FIA vs FOTA ― どうなる2010年のF1 ―

 2010年のバジェットキャップをめぐるFIAとFOTAの交渉は決裂。このままいけば2010年にFormula 1に参戦するのは、ウィリアムズとフォース・インディア、そして2010年からの新規参入チームだけになってしまう。今期を戦う10チームのうちウィリアムズとフォース・インディア以外は新たなシリーズを立ち上げて戦うことになるかも知れない。例えばGP1などと云う名称で。

 現在のF1は各チームの運営費だけではなく、シリーズ運営に要する経費も膨大な金額となり、またテレビの放送権を代表として多くの利権が存在するなどカネまみれ、郷秋<Gauche>のような一介のファンには想像もできない世界なのだと云われている。そんな世界だから当然表だけではなく裏でもカネが動き、そのカネ目当てに徘徊する得体の知れない連中の数もまた夥しいのだろう。

 このように魑魅魍魎の世界であるF1も、長い歴史に支えられ表面的にはスムーズなシーズン運営を重ね歴史を刻んできた訳だが、それもいよいよ2009年限りとなるのかも知れないし、いや、2010年も続くのかも知れない。今はありとあらゆる種類の、蚊程の価値も無い噂が飛び交っているだけで、2010年の3月にどうなっているのかを占う術もない。

 しかしまぁ、新しいシリーズを立ち上げると云っても僅か9ヶ月でそんなことが出来るんだろうか。例えばテレビの中継はどうなる?各国のテレビ局はFIAと直接なのか間に何がしかの組織が入っているのかどうかは知らないけれど、契約をしているだろう。それは既に2010年の契約が結ばれているのか。

 一つのテレビ局がF1とGP1(例えばの名前だが)、両方の放送権を得られるとは思えないから、どちらがより高い視聴率を上げることが出来るのかテレビ局は大いに悩むことになるだろう。また、2010年のF1新規参戦を認められたチームとしてはF1とGP1、どちらが自分たちのチームにとってよい選択なのか、悩むことになるだろう。

 とは云っても、GP1の予算が青天井なのだとすれば新参入チームに勝ち目はないし、上限60億円の予算の中で新規参入の弱小チームばかりで戦うシリーズでは、速さは勿論集客力等あらゆるレベルにおいてGP2と変わらない、あるいはGP2の下位に位置するシリーズとなってしまう事だってありうるわけだ。と云うか、きっとそうなることだろう。

 FIAとFOTA。今は意地の張り合いのようなところだが、結局は妥協点を見つけてもとの鞘に収まるんじゃないかと云う気がするけれど、どうだろうね。
 

 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、恩田の森の額紫陽花。「恩田の森の」とは云っても、こう云う写真はどこで撮っても同じなんですけどね(^^;。
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