福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯のクリーニング その2

2006-04-18 | むし歯予防の話
むし歯菌や歯周病菌が定着、繁殖、活動する歯の表面にはバイオフィルムという、菌にとってはベースとなる棲家みたいなものがあるのですが、歯のクリーニング、すなわちPMTCはこのバイオフィルムを除去してしまうわけです。バイオフィルムの存在、働きが分かってきたのは割と最近で、1990年代終わりです。バイオフィルムは時間とともに再生されて来ますが、元にもどるには時間がかかる。すなわちむし歯菌や歯周病菌が少ない状態が一定期間達成されるわけです。期間的には、臨床的経験から言うと1~3か月間位ではないでしょうか。
特に歯肉炎は、腫れた歯ぐきの中(歯周ポケット)に歯垢がたまっており、歯みがきで除去できにくい状況ですから、PMTCによって菌を除去し繁殖しにくい状況にすることで、治るきっかけが出来ると言えます。歯ぐきの腫れが軽くなると、より歯の生え際まで歯みがきでき、良い循環ができる。
歯科衛生士にも「PMTCはただのクリーニングじゃないよ。普通の歯の掃除だったら患者さん自身でできるわけで、患者さんが出来ない部分をクリーニングするのがプロよ。」と言っています。表面の着色、歯ぐきの中や歯と歯の間の歯石や歯垢をきれいにすることで、見た目にも、予防的にも良い状態が達成できる次第です。乳幼児の母親でむし歯が多い方には、子どもへのむし歯菌感染予防の面からも歯のクリーニングはお奨めしたいものです。
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