2007年 F1日本GP、まもなく開幕

 いよいよ富士スピードウェイを舞台にしたF1日本GPが開幕する。
 いろいろな方が、いろいろなことを書かれているので、へそ曲がりな郷秋<Gauche>としては人様とは違った切り口でちょっとだけ。

 郷秋<Gauche>が地方紙、神奈川新聞を購読していることは、熱心なファンなら(いるんかい、そんな人?)先刻ご存知だが、その神奈川新聞が一昨日から今日までの3日間、「F1がやって来る」という1/3、7段の記事を連載した。

 富士スピードウェイは静岡県駿東郡小山町に所在するが、首都圏側から見ると、実は神奈川県がその入り口になるのである。それ故の連載なのだが、3日間の記事を総括すると、富士スピードウェイで行われる日本GPの評判は、すこぶる悪い。

 まず第一に、最寄の鉄道の駅から遠いこと、コース周辺の駐車場が少ないことの対策としてとられた「チケット&ライドシステム」(指定の鉄道駅や場外駐車場からシャトルバスに乗り換えてもらい会場まで輸送する)が周囲に及ぼす影響。つまり、大渋滞を引き起こし日常生活に支障を来たすのではないかと言う懸念。

 第二に、地元への経済効果はほとんどないこと。「スタッフの仕出し弁当程度」と言うのは極端に過ぎるとしても、どうやら、予想される大渋滞などを我慢して得られる対価は極めて少ないのも事実のようである。

 鈴鹿で行われたGPの観客数は延べ36万人、東海銀行(と、神奈川新聞には書かれていたが、現在、東海銀行は存在しない。現三菱東京UFJ銀行。いかにも神奈川新聞らしい)による経済効果は50億円とされているが、今回の富士スピードウェイでのGPの観客延べ数は28万人と22%少ないにも関らず、経済効果は135億円という試算がなされている(静岡大学の調査による)。

 昨年までの鈴鹿のチケットは即日完売であったものが、今年は旅行代理店数社で、500枚単位での売れ残りがあるという(数日前時点)。このあたりの数字が、予測と現実の乖離を示唆し、地元において必ずしも歓迎されていない原因の一つとなっているような気がする。

 もっとも鈴鹿においても、最初のGPが行われた1987年当時から歓迎されていたとは思いにくい。20年続けてきた結果として、地元に根付き、自然体で受け入れられるようになったのではないだろうか。

 2009年からは鈴鹿と富士との隔年開催とすることが決まったが、隔年開催であっても鈴鹿でのレースを見たいというファンと、地元の熱意が実現させたものであろう(勿論ホンダの力もある)。富士にあっては、今年と来年の2年で足がかりを作り、その後は隔年となるが、10年20年かけて、地元の人々にも愛せられるGPを作って行ってもらいたいものである。

 イタリアやイギリスがそうであるように、富士においても、おじいちゃん、おばあちゃんも、幼稚園児も小学生も楽しみにしてくれるGPに成長してくれることを願わずにはいられない。
  
今日の1枚は、金色の稲穂と曼珠沙華(彼岸花)。
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