4歳になったばかりの患者さん。前歯が上下逆に噛みこんでいる反対咬合です。
治療に対する協力度がOKでしたので、早期治療を始めました。治療前はしっかり逆に噛みこんでいて、下顎が前方に誘導されている要因が大きいと判断されましたので、より早めの改善が望ましいパターンです。
下顎を後退させるとここまでずらすことができますので、噛みこむと、機能的に下顎が前方に誘導されているわけです。
斜め横から見てもがっつり逆ですが、上の前歯が内側に傾斜して、歯の傾斜の要素が含まれています。
ムーシールドというチョイスもありますが、上の前歯を前方傾斜したほうが良いので、前歯を裏側から押し出す、リンガルアーチという固定装置を使用しました。ムーシールドと比べ、必然的に使用時間が長くなるので、適応症であれば早く治癒します。
5か月でしっかり治癒して噛み合わせも安定していましたが、もう2か月固定して、7か月後に装置を外したところです。
しっかり噛み合わせの深さがありますので、乳歯の時代は安定して経過するでしょう。下顎も安定すべき位置に動いたと思われます。下の前歯間のスペースは閉じてきていますが、上の前歯の位置が改善することで、下は内側に傾斜した要素があることがわかります。
反対咬合の場合、永久歯との生え変わり、思春期成長期のもう2つのチェック時期が必要です。早期治療は有効ですが、それでお終いと考えないほうが無難でしょう。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam