glimi

生きること:過去と未来とエスペラントと

森へ!!

2005-05-27 09:25:35 | Weblog
 7月28日午前中、マリエはプラハ滞在の一週間分の洗濯物や家の雑用で大忙し。私は二階のテラスに座って彼女が洗濯物を干すのを手伝ったり、風に吹かれ、その音を聞きながらゆったり過ごす。家は高い木々に囲まれていて、栗鼠が枝を駆け巡リ、小鳥がさえずっている。菩提樹の香りは爽やかと言うより甘く優しい。家の前の道路の向こうも斜面になっていて車が時々やってきては停車する。

 道路の向こう側には泉があるのです。水道水は美味しくないのでマリエの家では料理はすべて泉の水ですが、最近泉のことを聞きつけて車で水汲みに来る人が多くなり、森が荒れてしまったと彼女は嘆いていました。 



  午後バスに乗って森へ出かける。
 バスは森へ行く人でいっぱいでした。もう酔っている人もいます。私達がおしゃべりすると人々はマリエに色々と質問し、彼女が答えています。話題はエスペラントでした。

 バスは木々の鬱蒼と茂った薄暗い狭い道を崖に沿って走って行きます。山側に小さな家が点在し開け放された部屋の中で寝そべっている人が見えます。

 昔、これらは農民の家でした。小さな家に子沢山の貧しい農民達が暮らしていました。冬になると雪で道は閉ざされ陸の孤島になりました。収入も少なく時には食べ物もなくなり生活は悲惨だったそうです。プラハで成功した人達がこれらの家を別荘として買い、昔の住民は都会へと流れてゆきました。

 バスがついたのは湖のある場所でした。バス停から原っぱになっている斜面を上ると森への入り口がありました。その野原には30cmほどの背丈の小さな黄色い花をつけた草が群生してました。これはお茶になるから帰りに摘みましょうとマリエが言いました。

 森の道はすくっと立つ木々間を縫って続いています。所々に開けた場所があり、今はブル-ベリーが沢山実をつけています。バスの乗客たちはわれ先にとブルーベリーの群生場所に急いでゆきます。午前中から来ているらしく家族がブルーベリー摘む横で酔っ払って寝ている人もいました。

 日本の林は藪があって虫もいますが、チェコの森の地面は背の低い草と苔に覆われていて緑一色、空気は爽やかで本当に心地よい散歩でした。1時間ぐらい歩くと湖に着きました。
 赤い蝶が飛んできました。私達以外この世界に人間が存在しないかのような静けさです。湖は酸性が強く魚も住めないということでした。

 帰り、バス停近くの原っぱで黄色い花の草を抱えられるだけマリエは摘みました。老夫婦がベンチに座っています。目の前のテーブルに直径20センチを越える何かが置いてあります。近寄ってみるとまいたけのようなキノコでした。彼らは私に欲しかったら持っていって良いと言っているそうです。
 私は『ありがとう、でも旅行中なの』とお礼を言い、マリエに通訳してもらいました。私が貰うと言い出したどうしようとハラハラしていた、売れば老夫婦にとってかなりの収入になるはずだと後でマリエは私に言いました。
 なぜかチェコ人は心が広く優しいのです。後に温室を見せてもらった時も無理やり花を持たされました。
                 

 帰りのバスはブル―ベリーを抱えた人でいっぱいでした。牛乳パック(2リットル用)に入れ、蔓で編んだ籠に幾つも入れている人、ブリキのバケツに入れている人などさまざまです。それらは自分達が食べるためでなく収入のたしにする人が多いそうです。子どもにとっても良い小遣い稼ぎなのです。
 ブルーベリー摘みは家族団欒、森林浴と収入増加の三拍子揃った余暇の過ごし方でした。

 お茶の後、クネドゥリーキを作りました。
 ジャガイモを茹でて潰し、小麦粉とイースト菌を加えて練り、棒状にして直径8cm程に発酵させる。それを茹でたのがクネドゥリーキでした。タマネギを甘酢で味付けしたものがソースとして添えられました。夕食は9時過ぎ。これが肥る前兆でした。

     
コメント (7)
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