ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

順腹式呼吸は自然の流れに逆らう呼吸法ではないか

2012-04-03 07:40:52 | 逆腹式呼吸

 「空」の理念は、全てを吐き出すことから始まります。 私は「空」の理念そのものは、立派な考え方だとは思っています。 ただし、下腹の臍下丹田を私たちが概念として分かっている臓器と同じように考えていることが、基本的には間違っているように思います。

 息を体から吐き出すと同時に、下腹の臍下丹田から一切のものを吐き出す呼吸法です。 臍下丹田は私たちの目には見えませんが、実際には体の中の気の心臓として、機能しているのです。 この事実は、ほとんどの方は理解できませんし、意識することはできません。

 私は自分の体験から、私帯の誰もが、お母さんのお腹の中にいた時には、臍下丹田が機能して胎外のあらゆる出来事を、気を通して感じていたと思っています。 いわゆる気の呼吸―胎息を行なっていたと推測されます。

 お母さんのお腹から出てきた瞬間に、胎息から空気を吸う肺呼吸に変化します。 オギャーという泣き声、切り替わる瞬間なのです。

 私自身の息を吐く時に、体の中へ吐く呼吸―逆腹式呼吸を通して、息を吐く時には下腹の臍下丹田は気を吸い、息を吸う時には臍下丹田は気を吐くのが、自然の動きではないかと感じたのです。

 肺呼吸と気の呼吸は表と裏の関係にあるということです。 然るに順腹式呼吸は、息を吐く時に気も吐き、息を吸うときには気も吸おうとしております。 

これを臍下丹田の気の呼吸から考えてみます。 気を吸おうとしようとしたら、体の機能として吸えるような体勢になっていませんので、吸うことは出来ません。 気を吐こうとしたときにも、同じように吐くことができる体勢にはなっていないのです。

私は、ある時期、順腹式呼吸を行うことによって、宇宙の気を感じさせないようにしているのではないかとも思ったことがあります。 気は宇宙の伝達エネルギーだという考え方もありますので、わざわざ宇宙の叡智の接触を束縛するような呼吸法を、行う必要はありません。

私は、順腹式呼吸は、下腹の臍下丹田が気の心臓であることが、分からなかった時代の呼吸法を、引きずっているのではないかとも思ってしまうのです。