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Nikon一眼レフ中級機の系譜(第二回・FMシリーズ編)

 ニコンの一眼レフ中級機がNikomatを名乗っていたことは第一回で触れました。そのNikomatブランドが1977年のNikon EL2登場に伴い消滅して以降、中級機もすべてNikonを名乗ることになり、EL2の販売終了後は機械式シャッター搭載機(FTn)の系譜はNikon FM(1977年発売)へ、電子制御シャッター搭載機(EL)の系譜はNikon FE(1978年発売)へと引き継がれることになります。

 1977年に発売されたNikon FMには、Nikomat FTシリーズ伝統の機械式シャッターとFT3で導入されたAi方式(Automatic Maximum Aperture Indexing=開放F値自動設定機構)が引き続き採用され、このFMの登場によりレンズのAi方式化が一気に進み、開放F値半自動補正機構(通称ガチャガチャ)が姿を消すことになる。FMはAiレンズとの可倒式の連動レバーを倒すことで非Aiレンズも装着可能だったが開放測光はできず絞り込み測光となる。

 FMシリーズは1982年にはFM2(シャッター速度1/4000秒及びシンクロ同調速度1/200秒を実現)へ、1984年にはNew FM2(シンクロ同調速度を1/250秒へ高速化)へとバージョンアップするが、FMで採用された可倒式Ai連動レバーがFM2以降では固定式となったために非Aiレンズの装着ができなくなった。New FM2は2001年はFM3Aが登場するまで17年の長きにわたり製造販売が継続され、この間多くの報道カメラマンや写真学生にも愛用された。

 1980年にはフラグシップ機であるF3が絞り優先AEを搭載、1986年にはオートフォーカス機構を搭載したNikon F-501が登場するなど、時代は確実に自動化に向かっていたにも関わらずNew FM2が長く愛されたのは小型軽量で取り回しが良かったこと、バッテリーが切れてもシャッターは動作し(露出計は動かない)撮影が可能であることと共に、特に写真学生や写真を本格的に勉強したい人には自動化されたカメラは相応しくないなどと云った精神論もあったのかも知れない。


 と云う訳で今日の一枚はNikomat FTnと、FTnから機械式シャッター搭載機の系譜を引き継いだNikon New FM2。両者のデザインには12年の隔たり(1965年FT、1977年FM)があるが、この間のデザインと技術の進化の激しさ加減がお判りいただけることだろう。

【以下、郷秋<Gauche>が最近書いたNikon一眼レフに関する記事】
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第一回・Nikomat編)(2018/06/21)
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第二回・FMシリーズ編)(2018/06/23)
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第三回・FEシリーズ編)(2018/06/27)
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第四回・FA)(2018/07/01)
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第五回・小さなニコンたち編)(2018/07/08)
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第六回・FM3A編)(2018/07/13)

 「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは6月14日に撮影した写真を6点掲載いたしております。梅雨晴れ間の森の様子をご覧いただければ幸いです。

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