、メロディも親しみやすくてまあ頭に入っていました。

 

クラシックのコンサートもザ・シンフォニーホールで聴くことが多く(と言っても、前回は昨年6月のロイヤル・フランダース・フィル)、フェスティバルホールに来たのも数年ぶりです。座席数2700でシンフォニーホール(約1700)の1.5倍以上ということもあり、やはりかなり大きいですね。大階段などの傾斜が緩やかなのは良いです。赤と黒を基調にした色彩はシック。その他のデザインも割と抑えめで、音楽に集中しやすそうでした。ホワイエの天井高さにはビックリ。1~3階席分を吹き抜けにしているようです。
 

ホール内部は幅が広く、今回の座席(1階25列31、32)からはステージがよく見えました。ただ、前の座席との間隔が思っていたよりも狭く、また1階席は1列当たりの通路が2か所しかないため、列の中央の席の人が後から入ってくるにはちょっと大変ですね。単純な比較はできないのですが、最近の映画館(シネマコンプレックスなど)は座席や間隔がゆったりしているだけに、狭さが気になりました。

Hall_image1
※上の写真はフェスティバルホールのホームページより
 

さて、”マーラー指揮者”としてよく知られるインバル氏ですが、テレビの音楽番組でちらっと見たことがあるくらいで、その指揮ぶりなども殆ど知りませんでした。自分の勝手なイメージでは何となく思索的・哲学的なイメージなのかなと想像していたら、これは大違いだったようです。大柄ですが、権威的ではなく、気さくそうな感じ。
 

①「オベロン」序曲を聴くのは全く初めてでしたが、ホルンのソロで始まるメロディの美しい曲でなかなか良かったです。1曲目ということもあってパワー全開といった演奏ではなかったですが、緩急・強弱ともに素晴らしく、もう一度聴いてみたいですね。
 

②の「ロココ~」は、メロディラインがあまり印象に残っておらず、ただ、CDで聴いたときに美しいと感じた唯一の短調である第5変奏(第6変奏?)は良かったです。アンコールはサン=サーンスの「白鳥」でした。満員の聴衆が静まりかえる中、宮田大さんがしっとりと聴かせてくれました。アンコールに有名な曲を持ってくるか、超絶技巧の曲やふだんあまり耳にすることのない曲を持ってくるか、なかなか難しいところですけれど。
 

圧巻はやはり③の交響曲でした。 

第一楽章冒頭のクラリネットソロ良し。それを支える弦の憂いを帯びた、しかし、ずっしりとした厚みのある音色が美しい。ホールもよく響いています。それ以降も素晴らしかったです。第一楽章終盤だったでしょうか?急激なテンポのスローダウンには「おぉーっ」と思いました。
 

もちろん、ホールを揺るがす金管群の咆吼も大迫力で素晴らしかったのですが、私がより印象に残ったのはトップ奏者のソロが素晴らしかった木管群でした。木管同士の音の受け渡しもビューティフル。よく知っている曲でもあり、あまり驚きなどはないかなと予想していたら、テンポの揺れなどが実に新鮮で面白く、全体に「あぁ、良いなあ・・・」と感じる箇所が多かったです。2週間経って細かな記憶はあいまいなのですが(汗)。所有しているCDとの比較では、テンポはアバド/シカゴ響とコバケン/チェコ・フィルの中間ぐらいの感じだったでしょうか。あくまでも印象です。

演奏は楽章間の休みが殆どありませんでした。インバル氏は腕を高く上げたり大きく広げたりで、結構細かく音を要求したり指示したりされていた様です。かなり熱い指揮っぷりにはビックリ。華麗とも無骨(朝比奈さんのような)とも違ったスタイルですね。第2楽章だったか、身体を大きく動かしたりで踊っているような感じがしたのも面白かったです。演奏後、ブラボーの声と満員の聴衆の大拍手もなかなか凄い迫力でした。また、団員の方のインバル氏を讃える足踏みも良かったです。

アンコールはブラームスの「ハンガリー舞曲」から第1番で、これにも場内は大盛り上がりでした。好きな曲で良かったのですが、なぜブラームスだったのでしょうね。例えば、締めくくりもチャイコフスキーで「くるみ割り人形」の「ロシアの踊り(トレパック)」とかでも良かったなあとも思いました。とは言え、S席:5500円という料金も含めて、素晴らしく大満足のコンサートでした。

◎参考ブログ:

    クォーツさんの”おもひでぺたぺた♪”

P12208901
※写真は2月に撮影したもの。私はこの新しい建物も好みです。


ロイヤル・フランダース・フィル in ザ・シンフォニーホール

2012-06-23 21:23:08 | 音楽

2012_0616_2 このところ公私共にめちゃくちゃ忙しく(プライベートでは自宅マンションリフォーム準備など)、ブログ更新が10日に1回くらいになっています。

が、そんな中、数ヶ月前にチケットを購入していたベルギーのオケ「ロイヤル・フランダース・フィル」の大阪公演に行ってきました。クラシックコンサートは2月の「外山啓介&辻本玲 ドラマティック・コンチェルト!」以来です。

今回のプログラムは、

 指揮:エド・デ・ワールト
 チェロ:ポール・ワトキンス

 1.エルガー:チェロ協奏曲
 2.マーラー:交響曲第一番
         「巨人」

チェロは当初予定のマリー=エリザベート・ヘッカーさんが健康上の理由により来日中止となったため、代演でポール・ワトキンス氏になりました。美人チェリストを見ることができずにちと残念。

エルガーのチェロ協奏曲はCD等でも聴いたことがなく(未所有)、マーラーの「巨人」もコンサートでは初めてです。今回、予習用に聴いたCDは下記の2枚。

   エルガー:ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)
         ジョン・バルビローリ指揮
         ロンドン交響楽団
   マーラー:レナード・バーンスタイン指揮
         アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

共に名盤と言われていますが、会社の昼休みや就寝時にディスクマン&イヤホンで聴いただけだったこともあって、実演での音の響き・深み、情報量(音色・ダイナミックレンジ、視覚面の情報も)、迫力などが素晴らしく、感銘度も遙かに上でした。やはりコンサートに行かねば!

ワトキンス氏は急な代演となったようでしたが、キャリアは十分で、演奏ぶりも余裕たっぷり。表情は終始にこやかだったものの、ここぞという箇所の直前の、かっと身体をふるわせる感じが印象的でした。チェロの音色もよく響いて良かったと思います。ただ、こちらの予習不足でメロディがまだ頭に入りきっていなかったこともあり、どの楽章が良かったか等は評価できずでした。

アンコールは、バッハの無伴奏チェロ組曲 第一番「プレリュード」。

休憩後のマーラーは約100名のメンバーが登場。当日のオケの配置と人数は概略で下記のような感じでした。今回の席は2Fの最前列中央寄り(AA-34)で、若干距離感はありますが、オケの様子はよくわかりますし、実演でしか聞こえない音(見て確認して初めてわかる音)も多数あり、全く眠くなったりすることはなく最後まで集中して聴くことができました。

2012_0616_3

第1楽章では最初、トランペットの3人がバックステージで演奏され(遠くに聞こえるかすかな音色良し)、その後静かに入場。美しい楽章でした。トランペットのトップの方は全曲を通じて終始良かったと思います。

CDの予習では最初、映画などでも使われた第3楽章に親しみを感じていましたが、聴きこむうちに第4楽章をはじめとして他の楽章の良さにも気づき、次第に第3楽章はそれほどでもないか・・・と評価するようになっていました。しかし、この日のコンサートでは、第3楽章冒頭のひそやかなティンパニー(ソロ)&コントラバス(トップ)→ファゴット(トップ)→チェロ→オーボエ(ここで一気に存在感を増す)、クラリネット・・・という音のやりとり、受け渡しが非常に素晴らしく、結局この日は第3楽章が最も印象に残りました。

そして第4楽章へ突入。この楽章も素晴らしかったです。金管群の咆哮も終始迫力がありましたが、ここでは2人のティンパニーが凄かったです。向かい合わせでの演奏があったり、実によく揃っていましたし、音の大きさ・響きも申し分なし。終演後、トップの方がサブの若い方(?)をたたえてねぎらっておられた様なのも微笑ましかったです。

第4楽章では弦が奏でる第5番のアダージェット(?)と似たメロディが美しいのですが、ヴァイオリンの低音での総奏もよく響く素晴らしい音色だったと思います。

テンポは緩急はあったと思いますが、おおむね中庸だったのでしょうか。過剰な性急さや重々しさはなく、聴きやすい演奏だったと思います。終盤、ホルン(8)+トロンボーン(1)+トランペット(1)の10名が立ち上がっての演奏は見た目にも迫力があって良し。最後もガーッと盛り上げてビシッと決まり、全体的に大熱演でした。

演奏中は殆どオケメンバーの方を見ていたこともあって、エド・デ・ワールト氏の指揮ぶりはあまり印象に残っていません。その点も考え合わすと、過度に大げさな動きなどのない地味で丁寧な指揮だったのかと思います。ただし、紡ぎだされた音は素晴らしく、よく統率されていると感じました。マーラーの演奏後、コントラバスのトップを2回特に讃えられましたが、個人的にはティンパニーの2人(トップの方はこの日終始、キビキビと音も大きく見事)、トランペット・クラリネット・オーボエのトップにも特に拍手を送りたかったです。移動の時間があったため?あるいはマーラーの熱演での疲労度が大きいためかアンコールはなし。熱心に続く大きな拍手の中をコンサート・ミストレルの手を取って退場するスタイルとなり、ステージの半ばまで歩いてお開きの指示を出された模様でした。

この日のコンサートはお客さんが少なかったようで(6割くらいの入り?)、熱演に対する拍手も大きかったものの、ホール中を埋め尽くす熱気といったような感じに欠けたのが惜しまれます。もっとも、聴衆が少なかった分、音はよく響いていたような気もしましたけれど(笑)。満員の聴衆による熱烈大拍手が起こり、指揮者も熱演の奏者をもっと讃えてくえたら、より印象的な1日になったと思います。例えば、以前聴いたコンサートの中では「京都市交響楽団・大阪特別公演 リスト&マーラー 下野竜也」のときのように。このあたりは素人クラシックファンの願望に近いのですが(汗)。

今回、マーラーの第一番は実演を聴いてかなり印象に残ったので、いずれまた別のコンサートでも聴いてみたいものです。

◎参考ブログ

   れぽれろさんの”れぽれろのブログ”
   東条硯夫さんの”東条硯夫のコンサート日記”
   ぶらあぼさんのBravo! オペラ & クラシック音楽
   
榊原康祐さんの”音楽と落語”

   


外山啓介&辻本玲 ドラマティック・コンチェルト!

2012-02-09 23:37:02 | 音楽

2012_0204_toyamatujimoto1_2 最近は年に2~3回、クラシックコンサートに行っており(昨年は4回:2/54/246/210/9)、2月4日(土)はザ・シンフォニーホールで行われた「外山啓介&辻本玲 ドラマティック・コンチェルト!」を聴いてきました。

この日は日程がバッティングした「洋風建築めぐり講座」はやむなく欠席です。K先生スミマセンm(_ _)m

~ザ・シンフォニーホールのHPより~

進化し続ける実力派ピアニストと若手新星チェリスト、二人が華麗なる競演!外山啓介&辻本玲 ドラマティック・コンチェルト!

ピアノの貴公子・外山啓介さんとチェロの新星・辻本玲さんの二人がザ・シンフォニーホールに帰ってきます!

まず、チェロ界に彗星のごとく現れた若手チェリスト・辻本玲さんですが、2010年7月の公演“小林研一郎の「夏休み・名曲招待席」”のソリストとして登場して以来の来演となります。世界の“オザワ” こと小澤征爾さんが総監督を務める、サイトウ・キネン・オーケストラにも参加するなど注目を集め、今後世界を股にかけて活躍が期待される辻本玲さん。ドヴォルザークの代表作であり、チェロ協奏曲の中で最も有名な作品の一つで、チェロ奏者にとって外せないレパートリーでもある「チェロ協奏曲 ロ短調」をお届けします。

そして、後半は外山啓介さんが登場。8月のピアノ・リサイタルから半年ぶりとなる外山さんですが、ザ・シンフォニーホールでのオーケストラとの共演は、2007年10月以来のことです。演奏曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第2番」。ピアノ協奏曲の中でも最も人気のある最高傑作の一つで、分かりやすい旋律美、ピア二スティックな華やかさなど、非常に魅力的な作品です。この曲は、とても高度な演奏技巧が要求されますが、色彩豊かな音を奏でる外山啓介さんがどのようにしてこの難曲に挑むのか!? 一聴の価値有りです。

進化が止まらない実力派ピアニスト・外山啓介さんと若手有望のチェリスト・辻本玲さんの二人の華麗なる競演をザ・シンフォニーホールで聴いてみませんか?

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この日の出演者とプログラムです。

  指揮/山下一史
  チェロ/辻本玲
  ピアノ/外山啓介
  管弦楽/日本センチュリー交響楽団

  1.ドヴォルザーク/スラヴ舞曲集第1集第8番 op.46-8
  2.ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調    op.104
  3.アンコール(チェロ独奏)
      バッハ/無伴奏チェロ組曲第3番より「サラバンド」

  ~~~休憩~~~

  4.ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18
  5.アンコール(ピアノ独奏)
      ギロック/ウインナーワルツ

ドヴォルザーク/スラヴ舞曲はかなりテンポが速く、迫力もあって良かったと思います(ピッチはやや低め?)。ですが、聴衆はこの日のメインである2つの協奏曲を早く聴きたいといった感じで、拍手は1回だけでした。

2曲目のドヴォルザーク/チェロ協奏曲は美しい旋律がいっぱいの大好きな曲です。メロディも大体頭に入っているしCD(手持ちはヨーヨー・マ/マゼ-ル ベルリン・フィル盤)による予習なしでもOKだろうと思ったのですが、これはちと失敗でした。また、コートはクロークに預けたものの厚手のセーターを着ていて暑く、やや遅めに摂った昼食の満腹感もあって、途中で少し睡魔にも襲われてしまいました。そのため熱演の辻本さんには申し訳ないのですが、評価は期待度対比でやや低めとなってしまいました。

しかし、アンコールのバッハはとても素晴らしく、しんとしたホールに響く音色が絶品でした。チェロの音は人間の声にもっとも近いと言われ、心に直接響いてくるような演奏だったと思います。アンコールの際、指揮者の山下氏が袖からそっと出てこられ、ステージ隅のピアノの椅子に腰掛けてじっと聴いておられたのも印象的でした。辻本さんはチェロ用の演奏台(?)の上で演奏されました。これは音響面での配慮からなのでしょうか?

そして休憩後のラフマニノフ。これは圧巻でした。第1楽章と第2楽章がこの日のベストです。

冒頭、外山さんの奏でる荘重な和音。次第に音が大きくなっていき、そこにオケが重なって有名な旋律が実にゆったりと重々しく壮大に広がります。そして、めまぐるしく動く外山さんの手。音響的にも視覚的にも迫力あり。一気にラフマニノフの世界にひきこまれました。

第2楽章はピアノとフルート・クラリネットの掛け合いが絶妙。クラリネットが奏でるメロディが美しい。その後も、ピアノとオーボエや第一ヴァイオリン等との掛け合いも味わいがあり、終盤の弦の音色も良かったです。第2楽章は全体に静か&ひそやかで、ポロロンと弾く感じのピアノが限りなく美しかったです。

第3楽章は曲の雰囲気が頻繁に変わり、ちょっとコミカルな感じも。ここぞというところでの総奏の迫力は見事。一方で、ひそやかな個所でのシンバルの微弱音も印象的でした。この音色はCDでは聞き取れていませんでした。

この日の席は1F-P10で、外山さんの手・指の動きもよく見えました。低音から高音まで激しく、めまぐるしく動く指。しかし、身体の揺れなどは意外に少なく、端正で見事に抑制された、しかし華麗な演奏が印象的でした。

ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番をコンサートで聴いたのは3回目くらいかな?勉強不足なのですが、この曲が美しく叙情的であると共にメロディラインも覚えやすいことを実演で再認識しました。また、CDでの予習時(ワイセンベルク/カラヤン ベルリン・フィル盤)にはちょっと長いなあと感じていたのですが、実演では各楽章とも短く感じられ、もっと聴いていたいと思い、大感動でした。

この日、オケは木管が好調で(木管ソロは出番も多く目立つのですが)、特にフルート・クラリネット・オーボエのトップの方が終始素晴らしかったと思います。弦も強奏するところでは音も大きく&よく揃っていて、好サポートだったのでは?金管・打は安定感あり。終演後に木管トップの方が皆さん握手をされていたのも印象的でした。

総合的にこの日も大満足のコンサートとなりましたが、聴衆は7割くらいの入りだったでしょうか。盛大な拍手がありブラボーの声も飛んでいましたが、満員でもっと多くの聴衆の方から絶大な拍手をもらったら、更に感動度が上がったでしょうね。そこだけがやや惜しまれます。


高槻ジャズストリート2010

2010-05-05 18:33:05 | 音楽

4日は午後から「高槻ジャズストリート2010」に出かけました。

Takatsuki_jazz10_poster_tこれは全国から約3000人のミュージシャンが高槻に大集合し、2日間にわたって全43会場でジャズ他のパフォーマンスを繰り広げるものです。今回が12回目で、いわゆる興行イベントではなく、市民(普通の人々)による、市民のための、手作りのお祭りだそうです。

<公式ホームページより>

高槻を音楽あふれる明るく楽しい街にしようという思いから、1999年に始まりました。毎年ゴールデンウィークの2日間、すべての会場が入場無料で誰でも気軽に音楽を楽しむことのできる、日本最大級の手づくり音楽イベントです。

**************************************

ビッグバンドを聴きたかったので、まずはメイン会場らしい高槻現代劇場大ホールに行ってみました。ところが、既に1700人収容のホールは満員で、外に長蛇の列ができていました。とりあえず最後尾に並びかけたのですが、出ていくお客さんがいない限り入れないとのことで、早々とここはあきらめることに。で、市民グランドの方に回ってみたら、ここもテーブル・イス席にはお客さんがいっぱいです。この日は猛暑かと思うくらいの好天で、屋外でずっと立ったまま聴き続けるのはキツイなと思い、同じくビッグバンドの演奏がある教育会館研修ホールへ行くことにしました。

P1360420_t P1360422_t

ちょうど前のステージが終わって入れ替え時間になったところのようで、何とか中央に座席を確保できました。15時からのステージはトロンボーンの谷口知巳さん率いるビッグバンド「京都コンポーザーズジャズオーケストラ」(16名、高槻には初参加)です。ボーカルの曲などをCDでちょっと聴いたりする程度で、ジャズは初心者の私(ジャズ関係の実演を聴いたのは、ジャズ・ミュージカル「スウィング!」くらいですね)。出演者の方も曲も全く知りませんでしたがm(_ _)m、ブラスセクション(というのでしょうか、トランペットなど)の音がもの凄く、迫力のあるサウンドが素晴らしかったです。知人の方(tp)が飛び入りゲストとして参加されたりも面白かったですね。ピアノの女性の方(関谷友加里さん?)は他の会場でもお見受けしました。会場は立ち見&階段での座り見の方も多く、大盛況でした。

P1360417_t

続いて16時からは、やはりビッグバンドの「ザ・エロージャズオーケストラ」です。オフィシャルブログはこちら。先ほどのステージがかなり盛り上がったので、こちらはどうなのかなとちょっと危惧したのですが・・・失礼しました。こちらも凄かったです。後からネットで色々調べてみたら、実力&実績のあるオーケストラなんですね。無知をお詫び申し上げます。

こちらは途中で女性ヴォーカル・北野佳奈子さんが加わり、「LOVE」他で美しくパワフルな歌を聴かせてくれました。華奢な身体からオケに負けないあんなパワフルな声が出るんですね。ビックリです。トランペット・トロンボーン・サックス、リズムセクション(ピアノ・ベース・ギター・ドラムス)のソロ部分も申し分ない熱演で、終盤の会場内の盛り上がりは凄かったです。市橋隆さん(?)のドラムスソロは曲芸風な見せ場もあって、凄かったし楽しかった!

写真を撮るよりは音楽に集中せねば!で、結局、屋内での写真は先の1枚のみでした。

その後、市民グランドで「大阪大学 The Wave Jazz Orchestra」を聴きましたが、屋内でど迫力の演奏を2ステージ聴いたので、どうしてもそちらの方の印象が強くなってしまいますね。

P1360427_t P1360424_t

ビッグバンドの演奏に満足し、そろそろ帰ろうかなと阪急高槻市駅まで戻ってくると、駅前の噴水広場で18時から次のステージが始まろうとしていました。なになに「つぼ八グループ」?TSUBO-KENこと、サックス奏者の坪山健一さん率いる7人グループです(これらは後から調べました)。ここも素晴らしかったですね。屋外ではありますが、回りに建物があったりして結構音も響くようでした。音響機器?による増幅がどの程度あるのかよく知らないのですが、やはり生で聴く音楽は迫力があるし、凄いですね。語りも面白いTSUBO-KENさんの静かなサックスソロから始まる「浜辺の歌」などはしっとりとして美しく、他の曲の華やかで迫力あるサウンドとの対比も面白かったです。

今回、初めてジャズの生のサウンドを体験したといえますが、聴いたバンドが良かったのか、迫力や美しさと共に、ソロの超絶技巧?やアドリブの面白さなどを存分に堪能しました。これまではクラシックのCDを多数所有し、ひと頃はコンサートにもよく通っていたのですが、自由奔放さと熱気もあるジャズのライブ演奏を聴きに行きたくなりました。でも、その前に色々曲も覚えた方が楽しさ・感動も倍加するんでしょうね。これはクラシックなどでも同様ですが。それと、楽器を弾けたらなんて素晴らしいんだろうなあと改めて思いました。