福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

私も同じです

2012-05-11 | 歯並び、矯正の話

今日は診療に余裕があったので、合間に矯正関係の本をいくつか読み返しました。
この時期は子どもたちは運動会など新年の行事が多く、新しい学年、新しい学校に慣れる時期でもありますので、何かと余裕がない時ではないかと思います。
それはさておいて、この両方の本は、内容が私の考え方と近いので、やっぱりそうだよな~とか、頷きながら読んでいます。歯列咬合の分野は、ある程度専門的に行っている歯科医師の基本的考え方は近いとは思いますが、細かいところになるとどのような教育を受けたか、どのような臨床経験があるかでこだわりがあったりします。もうひとつは一般の成人歯科を中心に行っている歯科医との差が大きい、ということだと思います。
子どもの不正咬合の著者、井上先生は矯正専門医ですが、発育途上での小児の歯並び噛み合わせに対する考え方が、小児歯科をルーツに矯正歯科を行っている私と、非常に近いんです。
また、JET system の著者成田先生はもちろん矯正専門医で、永久歯の全体矯正の治療システム中心の内容です。矯正料金はさておいて、あまり痛くなく速く治ります。それができるための最新のよい材料やシステムを使っていますが、その利点を利用したコンセプトはなかなか参考になりますし、当院のようなエコノミー矯正でもいろいろ工夫して近づけたいものです。
速く治るということは、その後の後戻りの問題もどうかと思いますので、とにかく速いのがいいとは思いませんが、さっさと治ると、治療を行っている側としても気持のいいものではあります。









下の前歯が生え変わる時に、永久歯が後ろ側から出て乳歯と並ぶことが時々あります。永久歯と並んでも乳歯の根は結構溶けていることが多いので、通常そのまま放置していても乳歯が脱落し、永久歯がよい場所に自然に移動します。
教科書的には乳歯を抜きなさいと記述してありますし、抜く歯科医も多いようですが、抜かずに経過を観ることで自然にうまくいくことがほとんどです。
手遅れにならない範囲で経過をしっかり観ると、本当に必要なこと不要なことが見えてきますので、歯科医が得られる情報も大きいものです。井上先生に賛成です。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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虫歯リスクテスト

2012-05-11 | むし歯予防の話

虫歯リスクテストには数種類あるのですが、歴史も長く信頼性も高いカリオスタットという製品があります。歯を溶かす原因になる酸をつくる細菌の多い少ないを判別するものです。この検査は以前導入していたのですが、細菌培養に24時間または48時間かかるため、患者さんの来院時に説明ができないので不便がありました。
今回新たに導入したCAT21ファストという製品は、唾液中に出てくる虫歯原因菌を検出するものです。培養時間が20分と短くて済むので、実用性が高いというメリットありです。
カリオスタットは綿棒で歯垢をとって培養しますので乳幼児でも問題なくできますが、CAT21は唾液を一定量採らねばならないので、3歳以上位が対象になるのではないでしょうか。3歳弱で虫歯菌の感染は一旦終わりますので、その後の虫歯リスクを知るということで有意義ではないでしょうか。
では虫歯リスクが高かったらどうしようもないの? というと、そういうことではありません。歯磨き、フッ素、シーラント、フロスなど対抗策を講じればいいわけです。一方で、虫歯リスクが低いという結果が出たからといって安心しないように。虫歯菌がいないわけではありませんので、甘いもののダラダラ食べなどは要注意です。
随分前ですが、大学在籍時代に、1歳半と3歳児健診間の虫歯の増え方に関する要因を研究したことがあるのですが、虫歯増加で関連性が大きいものに、母親の虫歯リスク検査の結果が出てきました。その時代は単に関連ということでしたが、今振り返ってみると、母親から子どもへの虫歯菌の感染を実証していたわけです。






20分培養後の、色変化で虫歯リスクが判別できます。






ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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