昨日は江戸指物展に行きました。木肌の美しい作品が並んでいました。やはり木というものは日本人の感性に合っているようで心がなごみます。高価な事、置き場所が無いので私には夢の存在です。友人は指物師の娘のために人との付き合いをとても大事にしています。先日は勤めていたころの同僚が文机を注文してくれ、昨日も幼馴染が茶舞台を注文してくれたとの事でした。
帰りに私は是非ともゆきたい所がありました。谷中銀座です。そこからほど遠くない所に姉が住んでいて学生時代に日暮里で下りて、姉の家によく通ったのです。歩いていると外国人を沢山見かけました。それほど長い通りでもないのですが、彼らの多くは自転車に乗っていました。老若男女が何か食べながら歩いています。何を食べているのかと3人で首をひねりながら歩いていると列をなしているメンチカツ屋を見つけました。ここで買ったものを頬張りながら歩いていたようでした。
姉のもと住んでいた場所はすぐに分かりました。昔、都電を使うと道灌山下という停留所で下りたのですが、その家の前を通っている広い通りが道灌通りという事を初めて知りました。私が学生の頃姉はここでお菓子屋をしていました。貸店舗にしていたのですが、店子とうまくゆかず、いっそのこと自分で商売をしようとお菓子屋を始めました。姉は量り売りのお菓子を数10gしか買わないような人でも頻繁に来てもらえればありがたいのよと大事にしていましたので、結構若い常連さんがいたのです。私は甥と遊んだり店番をしたりして帰りはお菓子をもらって帰るの常でした。あそこにかき氷屋があったとか、風呂屋があったとか思い出しで確かめ、路地を抜けて日暮里駅に向かいました。今は『夕やけダンダン』と名付けられた階段の下で茶房を見つけ、和菓子付きの煎茶をゆっくりと味わい、おしゃべりに花を咲かせ、夕刻帰宅しました。こんなにたわいもない話や知人の近況を話し合ったのは久しぶりでした。
行きに話に夢中になり乗り過ごし東十条までいったので帰りは乗り越ししないように注意しました。風は冷たかったですが、楽しい一日を過ごしました。