福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

永久歯の欠如

2014-02-04 | 口の中の問題

もうすぐ9歳になる患者さん。下の犬歯の生え始めで、乳歯が抜けないで残っているということで来院されました。
乳歯と永久歯の生え変わりと言うのは、5歳~12歳くらいの時期に見られるわけですが、どんどん生え変わるわけではありません。前歯が生え変わる時期、3、、4番目(乳犬歯と第1乳臼歯)が生え変わる時期、最後の5番目(第2乳臼歯)が生え変わってすべて永久歯になる時期の3つがあって、3つの時期の間には中休みが1年半前後あります。
この患者さんの場合、犬歯が出てくる時期なのに、まだ上の2番目(乳側切歯)が生え変わっていません。こう言う場合はX線でのチェックが適切です。
結果、やはり予測どおりでした。




ご本人の右上側切歯のサイズが小さく(矮小歯)、根の形成も遅いので、生え代わりが遅いのは頷けます。
そのまま経過観察で待てばOKです。




左上は側切歯が先天的に欠如していて、永久歯の犬歯がやや早めに出てきそうです。
出てくるときに乳側切歯は脱落しそうですが、元来抜けるべき乳犬歯が残存する可能性ありです。
上の側切歯が先天的に欠如するのはそれほど珍しくありません。他の歯の欠如より遺伝的要因が大きいようです。ちなみに、矮小歯は正常と先天欠如の中間型と言えます。
歯の欠如がある場合、将来的に永久歯の歯並び、噛み合わせはどうなるの? と心配なところではありますが、欠如の場所や本数、永久歯の大きさなど患者さんによって、いつどのような介入治療をするのが望ましいか異なります。歯科医師としては、この時点で「とりあえず様子を見ましょう」というのではなく、どの時期にどのような評価をして、それぞれの評価によって将来的にはどのようになるか、という見通しをお話して安心してもらうことと考えています。
皆さんご存知、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔のすきっ歯はこの欠如が原因です。上の前歯のズレ具合からすると、両側欠如でなく本人の左上側切歯の欠如と思われます。反対側の側切歯の色が不自然なので、多分矮小歯で尖っていた形態を治療で形態修正したのでしょう。





ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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