最近のコマーシャルで、予防歯科とかカリオロジーとか最近の歯科の流れを象徴するような言葉がテレビで聞かれるようになりました。Cariology と書きますが、Caries(カリエス)とは歯科用語ではむし歯のことをいいます。従ってカリオロジーとはむし歯学と訳せるわけですね。むし歯の原因や発生、進行、むし歯菌の感染、初期のむし歯はストップしたり元に戻る再石灰化、フッ素やキシリトールなどのむし歯予防効果などを総合した学問と言えます。以前から研究としてのむし歯学はあったわけですが、これがだんだん臨床でそして日常でどのようにしたら良いのかというレベルまで降りてきたのが、1990年代前半位と思います。これはクリニカルカリオロジー(臨床的むし歯学)と呼ばれています。以前はこれらのことが臨床的には生かされていませんでしたので、むし歯ができたら削って詰める、被せるということを歯科医は延々とやって来たし、当然患者さんもそういうものだと思っていた。むし歯は、歯が溶けていく脱灰と、唾液中のミネラルやフッ素によってもとに戻ろうとする再石灰化との間でで揺れ動いているものだということが分かってきましたので、再石灰化優位にすれば見た目はむし歯にならない、ないしはむし歯が進行しないわけです。
乳幼児のむし歯も、以前は早期発見早期治療で、子ども、保護者、歯科医皆が大変でした(特にこどもはかわいそうでした)。最近はカリオロジーの発展のおかげで、早期発見、虫歯リスクを下げる、経過観察と適時治療ということが可能になってきました。2歳で治療するより、むし歯に何とかストップかけて3歳で治療したほうが当然楽なわけです。むし歯リスクを下げるために、歯科医側と患者さん側各々が何ができるか、予防メニューを作成して実行をサポートするという歯科医の仕事が重要になってきていると思います。大きいむし歯はすぐに治療ということにはならざるを得ないのですが、お口全体で考えると随分無理がなくなって来たことは実感しています。
乳幼児のむし歯も、以前は早期発見早期治療で、子ども、保護者、歯科医皆が大変でした(特にこどもはかわいそうでした)。最近はカリオロジーの発展のおかげで、早期発見、虫歯リスクを下げる、経過観察と適時治療ということが可能になってきました。2歳で治療するより、むし歯に何とかストップかけて3歳で治療したほうが当然楽なわけです。むし歯リスクを下げるために、歯科医側と患者さん側各々が何ができるか、予防メニューを作成して実行をサポートするという歯科医の仕事が重要になってきていると思います。大きいむし歯はすぐに治療ということにはならざるを得ないのですが、お口全体で考えると随分無理がなくなって来たことは実感しています。