福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

キシリトールはなぜ流行る?

2006-04-10 | 食のこと
当院の下(1階)はスーパーマーケットで、夕方4時頃になると診療室まで惣菜やさんの焼き魚の匂いが漂ってきます。焼き魚の匂いで、4時か?とか時刻を確認したりしています。昼休みなどに、ちょっとおやつコーナーを覗いたりすると、ガムをはじめとして、キシリトール入りおやつを結構見つけます。実は過去にもノンシュガー(人工甘味料)は種々あったわけで、ダイエット○○などの清涼飲料水の甘味のもとであるアスパルテームはカロリーゼロということもあって、むし歯菌も食わないというか、虫歯の原因はつくりません。基本的に炭酸飲料の炭酸ではむし歯はできませんので、コーラをはじめとする炭酸飲料好きには、私の予防レシピーとしては、まずレギュラー系からダイエット系に変えたらどうかと薦めています。
キシリトールはなぜ流行る?なぜ売れる?という答えは、甘いのにむし歯の原因にならないばかりか、むし歯予防になるという、他との違いではないでしょうか。初期のむし歯を元に戻す再石灰化の力、虫歯菌の数を減少させる力があるわけですが、実は1日5回くらい100%キシリトールガムを噛まないと有意差がでないそうです。
本家のフィンランドはむし歯が少ない国のひとつですが、幼児を持つ母親にキシリトールガムプログラムを行って、虫歯菌の母子感染がかなり減少し、結果子どものむし歯が減少しています。
通常ガムを噛む習慣がある人は何とかできそうなプログラムですが、保護者の虫歯菌を減らすには日常の丁寧な歯みがきや歯科医院での歯のクリーニングなどの方法もありますので、あえて1日5回のガム習慣をつけるようにしたものか? 理屈はわかるけど、ちょっと迷うところです。また、むし歯予防ということで、小さい子どもたちにキシリトール(ガム)を薦めたものか? キシリトールは砂糖に似た甘さがあるゆえに、他の甘いものも食べたがる、悪い意味でのHalo Effect (後光効果)の恐れがあるのではないでしょうか。キシリトールが出はじめの頃、小児歯科の虫歯予防では第1人者の岡山大学、下野教授とお話した折に、同様な意見をお持ちでしたのでほっとした記憶があります。
ちなみに、キシリトールはノンカロリーではなく、砂糖の75%のカロリーを持っていますのでお気をつけください。
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