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ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」

2008-04-13 23:20:24 | 映画

Myblueberry2 マイ・ブルーベリー・ナイツ
★★★☆:70点

久々に妻と劇場で洋画を見ました。今回見た作品は、ウォン・カーウァイ監督の「マイ・ブルーベリー・ナイツ」です。少し前に新聞評をチラッとみて面白そうと思っていました。

また、ノンさんがブログ”☆秘書は猛獣使い☆”で感想を書かれていましたが、こちらも敢えてチラッとしか拝見しておりません。

************************* goo映画より *************************

恋人に捨てられたエリザベスは彼のことが忘れられず、彼の行きつけのカフェに乗り込む。そんな彼女を慰めてくれたのは、カフェのオーナー・ジェレミーと、甘酸っぱいブルーベリー・パイ。それからのエリザベスは、夜更けにジェレミーと売れ残りのパイをつつくのが日課になる。しかしそんなある日、彼女は突然ニューヨークから姿を消す。恋人への思いを断ち切れずにいたエリザベスは、あてのない旅へとひとり旅立ったのだった…。

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この映画はラブ・ストーリー&ロード・ムービーと言えると思いますが、男性のジェレミー(ジュード・ロウ)がニューヨークの店(カフェ)を離れず、ヒロインのエリザベス(ノラ・ジョーンズ)が旅を続けて色んな人と出会うという設定がちょっと異色で新鮮でした。私が知らないだけでそういう映画って色々あるんですかね?

ウォン・カーウァイ作品は「恋する惑星」しか見ていないと思いますが、映像や空気に独特の味わいがあります。夜の街、ビル・鉄道・ハイウェイ、ビデオ、鍵・・・。電話や手紙(ハガキ)もウォン・カーウァイにかかるとすごく新鮮に思えました。映像は「恋する惑星」の方がもっと斬新だったかな?

ノラ・ジョーンズの名前は知っていましたが、実はグラミー賞を多くの部門で獲得するような凄い歌姫とは知りませんでした。映画初出演とのことですが、人と付き合うのに最初ちょっと距離を置くような不器用な感じや、その半面、気の強そうな感じがよく出ていました。ジュード・ロウについては、私は「ロード・トゥ・パーディション」での不気味な怖ーい、怖ーい殺し屋が超印象的で、本作のような役柄には驚きでした。妻は他の作品でのジュード・ロウも知っているそうですが。アーニー(デヴィット・ストラザーン)とスー・リン(レイチェル・ワイズ)の切なく厳しい愛はとても印象的で、演技的にも出色。

エリザベスがNYを出て300日後(?)、ラストシーンは素晴らしかったですね。1時間35分という短い作品ですが、なかなか良かったです。


映画「北辰斜にさすところ」

2008-02-14 22:56:00 | 映画

Hokusin1 映画「北辰斜にさすところ」
★★★★☆:80~85点

新聞で評をチラッと見て良さそうと判断。旧制高校の中でもナンバースクールと呼ばれた8校の内の2校である五高(現・熊本大学)と七高(現・鹿児島大学)を描いた素晴らしい映画でした。 

人によっては、古き良き時代を必要以上に懐かしむノスタルジーオンリーの映画と感じる人もいるかもしれませんが、決してそれだけではありません。その当時の純粋な青春群像と言えますし、いたずらに声高になることなく、明るさも備えた反戦映画とも言えます。私としては前者の比重が大きいと思いました。但し、青春群像・青春物語と言っても彼らは当時の超エリートですが。

************* <ストーリー> CinemaScapeより *************

旧制第七高等学校(現鹿児島大学)の野球部創立百周年を記念して、創立当初からの因縁のライバル旧制五高(現熊本大学)との対抗試合が人吉町の球場で開催されることに決まった。同窓会事務局は人吉町出身の天才投手と唄われた、昭和11年入学の上田勝弥(三國連太郎)に是非出席をと頼み込む。しかし彼は「行かない」と言うのみであった。七高から九州帝大医学部へすすみ、軍医として従軍した上田は復員後、鹿児島の地を踏むことはなかったのだ。。。同郷の先輩・草野(緒形直人)にあこがれ、共に寮で過した七高時代を孫に語る上田だが、誰にも言えない悔恨と慙愧があった。

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かつての天才エース・上田を演じた三國連太郎、上田の同郷の先輩・草野を演じた緒形直人の二人が特に素晴らしかったです。上田は老齢になっても現役の医師として頑張っており、単に過去を懐かしがるだけの人物ではなかった。戦場でつらい経験をした彼は、前夜祭でみんなと一緒に踊っていても何となく浮かない顔をしている。その気持ちもよく分かりました。三國連太郎が語るシーンでは、指揮者の故・朝比奈隆さん(東京高等学校→京都帝国大学)を思い出しました。朝比奈さんも学生時代は音楽とサッカーに情熱を捧げた方です。 

緒形直人はボサボサの長髪でバンカラな寮長を熱演。ストームで大太鼓の上に立ち、巻頭言を叫ぶ姿が凛々しかったです。40歳なのに高校生の役が似合っていましたね。最初、緒形直人に似ているけれど別人かと思ってしまいました。坂上二郎のやや聞き取りにくい鹿児島弁も妙に印象的でした。また、東京七高会事務局長役の神山繁も元気な爺さんを怪演していました。生徒達を愛し、人生を語り、自宅で一緒にすき焼きをつつく教授役の河原崎健三も実にいい味わい。今の先生に多少なりともこういう余裕があればねえ。

映画の最後にある五高(熊本大学)vs七高(鹿児島大学)の現役野球部員による試合。ここで「フィールド・オブ・ドリームス」を彷彿とさせる夢のような味わい深いシーンが出てきます。リリーフ投手としてラインをまたいだ選手は・・・。このような描き方は日本映画にしてはちょっと珍しいかもしれません。このシーンについては賛否両論あるようですが、自分が果たせなかった夢の実現、個人的にはOKです。不覚にもここでジーンときてしまいましたから。試合のシーンそのものはもう少し迫力があっても良かったかなとも思いましたが、熊本大学と鹿児島大学の試合は案外こんな雰囲気なのかもしれませんね。

北杜夫の隠れた名作「どくとるマンボウ青春記」等で旧制高校や寮生活の雰囲気を知っていたので、破天荒にして勤勉かつ純情、何事にも情熱を持って必死に取り組んだ昔の高校生気質はよく理解できました。”生涯の友”を得るという意味からも、このような学生生活も悪くはないし、一生の内にこのような数年間があっても良いと思います。私の母校も旧制高校の流れを汲む学校だったのですが(notナンバースクール)、サークルで山歩きをしていた当時の愛唱歌に「全寮歌」があり、それにもこの映画に出てきたような巻頭言があって非常に懐かしかったです。今でも同窓会をやれば全員で(男も女も)肩を組んでこの歌を大声で歌いますからね。同じ釜の飯ならぬ同じ飯ごうの飯を食った仲間は先輩・後輩を含めて”生涯の友”です。

映画のラストで流れた歌で”ドンドコドン、ドンドコドン”というフレーズが印象的でした。当日の劇場にはやはり年配の方が多かったですが、30代くらいの男性もチラホラ見かけました。理解されるかどうかはともかく多くの人に見て欲しい映画でした。

◎参考ブログ:

   ”私の歳月”
   blog350623さん(?)の”あらけ農園便り”
   出崎敦史さんの”なにわスポーツジャーナル”
   嫁よめさんの”嫁よめYOME日記”
   milk_road5さんの”Love&Peace、感じたことを。”
   
cazpisさんの”おかだ屋のテキスト”
   大津留公彦さんの”大津留公彦のブログ2”


リンダ リンダ リンダ(映画)

2007-06-18 23:19:50 | 映画

Lindalindalinda1 リンダ リンダ リンダ(DVD)
★★★★☆~★★★★★’:90~95点

良かった~!日本映画の傑作です。
青春の1ページを鮮やかに切り取った(という表現は陳腐で嫌なのですが)素晴らしい作品と言えます。基本的に元気でピュアな青春映画が好きなこともあり大絶賛。採点が甘くなるのも仕方ないですね。

実際には何にも起こらなくても何かがありそうな気がする高校の文化祭。メンバーのケガがきっかけで本番目前で仲間割れした軽音楽部の女子バンド。彼女たちの本番とその直前の数日間、微妙に揺れ動く心と熱気を描く。

とにもかくにも、主演の女子高生4人組のキャラクターが素晴らしい(詳細後述)。

時々ドキュメンタリーのようにも思える作り方、セリフ。無言のシーンも妙に印象的。あちこちにクスリと笑えるシーンがあるのも良い。

◎印象的だったシーン(順不同):

・カラオケ店でのソンと店員のやりとり。ドリンクを頼まないと歌えないと言う
 店員に対して一歩もひかないソンちゃん。日本語が不得手なのもいい味に。
 教室での韓国文化の展示(?)。先生の熱心な指導の元で、やる気無さそうな
 姿が面白い。

・留年した(軽音楽部の?)先輩女子生徒(山崎優子)が文化祭当日、屋上で
 「漫画喫茶」をやっている。「漫画喫茶」というよりも、仲間がみんな卒業して
 つるむ相手もいないので、漫画を読みながらフケっているといった感じですが、
 髪を染めてスカートの下に赤いジャージを履いた雰囲気が抜群。仲間が卒業
 してしまった寂しさ、しかし、安易に群れることに対するアンチテーゼ?

 「恵が最初の客だよ。何か飲む?」
 ハスキーないい声です。

・バンドでブルーハーツをやることにしたと言ったときの皆の反応。
   「おー、いいねえ」 とか 「おー、やるじゃん」
 私はブルーハーツのファンではなかったのですが、何となく分かるなあ。

・夜の部室で隠れて小さな音での練習。ちょっとドキドキして、めっちゃ楽しくて。
 それを見つけたいつもは頼りなさそうな顧問の先生も良い。翌日、「あいつらに
 言ってやれ。こそこそしなくていいぞ」

・深夜の屋上で車座になってのダベリ。飲み食いしながらの泣き笑い。
 みんな胡座ポーズでの練習やだべりが決まってます。

・教室に呼び出されての告白シーン。
 そうそう、今は男の子(松山ケンイチ)よりも仲間やね、ソンちゃん。

・深夜の体育館にふと足を踏みれたソン。舞台に上がり、無人の観客席に向か
 って熱~い”一人メンバー紹介”。交わした言葉は少ないのですが、彼女は
 仲間のことを実に良く分かっていました。素晴らしいシーンです。

・4人娘の爆睡姿。みんな死んだように寝ている。爆睡=若さやね。
・「なんだ。ソン、友達いるじゃん」と、韓国人の小さな女友達。
・ソン「誘ってくれてありがとう」 恵「仲間に加わってくれてありがとう」
・男子バンドの本番ステージ。最前列で数名が盛り上がっているが、超閑古鳥。

・スタジオで寝過ごしてしまいステージに来ない4人娘。仕方なく(?)、指を怪我
 したバンド仲間の萌(湯川潮音)がか細いながらも素晴らしい高音の歌声を聞か
 せる。徐々に集まってくる観客。一人でやっても面白くないと言っていた留年
 先輩も弾き語りを始める。そして、二人の共演。

・最後のステージが素晴らしいのは勿論ですが、4人が顔を見合わせたときの
 表情が最高。

などなど。

ドラムの響子(前田亜季)   :恋に恋するような彼女が一番オーソドックスな娘かな?
                  「言えなかった・・・」との照れながらのセリフが可愛い
                   らしかったです。
ベースの望(関根史織)    :無口でおとなしく恥ずかしがり屋。一見気も弱そうだが、
                   実はしっかりしていて(幼い弟が3人もいてしっかり
                   せざるを得ない?)、練習や買い物のときのメンバー
                   に対する指示は冷静で的確。
                   4人の中で一番印象的だったが、プロのベーシスト
                   とはビックリ!素晴らしい演技&表情でした。
ヴォーカルのソン(ペ・ドゥナ):韓国からの交換留学生。お世辞にも可愛らしいタイプ
                  ではないのだが、次第にキュートな魅力が満開。
キーボードの恵(香椎由宇) :美人で怒りっぽいが、実は優しい心の持ち主。
                  凛子(三村恭代、大人っぽい美人)との静かで熱い
                  ライバル心も見所。
                  香椎由宇さんは売れっ子ですが、この作品の彼女が
                  一番素晴らしいです。

この映画の魅力はとにかく見ないことには伝わりません。断固支持&必見!

どなたかのブログorホームページにも書かれていたのですが、雨のシーンに「台風クラブ」を、もぐらたたきゲームに「翔んだカップル」(切なかったなあ・・・)を思い起こしました。

※望役の関根史織さんがミュージシャンというだけで驚いたのですが、何と、留年
  女子学生役の山崎優子さんも、ロックバンド「ME-ISM(ミーイズム)」のボーカ
  リスト&ギタリストだそうな。ひゃー、かっちょいい!

◎参考ブログ:
    ようこそMr.G
    It's a Wonderful Life
    かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
    カノンな日々
    [混]ミックスランチ
    哲0701の日記
    たましょくブログ
    雲のゆくえ


感想いまだ書けずの映画と本

2007-05-08 23:30:00 | 映画

建築探訪などで忙しくしていても映画(含むDVD)や本はそこそこ見たり読んだりしているのですが、なかなか感想が書けません。建築関係は、”百聞は一見にしかず”で写真があれば文章は少な目でもブログ記事として一応成立するのですが、映画や本は写真でごまかすこともできず難しいですね。短い文章でスパッと書くのも苦手やしー。

以下、今年見たり読んだりした映画と本で未だに感想を書けていないもののリストです。他にもあったような気がしますが・・・。エイヤーで点数はつけましたが、細かな感想を書いて再度点数をつけると変わるかもです。本は小説とそれ以外の扱いやボリュームをどう判断・評価するかも難しく、同じ基準での採点は実際は無理ですね。まあ、驚きや感銘度、納得度などある程度感覚的なもので付けざるを得ません。全体的にはちょっと甘めの採点が多いかな?

<映画>
 「ロード・トゥ・パーディション」    ★★★★       :80点
 「ユナイテッド93」           ★★★☆      :70点
 「硫黄島からの手紙」         ★★★★☆  :90点
 「ブラック・ブック」            ★★★★☆’:85点

<本>
 「グーグル・アマゾン化する社会」 ★★★★       :80点
 「旅の終りは個室寝台車」      ★★★☆     :70点
 「鳥類学者のファンタジア」     ★★★★☆   :90点
 「ぼくらが惚れた時代小説」     ★★★★       :80点
 「龍時1-2」             ★★★★☆    :90点
 「奇跡と呼ばれた学校」       ★★★★’     :75点
 「ウェブ人間論」            ★★★★☆’ :85点


シェイド・オブ・メモリー(ミシェル・ルグラン)

2007-04-25 23:47:46 | 映画

Legrand シェイド・オブ・メモリー(CD)

「シェルブールの雨傘」「華麗なる賭け」「おもいでの夏」「愛と哀しみのボレロ」といった映画音楽の作曲で有名なミシェル・ルグラン。彼はまた、ジャズの世界でも特にピアニストとして有名です。何でも「ルグラン・ジャズ」と呼ばれているそうな。同名のアルバムがあります。

今日、図書館で本を借りたついでにふらりとCDコーナーにも立ち寄り、以前から聴きたかったミシェル・ルグランのこのCDを手に取りました。収録曲は下記の通り。

  1. ウォッチ・ホワット・ハプンズ 
  2. おもいでの夏 
  3. ビリー・ホリデイ物語 
  4. エラ,エラパ 
  5. 双児姉妹の唄 / いつもいつも / 町から町へ / イボンヌの歌 / 夏の日の歌
  / アンディの歌 / ソランジュの歌 / マクサンスの歌 / バラバラ事件の女
  / ハンブルグの港で / 水夫,友達,恋人,または夫 
  6. シェルプールの雨傘 
  7. マルティーナ 
  8. 愛…そして愛 / 王子と王女の秘密の夢 / リラの精の助言
  / 愛のケーキの作り方 / 指のマッサージ / 王子の歌 
  9. アイ・ウィル・セイ・グッドバイ 
10. シェイド・オブ・メモリー 

曲名を聞いて知っていたのは「おもいでの夏」(ああ、ジェニファー・オニールよ・・・)と「シェルブールの雨傘」のみ。自宅に持ち帰った仕事をしながらまだ1回聴いただけですが、なかなか素晴らしいです。2のハーモニカもチャーミング。4と9ではルグラン自身が歌っています。昔、テレビでルグラン氏が「シェルプールの雨傘」などをピアノの弾き語りで歌っているのを聴いてとても感動した記憶があるのですが、彼の歌は味わいがあります。もっと聴き込まなくては!