決して真似をしませんように!

 東急田園都市線沿線の我が家で取っている神奈川新聞に、何故か某O電鉄の広報誌が折り込まれて来ます。いや、有り難いのです。だって某O電鉄には、大学入学のために福島(「ふぐすま」とも云う)の山の中から上京して以来30年近くお世話になったのですから、むしろここ15年のお付き合いの田園都市線よりもずっと親近感をもっている訳です。

 今日折り込まれていた某O電鉄広報誌の特集記事のテーマは「春色のかわいい、お散歩写真を撮ろう」です。「逆光で撮るのはダメだと思っていたのですが、植物を撮るなら、露出を調整して逆光で撮るとやさしい雰囲気の写真になるそうです」と、実に正しいアドバイス。

注:作例のキャプションに「逆光で露出を上げてやさしい雰囲気に」との記載もありますが、露出を調整して、あるいは露出を上げとあるのは、「プラスの露出補正をして」と云う意味です。どうせ書くならちゃんとわかるように書いて欲しいものです。

 しかしねぇ、一面の大きな写真のモデルさんが「コンデジ」(コンパクトタイプのデジタルカメラ)を片手で持って(カワズザクラ?を)撮ろうとしている写真。これはまったく感心しませんな。せっかく「逆光で、(プラスの)露出補正をして」と、マニアックなアドバイスをしても基本中の基本、ブレないカメラの持ち方がなっとらん。

 そもそもこの写真を撮ったのはプロのカメラマンでしょう。「そんな持ち方をしたらブレますよ。カメラは両手で持って、モニターが見える範囲でいいから脇をしめて」とアドバスするべきところを、左腕を上げたらモデルさんの顔が見えなくなるから右手だけのカメラホールドを許している。だめですよ、これじゃ。いくら見栄えが大切な広報誌と云えども、記事内容とタイトル写真とが完全にずれてしまっています。

 「逆光で、(プラスの)露出補正をして」と云うアドバイスは実に正しく間違っていないのですが、タイトル写真のように、片手でカメラを持って撮るようなことは、決して真似されませんように。いくら「手振れ補正」が付いていても、確実にブレます。カメラは両手で持って、モニターが見える範囲でいいから脇をしめて、息を止めてシャッターボタンをそっとそっと静かに押し込むのです。ブレていない写真が、良い写真の最低限の条件の一つだと云う事を覚えておいてくださいね。


blog:恩田の森Now(3月30日に更新いたしました)
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