福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯の質には個人差があるの?

2006-04-14 | むし歯予防の話
「私は歯の質が弱くって~」とか「歯医者さんから、歯の質が弱いようだからと言われました」とか、むし歯が多い場合に患者さんとの会話で出てくることがあります。見た感じで「歯の質が弱い」と判断できる歯医者さんはどんな人か興味があります。ちょっと怪しいかも。確かにエナメル質形成不全といって、部分的に白濁しており、歯の形成過程でエナメル質がうまく結晶化していない部分がみられるのは珍しいことではありません。単発的に発生し原因も不明なことが多く、その部分に限っては歯の質が弱いので、歯みがきを意識したりフッ素を塗ってむし歯リスクを下げるという方法で対処できます。
歯科業界の怠慢なのかもしれませんが、実は、歯の質の個人差があることを実証した論文はありません。個人差があるような気もしますが、証拠がないというのが現状です。もちろんフッ素を塗ることで歯の質は向上するわけですが。
現在わかっていることから判断すると、虫歯菌の多さ、唾液の量と質、歯並びや歯の形(かみ合わせ部分の溝の深さや、歯と歯の間がつまっているかなど)、フッ素の環境、もちろん食生活や歯みがき習慣などの個人差がむし歯の発生にかかわっていると考えられます。
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