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生きること:過去と未来とエスペラントと

チェコが好き!!

2005-05-12 10:05:15 | Weblog
 子どもの時に人形を使ったチェコの映画を見ました。2本見たのですが筋書きを持ったほうは全く覚えていません。一つは子どもがガラス窓を打つ雨を眺めているのです。ガラスにあった水滴は人形になって、美しいピアノに合わせてガラスの上を踊りながら消えてゆくのです。曲はショパンの雨だれの曲だと先生がいっていました。とにかく、こんな人形を作る国に行ってみたいと思っていました。
 自然愛好家のグループに所属し、毎年6月、1週間ほどのハイキングを計画、実行している友人は、チェコの森の美しさを書いた便りを何通もくれました。

 1996年、世界エスペラント大会はプラハでした。絶好のチャンスです。参加することにしました。

 7月14日、成田から息子のいたブタペストへ。19日、フランクフルト経由でプラハヘ。乗り継ぎ地フランクフルトは日本から来たエスペランティストで一杯でした。
 プラハに着くと団体客は消え私ひとりになりました。‘さて、どうしましょう?‘ なんとチェコのエスペランティストがやってきて、電車の切符を買うのを手伝ってくれ、電車の乗換駅及び降車駅まできちんと説明してくれました。

 翌日、20日は夕方まで、プログラムはありませんが、1週間通用の切符を買って、電車で会場の下見に出かけました。プラハ市内の路線は3本です。その他に路面電車、バスがありますが、この切符ですべて乗れるのです。
 会場はは閑散としていました。どこへ行こうかと歩いていると老婦人が声をかけてきました。

 『私は年金生活者です。今日は誰かと食事したいと思ってお金を用意して来ました。とても良いレストランがあるのです。私にご馳走させてください。』

 ‘本当にいいのかな?‘ ふと疑念が過ぎりました。‘まあ、私が奢ることになっても良いでしょう。’
 彼女に案内されたのは チェコ人が誇る国民劇場に近い、ヴァルタバ川に面した古いビルの3階でした。スタッフが英語で話しているのを見ると客の多くは外国人なのでしょう。
 彼女の勧めに応じて、チェコ名物のクネドゥリーキとビ-ルをグラス一杯。

 目の前にカレル橋があり、船が行き交い、川岸の菩提樹の並木は花盛りで、優しい香りが当り一面に漂っています。菩提樹の花は緑味を帯びていて質素というか地味な花です。取り留めのない会話をしながら美味しい食事を頂きました。
 さて食後支払いの値段を聞くと、日本円で3000円弱でした。彼女に支払わせる気にはなりませんでした。年金暮らしの友人は一ヶ月12000円ほどの年金で暮らしているのです。彼女の生活費も同じでしょう。
 いつも貧乏旅行の私は高級レストランに入る事はありません。素晴らしい景色を満喫させてくれた老婦人に感謝して私が支払いました。なぜか彼女は顔を赤らめていました。
 開会式当日、彼女の姿を遠く見かけましたが、その後一度もこの老婦人と出会うことはありませんでした。
   

 21日は友人と会う事になっていました。わたしはこの大会は遊びまくると決めていました。
 

  
コメント (2)
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