唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
2012年F1最終戦
セバスチャン・ベッテルのマシンを、前戦で同僚ウェバーのマシンに起きたオルタネーターのトラブルが襲いリタイヤ。アロンソが雨の中をステディに走り切り表彰台を獲得すれば2012年の栄冠はアロンソの頭上に輝くことになる。果たして奇跡は起きるのか。
小林可夢偉、ザウバーのシートを失う
ザウバーF1チームが2013年シーズンのドライバー・ラインアップを発表した。マクラーレンに移籍するセルジオ・ペレスの後釜は既にニコ・ヒュルケンベルグであることが発表されていたが、そのニコのチームメイトに、現在ザウバーのサード・ドライバーであるエステバン・グティエレス(21歳)が昇格することが発表された。
これによって小林可夢偉はザウバーのシートを失うことになる。ザウバーより上位のチームのドライバーはロータスの一つを除いて既に決まっており、現時点でドライバーが決まっておらず、辛うじて上位を狙える可能性のあるチームはフォースインディアとウィリアムズくらいだが、いずれもチームの台所事情は芳しくなく、ザウバー同様速いドライバーよりスポンサーを持ち込めるドライバーが優先されることは間違いない。誠に残念ではあるがここでも小林の苦戦が予想される。
マーク・ウェバー、人気無し
こちらのページで、今週末に行われるアメリカGPの勝者を予想する「投票」が行われていた。郷秋<Gauche>は迷わずあるドライバーに清き一票を投じたのだが、その結果が面白い。
一番人気は前戦で復帰後初優勝を果たしてライッコネン、二番人気は1.7ポイント差で今季3勝のアロンソ、そして三番手は0.3差でアロンソに食らいつくのは、現時点でのポイントリーダー、ベッテル。上位3人が僅かなポイント差で並ぶ結果は順当なところなのだが、実は4位以下が面白い。
単独4位が日本代表小林可夢偉。まっ、日本国内での調査だからこういう結果になるのは見えているのだが、更に面白いのが、4位に大きく差を付けられての5位が今季3勝のハミルトン、そして6位に今季2勝のバトン。今シーズンに勝利しているドライバーが上位に来るのは当然の事なのだが、2勝しているマーク・ウェバーだけは、棒グラフにすると棒に色がつかない、得票率僅か0.5%とまったく振るわない結果となっている。
良いマシンに恵まれて今季2勝挙げるなど悪いドライバーではないけれど、やっぱりセカンドドライバー。「史上最強のセカンドドライバー」などと云われたルーベンス・バリチェロとまったく同じキャラクターを演じる羽目になったマーク・ウェバーなのである。で、こう云うドライバーを「B級ドライバー」などと呼んだりする訳だけだが、実はこのB級ドライバーの中にも素晴らしいドライバーがいるのだ。
例えばミケーレ・アルボレート、例えばリカルド・パトレーゼ、例えばジャン・アレジ。いずれも超一級のドライバーでありながら、F1ではチャンピョンに輝くことはできなかった。いや、ホント、いずれも心からモータースポーツを愛する(した)ナイスガイ、良いドライバーですよ。郷秋<Gauche>はアルボレートもパトレーゼもアレジも、みんな好き。マーク・ウェバーもそう云うドライバーの仲間入りするために、今日も走る一人だと云う事なんだろうな。
遅すぎたライッコネンの勝利
待っているとタクシーは来ない。傘を持って出かけた日には降らない。見なかったレースに限って面白い。まっ、世の中そんなものである。
年間20戦欠かしたことのないF1(TV)観戦だが、柄にもなくこのところ忙しい日々が続いている郷秋<Gauche>、さすがに昨夜はくたびれ果てており、予選結果を確認して「今日はハミルトン。ベッテルもポイント圏内までは来るだろうけれど表彰台は無理。ライッコネンの今シーズンは結局優勝なしで終わるか。小林は今回もノーポイントだな。アロンソ優勝の可能性もあり。だとするとベッテルとポイントランキング逆転か?」と思いながら、見ずに寝た。
朝起きてびっくり。郷秋<Gauche>の予想はことごとく外れた。トップ快走のハミルトンはまさかのマシントラブルでリタイヤ。ベッテルはなんと三位まで上り詰めた。ライコネン、復帰後初勝利。でも遅過ぎたね。もう逆転するだけのレースが残っていない。小林もびっくりの6位で8ポイント獲得。でも来季のシートはリザルトではなくてスポンサーで決まる厳しい現実。アロンソ2位でベッテルに3ポイント詰め寄るもその差は10ポイント。残りは2戦。
見なかったレースに限って面白いのだ。まったく残念なことをしたけれど、お陰で残り二戦が消化試合ではなく、ファンにとっては「楽しい激戦」となりそうで嬉しいぞ。頑張れ、アロンソ!
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、郷秋<Gauche>の「旅の友」(一昨日、東北新幹線下り列車中で撮影)。音楽と紙に印刷された本。タブレットPCを取り出すような「無粋」なことは、郷秋<Gauche>はいたしません。って、したくても持っていない(^^;
えっ、ビールの缶はって?写真には写らない窓際においてあます。どうぞご安心を(^^)
真のチャンピョン、フェルナンド・アロンソ
戦闘力が劣るマシンながらもこれまでドラーバーズランキングトップを維持してきたアロンソだが、韓国GPの結果により、トップの座をセバスチャン・ベッテルに譲ることとなった。その差は6ポイントだが、レース後のフェルナンドのコメントが素晴らしい。
「確かにベッテルはいま絶好調で、今回も最高の週末を送ったけれど、でもこうしてすべてが順調に進んでいる時には必ず落とし穴があるものなんだよ。そうした時には着実にポイントを重ねていたほうが優位に立つ、そんな例をこれまでいくつも見てきたからね」
「このレースを前に4ポイントリードしていたのが大きな意味を持たなかったのと同様に、6ポイント上回られたことも大した意味はない」
「これから100ポイント獲得可能だし、すべては僕たちが今後のレースでどれだけ改善できるかにかかっている。僕たちは決して最速ではないマシンで、タイトル争いの真っただ中にいるんだ」
まっ、このくらいじゃないとF1のチャンピョンは務まらない。チャンピョンにはチャンピョンの風格が必要なんだよ。自分に不都合なことが起こるたびに同僚や他のドラーバー、チームを批判するようなドライバーはチャンピョンにはなれない。この超ポジティブな、大人なコメントを見れば、実際の結果がどうなろうとも、2012年シーズンの真のチャンピョンとして相応しいのはフェルナンド・アロンソ以外には考えられないだろうと、郷秋<Gauche>は思うぞ。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、「コスモスが咲いていました」と云う証拠写真(^^;
2012年日本GPの結果を読む
ポイントリーダーのアロンソ危うし
アロンソはリタイヤで0ポイント、対するベッテルは優勝し25ポイントを上乗せ。その結果、アロンソの194ポイントに対してベッテルは4ポイント差まで詰め寄った。もともと戦闘力の劣るFerrari F2012で良くもまぁここまでと云ったアロンソの戦い振りであったが、それもここまで、と云う気配が濃厚。唯一の望みは、エースがリタイヤした後一人気を吐いたマッサ。シーズン終盤に来て、ひょっとするとマシンのポテンシャルが上向いてきた「かも」知れないと云う事。でも、マッサの快走が「まぐれ」にしか見えないのが寂しいい。
頸の皮一枚でタイトル争いに留まるバトン
開幕戦で優勝したものの、その後はイギリスGPまでまったく良いところが無いレースが続いたバトンだが、ドイツGPでの復活以降は81ポイントを上乗せし、現在ウェバーに3ポイント差の131ポイントまで復活。厳しいとは云え残り5戦のリザルト次第ではチャンピョン争いのダークホースともなりそうな勢い。トランスミッション交換による5グリット降格、あるいは最後のタイヤ交換でもたつきが無ければ表彰台は間違いなかっただろう事を考えると、残り5戦をより面白くしてくれる役者の筆頭と云えるだろう。
小林3位はめでたいが問題は今後
鈴木亜久里、佐藤琢磨以来の日本人表彰台は同慶の至りではあるが、同じマシンで3度表彰台に上がっているペレスの存在を考えると、喜んでばかりもいられない。鈴鹿での勢いに乗って韓国、インド、UAEと続けて表彰台をものにでもしなければ、鈴鹿の表彰台は「フロック」であったかと、むしろ評価を下げるのがオチ。現在16ポイントあるペレスとのポイント差をインドGP終了時点で逆転し、2013年シーズンにペレスを迎え入れるマクラーレンに、その判断が間違いであったことを教えてやる必要がある、小林可夢偉である。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、「秋のきらめき」。
老兵は黙して語らず、静かに去るのが良い
かつて、皇帝と呼ばれた男が、二度目のそして最後の引退を表明した。云うならば、そもそもカムバックなどするべきではなかったのだが、本人にしてみれば、まだまだやれるはずだと云う思いもあったのだろう。だがしかし、結果はと云えば多くの予選・本選において若い同僚の後塵を拝することとなったのは周知の通り。
最初の一年は、進歩の速い現代F1の波に乗れないのかとも思ったが、それが単なる思い違いであることに気が付くのに多くの時間は必要なかった。彼は遠の昔にピークを過ぎていたのである。その事実に最初に気付いたのは勿論当の本人。思いが先行するばかりで前に進まないマシンでのレースは辛かったことと思う。いや、それでも彼にとっては楽しかったのかも知れないな。誰と競う訳でもなく当代一のマシンで、自分のペースでサーキットを周回するのは。真剣勝負のレースに紛れて、一人スポーツ走行を楽しんでいたとでも云えば良いだろうか。
しかし、すべては終わった。老兵は去るのみ。できれば静かに去って欲しかったのだが、「僕はまだベストのドライバーたちと戦うことができるし、その力があるけれど、ある時点で別れを告げるべき時が来る」。どうして「存分に楽しんだ。ありがとう」と云って去れないのか。それがヨーロッパ人と日本人の違いと云う事なのだろうか。郷秋<Gauche>には到底理解できない、偉大なドライバー二度目の去り際である。
彷徨えるシューミー
マクラーレンのルイス・ハミルトンがメルセデスに移籍することが発表された。ハミルトンの後任にはザウバーのセルジオ・ペレスが移籍。はてさてペレスが名門マクラーレンで上手くやっていけるかどうか心配ではあるが、それ以上に問題なのがハミルトンに押し出されるミヒャル・シューマッハ。
大いなる期待と共にカムバックしたシューミーだが、W02、03の戦闘力不足があるとは云え、今年のヨーロッパGP、バレンシア市街地コースでの3位表彰台が唯一の目立った戦績。多額のギャラにはとても見合うリザルトとは思えない結果、椅子取りゲームでの敗退と相成った次第。
しかしだ、そのシューミーにも、ペレスの移籍によって空いたザウバーのシートがあるではないかとの噂も仕切りだが、果たしてザウバーに高額なギャラを支払うゆとりはないだろう。とすれば、再度の引退か。ペレスに比し不甲斐ないリザルトの小林の去就も決まってはいない現在だが、もし2013年のザウバーが小林とシューミーと云う事にでもなれば、果たしてどちらが優れたドライバーであるのかが一目となり、それはそれで面白い。
しかしまぁ、シューミーは既に一時代を気付いたドラーバーだからな。老後の楽しみのためのレースで小林の後ろを走ったとしても、だからどうと云う事もないだろう。シューミーが走っていると云うだけでF1が楽しくなる、彼の存在はそのように考えれば良い訳で、自身の楽しみのために走っている彼により良いリザルトを望むのが間違っていると云うべきだろう。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、ピーカンで上手く撮れなかったけれど、今が花期のタマスダレ。
運も実力の内 ― イタリアGP雑感 ―
前線スパ・フランコルシャンでは、せっかくものにしたフロントローだと云うのにグリッド後方からスタートしたマシンのクラッシュに巻き込まれレースを台無しにした。フロントローからのスタートの何が良いかと云えば、後方で起こる可能性が大きい接触事故に巻き込まれることがないことがあげられるわけだが、あれじゃあ予選2位の意味がまったく意味がない。
イタリアGP、予選13番手の同僚が2位表彰台をものにしたと云うのに、8番グリッドスタートの小林は先行するマシンのリタイヤに助けられての9位フィニッシュがやっと。
たまさかの、まったくの不運で良い結果を得られなかったと云う事はある。スパ・フランコルシャンでのフェルナンド・アロンソが良い例である。しかしだ、毎戦毎戦、「上手い具合に」たまさかの不運が続くなどと云うなどということはあり得ない。もし、毎戦毎戦上手い具合にトラブルが続くのだとすれば、それはもうトラブルを呼び込む実力を身に付けたドライバーだと云う事だ。
残念ながら今の小林可夢偉は、「毎戦トラブルを呼び込む実力を身に付けたドラーバー」と評する他はない。まったく残念で不本意な結論だが、郷秋<Gauche>は自信をもって今の小林をこのように評価する。いや、この評価が間違っている可能性も大いにある。でも、この評価を覆すためにはシンガポールGPからの少なくとも3戦、毎回表彰台を狙える程のレースを続けることが必要である。これまた実に残念だがそれは叶わぬことだろうなと、予想が裏切られることを願いながら書いておく。
例によって記事本文と何の関係もない今日の一枚は、8月30日に撮影した郡山布引高原風力発電所。Facebookには当日中に掲載していたが、Facebookをお使いではない方のために遅れ馳せながらの掲載。ちなみに33機の風車による総発電量は6600kW。33機束になっても小型原発の1/10程度の発電量ではあるが、環境負荷が限りなくゼロに近いことは云うまでもない。
アロンソは、やっぱり凄い
前戦、ドイツGP後の24日に郷秋<Gauche>は、3勝目はやはりアロンソと云う小文の中では「アロンソは今シーズン、全ドラーバー中ただ一人すべてのレースでポイントを獲得すると云う安定したレースを展開。優勝以外のレースでも1レース当たり平均11.28ポイント、つまりコンスタントに5位10ポイント以上の結果を残していることを考えると、今後、仮に表彰台に上がれないレースがあったとしても、アロンソ有利なシーズン展開が急激に変わることはないだろうな。」と書いた。
勿論ハンガロリンクでも優勝、それが無理でもより多くのポイントが付与される表彰台フィニッシュが良いに決まっている。これは叶わぬことではあったけれど、それでもアロンソは5位10ポイントを獲得。まさに24日に書いた通りの展開であった。勿論これ以下のポイントは好ましいものではないが、少なくともハンガロリンクではウェバーの前でフィニッシュしたことに大きな意味がある。8位のウェバーは僅かに4ポイン加算で、10ポイント加算のアロンソとの差は6ポイント多い40ポイントにまで広がったのである。
40ポイント ―それはほとんど2レース分の差を意味する― のリードを築いたアロンソは、一カ月の休暇を地中海に浮かべたヨットの上で過ごすことも出来るし、勤勉なアロンソのことだから、後半戦に備えてトレーニングに励むことも、自由である。一方のウェバーはと云えば、少なくともヨットの上で安楽に過ごす選択肢はない。勿論、彼が望めばそうすることも出来るだろうけれど、そうしたとしても、気の晴れる、楽しい休暇とならないことは間違いない。
十二分とは云えないにしても、それなりの「貯金」をもって入る休暇の方が、負債を抱えての休暇よりも数万倍楽しいに違いないことは、書くまでもないだろう。
さて、ライッコネン。2位フィニッシュでも「2位になるためにレースをしている訳では無い」と、いかにも不機嫌そうに彼らしいコメントを出してはいるが、彼自身、復帰後の初優勝が近いことは感じているのだろうな。だからこそ「2位くらい」じゃぁ喜んだりしないのだ。キミ・ライッコネン、北欧生まれのこの男は、そう云う男なのである。「『1度くらい』の優勝では面白くもない」と云うコメントを、早く聞いてみたいものだぞ。
例によって記事本文とは何の関係もなくご覧いただく今日の一枚は、江の島写真その11江ノ島神社奥津宮から、稚児が淵に向かう道。カンカン照りの石畳は「白飛び」し、日陰は「黒潰れ」と云う絵を頭に描きながら撮った一枚だがD800のアクティブDライティング機能は、白飛びと黒潰れを実に正しく補正して、まったく平凡な絵を作りあげた。アクティブDライティング機能も良し悪し、と云う見本の一枚である。
郷秋<Gauche>のレーシングカート時代
火曜日に「これこそはサーキットを走った者以外には、実感をもっての理解は無理だろうな。」と書いたものだから、「郷秋<Gauche>さんはサーキット走行したことがあるのですか」とか「お前、そんなことしてたのか?」と云ったと云ったDMを複数頂いた。
はい、郷秋<Gauche>のマシンです。ただし乗っているのは次男坊。
中嶋悟がF1にデビューし、フジテレビが全戦中継するようになったのが1987年。その翌年にヤマハのSLライセンスを取得し、同じくヤマハのカートを購入してレーシングカートデビューを果たした郷秋<Gauche>なのでありました。
実際に走り出すまでの間に、当時はまだF3000のドライバーだった鈴木亜久里がカートの走行を解説したビデオを見たりしてコーナーのライン取りなんかを勉強したつもりだったけれど、そんなものは実際にコースを走ってみればすぐにわかってしまった。まさに百聞は一見にしかずで、実際に走ってみればどういうラインを取れば速いのか、すぐにわかるものなのである。
F1の中継では、よくタイヤのグリップ云々が云われるが、通常の乗用車のタイヤをベースに考えても何の事なのかまったく理解できないはずだが、SLクラスのコントロールタイヤであっても、コンパウンドが温まって、夏場などは実際にトレッドのゴムが溶けだしてグリップしだすわけだから、これも身を持って体験していれば、タイヤが冷えている、温まっている時のタイム差、マシンコントロールのしやすさなどはすぐに理解できる。
一般の路上で、コーナーの路面が濡れていたり砂が出ていたりで、思わずテールが「ズリッ」とした時には「逆 ハン(ドル)を切ればいい」などと云われるけれど、これを実際に公道上できる人は多くないはずだが、サーキット走行を経験すればすぐに出来るようになる。テールが滑りだしたのを自分のお尻で感じ、スピンするのを避けるために自然にカウンターステアを当てることが出来るようになる。
実際に公道上でこれをしたのは、プアなタイヤのレンタカーで雨で濡れていたコーナーにオーバースピードで入ってしまった時、一度だけだが、まったくスムーズにかつ落ち着いてカウンターを当ててコーナーをクリアすることが出来た。サーキットで速く安全に走るためにテクニックは、一般の路上での安全走行の為にも大いに役立つものなのであるし、コーナーで極端にスピードを落とさず安全に通過するためのテクニックは燃費の面でも有利なはずだ。
レーシングカートは、結局上の写真に写っているサイドボックス無のマシンに4年程乗り、サイドボックスが無いとレース出場が出来なくなると云うレギュレーション改訂に合わせてサイドボックス付のマシンに買い替えて5、6年、都合10年近く楽しんだかな。
今のF1ドライバーでレーシングカートを経験していないドライバーは多分、いない。レーシングカートは一見遊園地のおもちゃのように見えるかも知れないが、実はフォーミュラーカーの最底辺カテゴリであり、レースに必要なすべてはレーシングカートで学べると云い切って良い程の存在なのである。
実際に自分でマシンを購入するとなると確かにその敷居は低くないけれど、モータースポーツの他のカテゴリと比べれば格安かつ安全にフォーミュラーカーの走りを楽しめる訳で、ドライビングが上手になりたい、より安全で速いコーナリングを学びたい、あるいはF1ドライバーのドライビングテクニックを知りたい人にはお勧めのモータースポーツなのである。
3勝目はやはりアロンソ
カナダGPまでの序盤戦は毎回勝者が違うと云う混戦が続いた2012年F1だが、その後はヨーロッパGPではアロンソが、続くイギリスGPではウェバーが2勝目をあげるなど、やはり勝つのは勝つべきチーム、勝つべきドライバーが勝つと云う流れが見えてきたところでのホッケンハイム。やはりと云うべきか、予選で強さを見せつけたアロンソが先陣を切っての今シーズン3勝目。
アロンソが25ポイント獲得したのに対して現時点での「対抗」たるウェバーが8位4ポイントと低迷したことから両者のポイント差は34となり、仮にハンガロリンクでアロンソが0ポイントだとしても、ランキングトップの座を譲ることがないだけのギャップを作ったことになるわけだ。
もっともアロンソは今シーズン、全ドラーバー中ただ一人すべてのレースでポイントを獲得すると云う安定したレースを展開。優勝以外のレースでも1レース当たり平均11.28ポイント、つまりコンスタントに5位10ポイント以上の結果を残していることを考えると、今後、仮に表彰台に上がれないレースがあったとしても、アロンソ有利なシーズン展開が急激に変わることはないだろうな。
さて、小林可夢偉。前戦の余りの体たらくに記事を書く気にもならなかった郷秋<Gauche>だが、まっ、今回は少し褒めてあげよう。ベッテルのレース後ペナルティによるとは云っても、リザルトは4位。トップのアロンソから21.9秒遅れ、繰り上げ表彰台のライッコネンに5.5秒差の4位は立派だ。この4位が立派だとすれば、ますます惜しいのが予選の不出来。今後の課題だな。
ところで、小林の繰り上げ4位の要因となったベッテルのコース外からのバトン追い越し、あれはまったくいかんねぇ。ベッテルは「接触を避けるためにランオフエリアに逃げただけ」と弁明しているが、もしそうならば、コースにも戻ってからバトンに2位の座を譲るべきであった。
しかしだ、あのコーナーでの出来事はちょっと複雑ではある。つまり、バトンはベッテルのアウトからコーナーに侵入し、コーナー出口でベッテルのイン側にマシンを寄せ、ベッテルをコース外に押し出したと見ることも出来るからである。もしあの場所にウォールがあったら、ベッテルのマシンはウォールと接触している。
もし、バトンがそれを避けようとしたならば、彼はベッテルの後ろでスピンを喫することになったことだろ。しかし実際には接触もスピンも起こらなかった。すべてはそこに広いランオフエリアがあったからこその出来事。レース後20秒のペナルティは確かに重いが、もしベッテルがコース外走行で不当に得たポジションをバトンに返上していれば、3位15ポイントを得ることが出来たことになる。それをしなかった結果、彼は5位に後退し5ポイントを失う結果となった訳だ。
F1史上最年少チャンピョンになったベッテル、確かに速くいし最近は強さも身に着けて来てはいるけれど、悔しさ紛れにハミルトンを攻撃してみたりと、まだチャンピョンに相応しい「格」が身に付いていいないと云わざるを得ない。それに引き替えバトンとマクラーレンは「そのことについては云いたくない」「FIAは判っている」と、大人のドライバー、大人のチームであるな。
今日の一枚は、例によって記事本文とは何の関係もなく、江の島写真の第6回目。中津宮で参拝する人をズバリ真後ろから撮った一枚。しょぼいレンズのせいでかなり大きく歪曲していたが、見苦しくない程度にPhotoshopで修正、同時に両サイドの柱がまっすぐに立つようにアオリ補正ししている。
豪華な表彰台
いやはや、近年稀に見る荒れたレースとなったヨーロッパGPであった。マシントラブル有り、アクシデント有り、ペースカー有りと、レースを慌ただしくも面白くする要素満載の久し振りに面白いレースとなったが、終わってみれば表彰台には超ベテランの3人。
この3人が最後に表彰台に上がったのは2006年のカナダGPのはずだが、この時にはアロンソ優勝、2位がミヒャエルで3位にキミ。アロンソ、キミ、ミヒャエルの順だったのは2005年イギリスGPだが、いずれにしても随分と昔の話である。
特筆すべきはアロンソ。このところ回復基調とは云え、未だ完璧とは云えないマシンを駆ってのトップチェッカー。運が味方したとは云え予選11位から優勝とは並みのドライバーに出来ることではない。そしてミヒャエル。チームメイトが優勝するなどの陰でマシントラブルが頻発しこれまで僅か2ポイントを取るのみであったミヒャエルが復帰後初の表彰台となった。
キミはと云えば、例によって嬉しくもなさそうな表情で記者会見に臨んでいたが、彼はこれまでも「優勝以外には意味がない」と度々発言しているから、まさしく彼らしいことであり、ブレないその態度は、それはそれで立派なものとも云える。
さて、前戦モントリオールのレースの後に郷秋<Gauche>は、ヨーロッパGPでは今シーズン8人目の勝者が誕生、そしてそれはライッコネンであると書いたが、見事に外れた。しかし考えてもみれば、荒れに荒れている2012年シーズン、2度目の勝利を飾るに相応しいドライバーはアロンソを置いて他にはいない。予想が外れたのはちょっと残念ではあるが、ここはアロンソの勝利が相応しいい。同慶の至りである。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、紫陽花の蕊に取り付く小さな蜂。
追記:蜂ではなく虻(あぶ)じゃないかとのご指摘あり。調べてみると、蜂の羽は4枚、虻は2枚と随分違うようだ。蜂に比べ複眼が大きいのも虻の特徴の一つらしい。と云う事で、これは虻。(2012/6/26)
マクラーレンのブレーキは曙だった
モントリオールで2012年開幕戦以来の勝利を得たマクラーレンだが、そのマクラーレンのマーティン・ウィットマーシュ代表自らが、MP4-27のブレーキを供給する曙ブレーキ工業に対し感謝の言葉を口にしたとの報道。
ストップ&ゴーで有名なジル・ビルニューブ・サーキットでは、エンジン以上にブレーキに大きな負担がかかり、ここでの勝敗はブレーキ性能いかんにかかっているとも云われるほどである。そのジル・ビルニューブ・サーキットでハミルトンが勝てた理由の一つとして、期待に応える仕事をしてくれた曙ブレーキに対して謝意を表したものである。
しかしなぁ、レーシングカーや高性能スポーツカーに使われるブレーキの代名詞はと云えば、やっぱりブレンボだよな。エンジンは外から見えなくとも、ホイールスポークの間からbremboと書かれた赤いキャリパー(ボディー)がチラリと見えると、「おぬし、只者ではないな」となる訳だけれど、ブランド力がものを云う日本においてakebonoと書かれたブレーキは果たして流行るだろうか。マクラーレンの成績次第では不可能じゃないかもな。
例によって記事本本とは何の関係もない今日の一枚は、梅雨入り直後の晴れ間となった先週日曜日の白山谷戸。青い空に表情豊かな白い雲が綺麗だった。
7人目の勝者誕生!
一昨日、面白半分で、モントリオールで今季7人目の勝者登場か?!と云う小文を書いたが、郷秋<Gauche>の予想がズバリと当たり、レースの結果はハミルトンの今季初優勝となった。先の記事には「ハミルトンが優勝するだろと云う確実な材料があるわけではなく」とは書いたが、シーズン当初から速さを見せていたハミルトンだから、これまで勝てなかったのがむしろ不思議なわけで、その意味ではようやく勝てたと云うべきだろうな。
レースに勝つために必要な要素は無限と云っても良い程あるが、最も重要でありながらチームやドライバーの努力ではどうにもならないのが「運」である。もしアロンソが当初の予定の通り2ストップ作戦をとっていたとしたら、ハミルトンの勝利は無かったかも知れないのだから。ようやく幸運の女神がハミルトンの方を見てくれるようになったようだが、波に乗り出すとますます速く強くなるハミルトンだから、これからのレースが楽しみである。
さて、次なる興味は2週間後にバレンシア市街地コースで行われる第8戦だが、これはもうアロンソの独壇場だと云いたいところではあるけれど、郷秋<Gauche>の予想は、アロンソでもハミルトンの連勝でもなく、8人目の勝者誕生!である。モントリオールでは1ストップ作戦でロータスのグロジャンがハミルトンから2.5秒差の2位に入っているが、次戦はライッコネンが表彰台、しかも一番高い所に立つ番だと、無責任に書いておこう(^^)
例によって記事本本とは何の関係もない今日の一枚は、昨日に続いて紫陽花。昨日はダメだめなフレーミングの代表格である「日の丸構図」の典型をご覧いただいたが、今日は禁じ手「全面パターン化」の一枚。何とも困った時の奥の手だが、郷秋<Gauche>は満更嫌いでもないパターン化で、結構多用しているなぁ(^^; 「日の丸」も「全面パターン」もやるならやるで、徹底すること。日の丸弁当のように(若い人は知らないか・・・)主題をホントにど真ん中に持ってくる、あるいは他の要素が一切入らないようにするなど、徹底したフレーミングが必要な禁じ手である。
« 前ページ | 次ページ » |