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次期政府専用機

 郷秋<Gauche>の一日は、夜の間に届いていたMailと、前日のblogのアクセス状況のチェックで始まる。郷秋<Gauche>が使っているgooのblogでは日毎の閲覧数(ページビュー)、訪問者数(ユニークなアクセス数)、検索キーワード、ページ毎の閲覧数、閲覧元URLなどが確認できるようになっている。

 ちなみに昨日の閲覧数(ページビュー)は2,867、訪問者数(ユニークなアクセル数)は391で、gooの全1,694,971ブログ中1,742位のアクセス数であった。平均すると450アクセスで1,300位くらいになるので、昨日はいつもより少しアクセスが少なかったようであるが、郷秋<Gauche>が注目したのは「検索キーワード」である。

 カメラとF1に関する検索キーワードが多いのが常なのだが、昨日の3位には「次期政府専用機」が入っていた。それに呼応するようにページ毎の閲覧数の上位に、昨年の1月24日に書いた「政府専用ジャンボジェット、退役へ」と云う記事がランクされていた。こういう一年以上前に書いた記事へのアクセスが突然増加するのは、何かそれに関連することが新聞、テレビ、Webなどで報道された場合なのである。

 早速Yahoo! Newで「次期政府専用機」をキーワードに検索すると、昨日、読売新聞から配信されたこんな記事がヒットした。要約すると、「政府専用機として1991年に導入し2機の747-400を2018年に退役させることを検討。後継には同じくボーイングの787が有力視されている」と云う記事である。

 退役させる理由は、これまで2機の整備を委託してきたJALが747型機を全廃、ANAも近く全機を退役させる方針であることから、日本国内での同型機の整備が艱難になるからである。1991年に導入した747-400の機齢は現在21であり、大型ジェット旅客機としては老朽化が話題になるような機齢ではないが、整備が出来ないことには如何ともし難いのである。

 現在の747-400が退役となれば、当然後継機の選定となる訳だが、難航している(一度は決まったかに見えたが、価格高騰と機体の強度不足発覚により先行き不透明になったことから、現在進行形で書いておく。)FX(次期主力戦闘機)とは違い、この選定は実に簡単な作業であり、誰が考えても787が候補の筆頭となるのは間違いない。次いで同じボーイングの737-BBJ、そして初の国産ジェット旅客機となるMRJである。

 ただし、MRJの場合には大きさと航続距離に難があり主力機とは成り得ない(MRJ自体に問題があるのではなく、政府専用機として使用する場合のみにその利用範囲が限定されると云う事である)。787あるいは737BBJを補完する形で複数機を保有し、主力機程の大きさが必要ではない、あるいは近距離、あるいは短い滑走路の空港での離着陸が予定される場合など、つまり日本国内およびロシア極東部、朝鮮半島、中国の沿岸部などがその運用範囲となるだろう。

 実は、上に書いたようなことを、郷秋<Gauche>は昨年1月24日に書いていたのである(記事はこちら)。別に郷秋<Gauche>が偉い訳でも予知能力がある訳でも何でもなく、昨日配信の読売新聞の記事内容な既に1年以上前に判っていたことなのだが、3.11大震災とそれに起因する原発事故等により、記事となり掲載・配信されるのが遅くなっただけと考えるべきである。郷秋<Gauche>が書いた1年前の記事は、読売新聞の件の記事の「解説」としてお読み頂くと良いかも知れない。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、例年よりも一カ月も遅れて見ごろを迎えようと云う梅。撮影場所は昨日の菜の花同様、先日ご紹介した町田市、川崎市(麻生区の飛び地)、横浜市(青葉区)の分岐点からほど近い、川崎市麻生区の飛び地である。

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ヒコーキ3題

 FX(次期主力戦闘機)として導入が決まっているF35の価格が高騰。田中防衛大臣が、更なる価格高騰の場合には契約の取り止めの可能性があることを示唆。

だから云ったでしょう、ユーロファイター・タイフーンにしなさいと。アメリカ側の、日本国内での生産を容認するなど甘言に惑わされてF35に決めたのがそもそもの間違い。純国産戦闘機『心神』の運用開始、までタイフーンを必要最小限導入する。超高額なF35を購入する予定であった予算を『心神』の開発費に転用し、開発のテンポを速めるのが良いと、郷秋<Gauche>は思うぞ

 

最新型ジャンボ機、ボーイング747-8の初号機が納入されたとのニュース。何と最初の顧客は個人なのだと云う。日本では政府専用機として747-4002機導入しているが、勿論更新もままならず、国内のエアラインから7474が姿を消すに至って、整備委託先にさえ困る状況だと云うのに、747-8を個人で購入する人もいるのだから驚いてしまう。要するにプライベートジェットとして使う訳で、機内のカスタマイズのためにはかなりの費用がかかっていることだろうから、「素」で270億円と云われる価格は更に高いものになっているんだろうな。

 

日本初のLCC(格安航空会社)であるピーチ・アビエーションが今日から運行を開始した。関空-新千歳が4,78014,780円、関空-福岡が3,78011,780円と確かに安い。運賃に幅があるのは空席の状況に応じて運賃が変動かららしい。空席がたくさんあれば安くして席を埋めようと云うことであろうか。ANAJAL2社独占体制で高値安定してしまった航空運賃だが、ピーチ・アビエーションの登場により航空運賃及び対抗するJR新幹線の運賃も下落することを大いに期待したいものである。

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またしても米国の圧力に屈した日本

FX(次期主力戦闘機)が、米ロッキード・マーチン社製のF-35となるとの報道。現段階では航空自衛隊が方針を決定したと云うことだが、航空幕僚長が防衛相に機種選定案を上申し、16日に首相が議長を務める安全保障会議で正式決定されることになるのだろう。

 

郷秋<Gauche>はこれまで幾度も、ユーロファイター・タイフーンにせよと書いており、郷秋<Gauche>に意に反してF-35が採用されることになる。郷秋<Gauche>が決める訳では無いので致し方ないが、大いに不満だ。何が不満かと云えば、次の三点である。

 

不満その一:候補であった他の2機種に比較し明らかに高価である。一部の報道では、機種選定の理由の一つに「価格も他の2機種に比べて著しく高くない」が挙げられているが、それは候補から脱落したF-22(約200億円)と比較しての事であり、F-3586億円以上(米軍調達価格)と云う価格はユーロファイター・タイフーンの40億円(開発国調達価格)の倍以上であり、日本が実際に購入する価格は、一機100億円を超える可能性がある。

 

不満その二:共同開発国以外には開示しないとしていた技術情報を日本に対して開示し、また日本メーカーと共同で製造ラインを日本国内に設置し、部材製造や機体組み立てを行うことを認めると云う米国側の甘言を鵜呑みにしたこと。契約の段階になって、開示される技術の範囲が限定される、結局は国産の部品の使用が認められないなど、多くの条件が後出しされる可能性が大いにあるにも関わらず、口約束にまんまと乗ったこと。

 

不満その三:試作機において、金属疲労による多数の亀裂が発見されたとの報道が11月にあったばかり。この対応のために、開発国への納入でさえも予定の2016年よりも数年は遅れることが確実視されている。米国他の共同開発国でさえ実際に納入され運用が開始できるのは速くても2019年以降となれば、日本で運用できるのはどんなに早くても2020年である。10年前に退役していても不思議ではないF-4を、それまでどうやって延命すると云うのだろうか。

 

これら三つの不満を総合して思うことは、またしてもアメリカの圧力に屈してしまった日本の将来である。「Noと云えない日本」をまたしても演じてしまった訳だからな、まったく情けない。

 

F-35に決めたのなら仕方がない。より広範囲の技術開示を受けられること、そして日本での「組み立て」ではなく、日本での「生産」の実現を目指して粘り強い交渉し、技術の蓄積に努め、次期FX最有力候補として純国産の「心神」がリストの最上位に記されるよう、国内航空機産業の総力を結集させて欲しいものである。

 

 

例によって記事本文と何の関係もない今日の一枚は、早くも咲き始めた春の花、椿。これはすみよしの森にある、横浜市の古木・名木の指定を受けているヤブツバキの花。

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福島空港ビル、東京電力に4800万円の損害賠償請求

読売新聞によれば、福島空港のターミナルビルを管理・運営する福島空港ビル株式会社(第3セクター、社長:佐藤雄平福島県知事)が、東京電力福島第一原発事故などの影響で、2011年度上半期(4月~9月)の売上高が前年同期比5800万円減となり、8月末までの減収分として4800万円を東京電力に賠償請求したことを、24日に明らかにしたとのこと。

 

同空港発着便の減少とそれに伴う利用客の減少(利用客が減少したから便が減少したのかも知れない。ニワトリとたまごの関係だ)について、郷秋<Gauche>は幾度か書いているが、週に5往復の仁川便と毎日1往復の上海便が原発事故後運休となったままであることの影響は大きかったようである。上記の報道によると、国際線の利用者は前年同期比99%減の194人で、施設使用料や免税店の売り上げが減り、大幅な減収となったようである。しかし99%減って・・・。

 

定期国際便が運休しているのに前年比100%減にならなかったのは、6月にスイスへの往復チャーター便が運航されたことによる。利用客194人と云うのは、同じ97人が行きと帰りに福島空港を利用したと云う数字である。

 

このスイスへのチャーター便、調べてみると、機材はエーデルワイス航空のA330-200が使用された模様。エーデルワイス航空のA330-200307席仕様だから、福島では客席の1/3しか埋まらなかったことになる。いくら何でもこれじゃ旅行会社も儲からないし、そもそもチューリッヒまでの燃料を搭載したA330は福島空港ご自慢の2500メートルの滑走路でも飛び立つことができない。

 

それじゃどうしたのかと云えば(多分)こういうことだ。福島空港では97人のツアー客と僅かな燃料を積み込んで新千歳空港に向けて離陸する。そして新千歳で210人のツアー客と307人分の機内食とチューリッヒまでの燃料を積み込んでスイスに向かったのだろう。なぜ成田や羽田、関空を経由しないかと云うと、日本からヨーロッパや北米に行くのには、所謂北回りだから福島より南にある空港に寄ると回り道になるのである。

 

多分、A330は日本国内就航のみであれば、2500メートル滑走路の福島空港にも定期便として就航が可能であるはずだ(307席に見合う旅客需要があればと云う話しだが)。しかし、ヨーロッパや北米までノンストップで飛ぶための燃料を搭載すると、どうしても3000メートルの滑走路が必要になるのである。開港当時2000メートルであった滑走路を、福島県が巨額の資金をつぎ込んで2500メートルに延長したのには、頓挫してしまったが国会移転が議論され、その移転先として福島県が手を上げていたことが理由であったことを思いだす。

 

エーデルワイス航空のチャーター便と同様、福島空港で政府専用機に首相やら大臣やらを乗せて新千歳で給油してヨーロッパあるいは北米に向かう事を想定しての延伸であったのだ(オーストラリアやニュージーランドに行くのならば、成田もしくは羽田での給油となるだろう)。政府専用機、ボーイング747-400JAL747を全機売却、ANAも売却を進めていることから、日本国籍の747は遠からずこの2機だけとなる)は、国内線就航に必要な程度の燃料搭載であれば、2500メートル滑走路での離着陸が可能なのである。

 

国会移転問題が霧散し、国際線も運休したままとなった今、CRJ737-500が合わせて僅か6往復するだけの福島空港に、場違いのように2500×60メートルの滑走路が横たわっているのには、こう云う訳があったのだ。

 

飛行機ネタなだけに、話があらぬ方に飛んでしまった。さて、東電に4800万円の損害賠償を請求した空港ビル会社だが、節電などの経費削減により減益は2500万円にとどまり、税引き後の今期の利益は1700万円の黒字なのだと。ほ~っ、あの閑散とした様子で黒字ですか。14日に、郷秋<Gauche>が空港ビル2階のレストランで飲んだ一杯のココアも、多少は貢献しているのかしらん。

 

今日の素朴な疑問:東電に請求した賠償金が入ったら、それがそのまま黒字に上乗せってことになるの?

 

 

例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、一昨日・昨日に続いて、例の東京都下某所の温室で、出荷の時を待つパンジーたち。

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米国側が更なる譲歩

 103日に、F-35で米国側が甘言と云う記事を書いた。これまで一部であても国産化を認めないとしていた米国側機体の組み立てや構成品の生産など一部国産化を認めている内容の提案書を防衛省に提出し、FXとしてF-35の採用を迫っているが、そんな米国側の甘言に惑わされず騙されず、欧州各国で既に実戦配備され、国産化が可能なユーロファイター・タイフーンを導入せよとの内容である。

 

一歩譲歩した米国側が、FX選定レースを更に有利に進めるために次の手を打ってきたのだ。それは、ロッキード・マーチンのクリストファー・クベシック社長兼最高執行責任者(COO)が、都内で時事通信の単独インタビューに応じ、日米両政府が合意すればステルス機の生産技術を日本側に提供すると云う、驚きの内容である。日米両政府が合意すればと云う条件付きではあるが、日本側が望めば米国側は間違いなく合意する。

 

一部部品の国産化と国内組み立てのみならず、機体形状や素材技術、量産化技術などが開示されれば、国産戦闘機開発のテンポが飛躍的に早まることは間違いない。防衛省や航空自衛隊(JASDF)幹部には相当魅力的な内容であることは間違いないが、何故米国側がそこまで譲歩しなければならないのかと云えば、それは量産開始が67年先であることからそれまでのつなぎ止め、と機体価格の更なる上昇である。

 

JASDFでの配備が大幅に遅れることは大いに問題である。FXは既に老朽化しているF-4の後継機であることから、一刻も早いリプレイスが望まれるのでる。云ってみれば、明日にでも納入して欲しい戦闘機がまだ完成もしていない、納入は8年後で、更に価格上昇ではまったく話にならん。

 

一方、ユーロファイター・タイフーンは即納可であると同時に速やかな国産化開始が可能なのである。ステルス性能はやや劣るとしても、総合的には優秀な戦闘機であるばかりか既に多くに運用実績がある。これまで経験のない欧州製であることを除けば、これはもうタイフーンが圧倒的に有利なのである。だからこそ米国側は次々と繰り出す甘言で日本を引き留めようとしているわけだ。

 

黙っていてもF-4の更なる老朽化が進むだけでなく、JASDF3.11津波被害でF-212機を失っている。こんな状態のままでこれから8年間、領土・領海・領空の防衛が可能なわけはないだろ。望まれるのは国産化と「Jバージョン」開発、多くの技術移転が可能なFX、つまりユーロファイター・タイフーンを一刻も早く導入することである。

 

 

例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、度々ご覧いただいているすみよしの森の「残り柿」。さすがに今季最後の登場となることでしょう。

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「政府専用機」危うし

 1991年に受領、1993年から正式な運用が開始された2機の政府専用機、ボーイング747-400(ダッシュよんひゃく)の今後が危うい状態となっている。

 

 問題の発端はJALの経営破たん後の再建策として、JALがすべての747を売却したことである。2機の政府専用機、747-400は航空自衛隊に所属する「軍用機」だが、整備は国内では747の運行と整備に関して最も実績のあるJALに委託されていたのである。そのJAL自身が既にすべての747を売却した今、メンテナンス用のパーツの在庫は無くなり、同時にメンテナンス技術のノウハウも失われようとしているのである。

 

 飛行機は、完璧な整備工場の存在いなくしては飛ぶことは出来ないが、整備工場はあっても747の整備が出来ない工場では話にならない。ならばANAに委託すればよいではないかと郷秋<Gauche>は考えたのだが、そうこうするうちにANAもまた、経営の効率化を図ることから2015年までには747を全機退役させる方針を打ち出した。2015年以降は、国内で747を運行(と同時に整備を)するエアラインが無くなってしまうのである。

 

 件の747は既に機齢20年だが、747は優に30年以上使うことが出来るから、本来退役の時期ではないが、この際、運航効率の良い中型機、具体的にはボーインク787にリプレイスし、さらに国内および近距離海外への移動用には10機程度のMRJを購入すればよいだろうと郷秋<Gauche>は常々主張していた。しかしだ、3.11震災の復興予算捻出のためにはそんな贅沢もいっていられない状態になってしまったのである。

 

 八歩塞がりであるなぁ。しかしだ、発想を変えて、3.11以来停滞する日本経済活性の起爆剤として、純国産のMRJ10機、その機体の30%が日本製であることから「準国産機」とも云われる7872機、どど~~~んと買ってみてはどうだろうか。ついでにと云っては何だが、FX(次期主力戦闘機)は100%国産化、国内向けの改良・改造可能なユーロファイター タイフーンを導入する。この二策で国内の航空機産業は大いに活気づく事、間違いなしだ。

 

 航空機産業は自動車産業以上にすそ野が広い産業である。航空機産業が活気づけば、多少時間はかかっても間違いなく国内のあらゆる産業にその影響が出てくるはずである。それは単なるカラ元気ではなく、高度な産業技術の蓄積となってあらゆる分野の底上げにつながるだけではなく、来たるべき純国産戦闘機製造の礎となることは間違いない。こと航空機産業に関しては、日本国内での技術蓄積の可否を最優先項目として検討・判断しなければならないと、郷秋<Gauche>は激しく思うぞ。

 

 

例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、数日前に作成した「アソート」。中身の3点は、いずれもこれまでにご覧いただいたものですが、この3点を撮らせていただいたお宅(全て同じお宅のものです!)へのプレゼント用に「アソート」として一枚にまとめたもの。評判が良ければポストカードにもしてみようかと思っております。説明の要もないかとは思いますが、右が桜(幹から直接咲いた花)、左上が枝垂れ梅、下が紫陽花です。

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F-35で米国側が甘言

 928日に「最初の一機、最後の一機」と題する小文を書いた(see here)。その最後に「F-22の導入が不可となって以降、FXの選定に大きな遅れが出ているが、国内製造、更には改良開発可能な事を第一条件として、速やかに決定し、導入する必要がある」と、郷秋<Gauche>は書いた。

 

それはつまり、まだ出来てもいないし、日本国内での生産が出来ないF-35でもなければ、基本設計が古く、騒音が大き過ぎるF/A-18E/Fでもなく、ステルス性で劣るなど、4.5世代とも云われるが、国内での生産が可能で、次々機FXとなり得る完全国産戦闘機を作るための技術習得が可能なユーロファイター・タイフーンに決定し、一日も早く導入せよと云う意味である。

 

航空自衛隊はF-86以来常に米国製戦闘機だけを主力戦闘機として使ってきたことから、ヨーロッパ製の戦闘機にスイッチすることを躊躇しているきらいがある。米国も、共同作戦を展開する際の障害になり得るなどと「脅し」かけている気配もあるが、NATO軍ではタイフーンが米軍機と共同作戦を展開している事実を考えれば、まったく問題にもならないことである。

 

戦闘機を持つ以上、仮想敵国に付け込まれないだけの圧倒的な戦力を持った最新鋭機を配備することが望まれるのは当然だが、今の日本に必要なのは、それ以上に、遠くない将来に完全国産の戦闘機を作るための技術を習得、蓄積できる戦闘機である。その点から最も相応しいのがユーロファイター・タイフーンなのである。

 

そんな日本の事情を知っている米国側が、機体の組み立てや構成品の生産など一部国産化を認めている内容の提案書を防衛省に提出したとの報道。その価格と共にF-35を導入する際の大きな障害になっている「国産化」条件を緩和することで、FX選定を有利に進めようと云う米国側の魂胆である。

 

 しかしだ、そんなことを真に受けて契約を結んでも、結局は「ノックダウン」しかできないなんて結果が待っている可能性は大ありだ。いま日本に必要なのは目先の抑止力ではなく、自力で自国を守ることが必要だと云う確固たる信念である。米国の圧力・甘言に屈せず、惑わされず、己の行くべき道をしっかりと歩まなければならないのである。

 

 

 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、なるせの森の谷戸奥の田んぼでの稲架掛け(はさがけ、刈り取った稲を天日干しにする)作業。

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最初の一機、最後の一機

 昨日(2011927日)、ANAが世界で初めて導入する、ボーイング787(ドリームライナー)の1号機が羽田空港に到着した。ANAはこの787を大量50機発注し、納入を待っていたが、結果として当初の予定から3年遅れでようやく最初の1機を受領することが出来たのである。

 

 同日、愛知県豊山町にある三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所では、「国産」戦闘機F-2の最後の1機が航空自衛隊に納入される「完納式」が開かれていた。2000年から納入が始まったF-2だが、12年かけて全94機が完納されたことになる(他に試作機4機)。ちなみに飛行中(重整備後の試験飛行)に失われた機体は1機のみだが、3.11大震災の際の津波で、松島基地所属のF-218機が水没。被害が大きかった12機が廃棄処分されることが決まっている。

 

 7871号機納入は明るい話題である。単に新しい飛行機が日本の、世界の空を飛ぶと云う事だけではなく、機体の35%が日本のメーカーによって製造された787だから、より多くの787が飛ぶことがすなわち日本の航空機産業の活性化につながり、それはやがて純国産中型旅客機の開発へとつながる可能性があるからである。

 

 一方、F-2の生産完了は、1957年にF-86で始まった日本国内でのジェット戦闘機生産(当初はノックダウン、後にライセンス生産)の歴史が途切れることを意味している。これは三菱重工及び部品メーカーなど関連企業1,100社の経営に大きな打撃になるだけではなく、日本国内における戦闘機製造技術が失われることを意味している。

 

 「戦闘機は戦争の道具だからなくても良い」と思われる方もおられるかも知れないが、戦闘機に求められる高度な技術が民間航空機に導入されることによって、より安全で快適かつ燃費の良い787のような旅客機が開発されるのである。

 

 日本の航空機産業の将来を考えれば、787の機体生産を担当するだけではなく、戦闘機生産のための技術力をも維持、発展させることが、来たるべき純国産中型旅客機開発のための基盤を創る重要な要素なのである。F-22の導入が不可となって以降、FXの選定に大きな遅れが出ているが、国内製造、更には改良開発可能な事を第一条件として、速やかに決定し、導入する必要があると、郷秋<Gauche>は思うぞ。

 

 

 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、稲刈りが進む恩田の森、白山谷戸の田んぼ。恩田の森Nowでは縦位置の写真をご覧いただいていますが、今日は横位置の写真をご覧ください。

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ホンダジェット

 クルマ情報のサイト、Responseに、ホンダジェットの特集が掲載されていた(see here)。既に型式認定を取得しているホンダジェットだが、量産化に向けてノースカロライナ州の工場も完成し、来年初めから量産機の組み立てを開始し、後半には量産初号機が最初の顧客-噂によればそれは、ジェンソン・バトンであるらしい-に引き渡されることになるようである。一代にして、町工場から世界の名だたる自動車メーカーに育て上げた本田宗一郎が夢見た、ホンダ製のヒコーキがいよいよ羽ばたく時がくるのだ。

 

 思えばホンダは、終戦間もない混沌とした時代にエンジン付きの二輪車を作ることからスタートした。瞬く間に二輪の一大メーカーに成長したかと思うと、「時計のように精密」と云われたDOHCエンジンを搭載した小さなスポーツカーで四輪の世界に挑戦(正確には、同じDOHCエンジン搭載ながら、軽トラックであるT360がホンダ最初の4輪車である)を始めるのと時を同じくしてF1にも挑戦。この無謀とも思われる二つの挑戦をものの見事に成功させたのはご存じのとおりである。

 

 新しいものに挑戦し続けることこそがホンダのホンダたる所以、本田宗一郎以来のホンダのDNAなんだろうな。

 

 

 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、恩田のの白山谷戸の穂が出始めた田んぼで、稲刈りに備えて畔の草を刈る図。草刈り機と云うと1間ほどの長さのパイプの一方の先に回転刃、その反対側にエンジンを付けたものが一般的だが、土手の上で使っているのはエンジンを背負う形式のもの、画面左側でハンドルとワイヤーの一部がチラリと見えている超小型の4輪駆動自走式のものなど、いろいろな形式があるようだ。

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片方のエンジンだけで大丈夫なんです。

 ANA1613便(ボンバルディアQ300)が、エンジントラブルのため「片側のエンジンを停止させた状態で伊丹空港に緊急着陸」したことがニュースになっていた。まるで片側のエンジンだけで着陸「できた」ことが奇跡でもあるかのような書き方のタイトルだが、実は双発(エンジンが二つある)の飛行機は、一方のエンジンが停止しても、もう一方のエンジンだけで安全に飛行を続け、安全に着陸できるように設計されているのである。

 

 というか、むしろ一つのエンジンが停止してももう一つのエンジンで安全に飛行を続けられるようにエンジンを二つ積んでいるのである。そういう考え方に基づけば、双発より三発(昔流行った727MD-11)、三発より四発の飛行機(747やエアバス340380)は更に安全性が高いと云う事になる。ただし、エンジンの数が増えるのに伴う機構の複雑さがまた信頼性の低下を孕むと云う矛盾も抱えることにもなる。

 

 ところで、左右の翼に一つずつエンジンをぶら下げた(例えばホンダジェットのように翼の上にエンジンを乗せる形式の飛行機もない訳ではないが)双発機の場合、片方のエンジンが止まった時のことを考えれば、当然止まっているエンジンの方向に旋回しようとし直進が出来なくなるのではないかと想像するのだが、それはそこ、今どきのコンピュータ制御技術で、パイロットが神業的操縦をせずともまっすぐに飛ぶようになっているらしい。

 

 では単発の飛行機の場合とか、すべてのエンジンが停止した場合にはどうなるかと云うと、例えばジェット旅客機であっても、グライダー程ではないにしても多少は滑空できますのでご心配なく。安全姿勢を取りつつ、滑空しながら安全な着陸もしくは着水場所が見つかることを祈りましょう。

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ボーイング社がMRJのカスタマー・サポートを提供

 622日、三菱航空機とボーイング社が、三菱航空機が開発を進める国産初のリージョナルジェット機MRJのカスタマー・サポートをボーイングが提供することで合意したこと、さらにその業務体制を開催中のパリ・エアショー会場において発表した。

 

この合意に基づき、ボーイング社の民間航空機部門、ボーイング・コマーシャル・アビエーション・サービセズが、MRJの部品調達・在庫計画の策定、現地サービスを含めた各種サービスの運営などのカスタマー・サポート サービスを提供すると云う(マニュアル作成ではサーブと契約済み)。

 

 エアラインが新規の航空機を導入する際にもっとも重要になるのがそのメーカーの「サービス性能」であろう。つまり、最少の予備機でメンテナンスを含めていかに効率の良い運航ができるかである。その意味で、航空機単独の性能ではなくメーカーの力が重要になる訳で、新参メーカーは大きなビハインドを負うことになる。

 

 今回、三菱航空機とボーイング社の提携はそのビハインド解消に大きな力となる事だろう。それは取りも直さずMRJの性能には興味を持ちつつ、メーカーである三菱航空機に対する不安感から発注を躊躇しているエアラインや航空機リース会社の背中を押す大きな力となることは間違いないだろう。

 

 17日に、香港の航空機リース会社ANIから5機の90席型MRJ受注のニュースをご紹介したばかりだが(see here)、今回の三菱航空機とボーイング社の提携により現在130機となっている受注数がさらに大きく上積みされることを期待せずにはおられない郷秋<Gauche>である。

 

 

 今日の一枚は、MRJのご先祖様でとも云えるYS-11。信頼性の高い機体でありながら販売が思うように伸びずに、ついには生産会社も解散せざるを得なかった悲運の旅客機でもある。だからこそ、YS-11の二の舞とならぬよう万全の態勢で売り込みに注力しているMRJなのである。

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三菱航空機、香港のリース会社からMRJを5機受注

 三菱航空機が香港の航空機リース・整備会社、ANIからMRJ5機受注したことを発表した。90席のMRJが島嶼部の多いインドネシアや東南アジアの地域(リージョナル)間移動用にを投入される見込みで、ANIはMRJ100席仕様が開発されれば更に20機の追加発注を検討するとしている。

 

 現在リージョナルジェットはカナダのボンバルディアCRJ、ブラジルのエンブラエルERJの二強が市場をシェアしているが、更にロシア、中国のメーカーも参入しようと云う激戦区。北米からの100機に次いで数は少ないが、今回アジア地域からの受注実勢を上げたことでこれからの受注に弾みが付こうと云うものである。

 

三菱航空機は、ヨーロッパでのMRJの販売を強化するためにアムステルダムに現地法人を設立し、本年51日から営業活動を開始しているはず。次はヨーロッパから、首が長くなり過ぎる前に受注のニュースが届くのを大いに期待する郷秋<Gauche>であるぞ。がんばれ、三菱航空機! がんばれ、MRJ!

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空飛ぶピーチ?!

 桃は川を「どんぶらこ」と流れて来るものだと思っていたが(古いって!)、今どきは桃が空を飛ぶらしい。

 

 フルーツの名前を冠したコンピュータや情報端末はあるが、これまでフルーツの名前を会社名にしてしまったエアラインがあっただろうか。少なくとも郷秋<Gauche>の頭の小さな引き出しには入っていない。エアラインの名前は入っていなかったけれど、何年も開けていなかった引き出しの奥の方に埃にまみれた「オレンジ・コンピュータ」があった。思い出したぞ。人間の記憶って不思議だなぁ。

 

 もう30年近く前の事だ。リンゴに対抗して「オレンジ」と云う名前を付けられたPCがあったが、あれはいったいどう云う会社のどう云うPCだったのか、その名前以外には何も思い出せない。郷秋<Gauche>的にはリンゴよりもオレンジの方がよりフレッシュな印象を持つけれど、結局オレンジPCはいつしか消えって無くなり、リンゴが蔓延ることになった。

 

 それじゃピーチはどうかと云うと、音節が二つと短くて多くの日本人は、物・人・会社などの名前としてはちょっと収まりが悪い印象を持つのではないだろうか。でも、そんな「ピーチ」が、ANAが中心となって設立した日本で初めての本格的LCCLow-Cost Carrier)の社名とされた。Peach Aviation、空飛ぶ桃の誕生である。

 

 社名と同時にテーマカラーをまとった機材も発表されている(see her)。郷秋<Gauche>にはピーチと云うよりはバイオレットに見えるが、色としては悪くないと思う。しかしだ、この写真をよく見ると、主翼の先に独特のウイングチップが付いていることからエアバスのA320であることがわかる。737に寡占化されるかと思った小型機旅客機に、A320が増えそうなのは、ヒコーキファンとしては嬉しいところだ。

 

 上で紹介したものとは別の記事によれば、このピーチA320ANAのお下がりではなく新造機のようである。新しいエアラインが登場し、日本では絶滅危惧種かと思われたエアバス機が新造で、しかも新鮮なカラーリングで登場するってのは、日本が元気になるためにも良い事だろうと郷秋<Gauche>は思うぞ。

 

 

 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、今がシーズンのバラ。郷秋<Gauche>の庭の、ではなく、ご近所の玄関先のものである(^^;

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MRJを飛ばして元気になろう、日本

 地震・原発事故関連のニュースが多く、それ以外のニュースの扱いが小さくなっているためについつい見逃してしまっていたが、郷秋<Gauche>的にはかなり重要なニュースのいくつかをここ数日で発見・発掘した。

 

 これまでもたびたび書いているMRJが来年、2012年の初飛行をめざして45日に機体の組み立てを開始したとのこと。起工式とか鍬入れ式と云うのは聞いたことがあるが、今回は「鋲(びょう)打ち式」を行ったと書かれていた。操縦室の天井部分にある乗員用非常脱出扉周囲の井桁構造の鋲打ちからスタートしたようだが、個々の部品の製作は実は昨秋からスタートしていたようで、意外と早くヒコーキの形が現れるのかも知れないな。

 

 時を同じくして、ヨーロッパでの販売を強化するためにオランダのアムステルダムに現地法人を設立し、51日から営業活動を開始することも発表された。ご存じYS-11は十分な数の販売が出来ずに赤字となり当初の予定よりも早く製造を終了し事業会社も解散してしまった。その轍を踏まないためにも営業に力を入れようと云う事だろう。

 

 そりゃそうだ。現在MRJANAから25機(確定15機、オプション10機)、アメリカ合衆国のエアライン、トランス・ステーツ・ホールディングスから100機(確定50機、オプション50機)を受注してはいるものの採算ラインにはほど遠く、アメリカ合衆国に次ぐ大きなマーケットであるヨーロッパではまったく契約に至っていないのである。

 

 しかしだ、リージョナルジェットがまったく新しいマーケットならいざ知らず、既にエンブラエル(ブラジル)とボンバルディア(カナダ)が市場を二分し、更にはロシアと中国のメーカーが参入しようと云う、航空機の中でも最も競争の激しいマーケットに参入しようと云うMRJである。そう容易く商談がまとまるとは思えないが、是非とも採算ラインに乗せるために、そして震災によって大きなダメージを負った日本が再び大きく羽ばたく、その象徴ともなるように、MRJには日本の空をそして世界の空を是非とも飛びまわって欲しいものである。

 

 

今日の一枚は、まさしく羽ばたく、飛び立とうとする小鷺。

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JALから747が消える

 日本のナショナルフラッグであったJAL、日本航空から、その象徴的機材であったボーイング747、通称ジャンボジェットが、今日成田に到着した便を最後にその姿を消すこととなった。

 

 先週の日曜日、久し振りにMキャプテン(元ANA-400(注)のパイロット)にお会いしたので「JAL747がいよいよ引退ですが、ANAはいかがなんですか?」とお聞きしてみたところ、こんな返事が返ってきた。

 

 「アリタリアが747を全て売却した時には、その評価が酷く下がりました。747を持っていると云うことはエアラインにとってのプレスティジなんです。だから、見栄かも知れないけれど、ANAにはずっと400を飛ばし続けて欲しい」

 

 そうなんだろうな。いまでは4発の旅客機は747とエアバスのA340A3803機種しかない。その中でも1970年の就航から既に40年以上の運航実績のある747の存在は絶対的である。「腐っても鯛」の747はやはり大手エアラインのシンボルなんだろうな。

 

ハイテクジャンボと呼ばれた-400も既に旧態然としてきたことは否めず、新世代ジャンボ、「-8」の旅客型の一日も早い登場が望まれる昨今であるが、果たしてJAL747-8導入の可能性はあるのか。

 

注:航空機関士なしの2名で運航可能となったハイテクジャンボ機が747-400。ファンの間では「ダッシュよんひゃく」と呼ばれるが、それを操縦していたMキャプテンは単に「よんひゃく」と呼んでいた。

 

 

 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、先週日曜日に結婚式が行われたレストランのチャペル。ビルの中にゴシック様式の教会でよく用いられたリブ・ヴォールト形式の天井を再現している。もちろんその形式お外見(内見?)を真似ただけのものだが、それなりの雰囲気を醸し出してはいる。

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