福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

学校健診

2012-05-15 | 口の中の問題

今日の午前中、校医をしている平尾小学校に、歯科衛生士のDさんと一緒に歯科健診に出かけました。ここは児童数が増加傾向で、6学年で1000名近く。中央区の小学校では、最も児童数が多いと思います。8名の歯科医で分担して健診しました。
健診のチェック項目のなかで歯磨き状態は気になるところですが、低学年では保護者の方が仕上げ磨きやチェックをされているんでしょう。割とよい状態でした。むしろ高学年になると磨けていない児童が増えます。虫歯だけではなく、歯ぐきの腫れすなわち歯肉炎、そして歯石が気になります。虫歯に関しては生え換わって間もない永久歯が多いので、6歳臼歯を除いてこの時期虫歯は多くないのですが、小学校終わりから中学にかけて虫歯も増加します。
歯並び噛み合わせについては、永久歯への交換途上ですので自然に改善するものもある一方で、早期治療したら簡単なのに~、と思われる場合もあります。
虫歯、歯肉炎、歯並び噛み合わせに関して、集団健診ではとりあえず指摘のみに留まります。
したがって、治療勧告のレベルまでなくても、歯科医院にて詳しく調べてもらったり、説明を受ける、予防可能なものは処置や指導を受けるなど、個人管理を受けていただくことをお勧めします。





乳歯奥歯間の虫歯チェックのX線です。通常の健診では全く分かりませんが、奥歯間のフロスが引っかかるようなのでX線チェックしました。
真ん中の歯(第1乳臼歯)の右側、歯間が欠けてさらに中が黒く透けて映っていますがこれが虫歯の広がりです。神経に至るくらいの大きい虫歯ですが、内部で広がるので通常の健診では分かりません。





この患者さんは歯間が欠けて見える状態まで虫歯が進んでいます。X線真ん中の歯は、歯のはえ際付近の歯ぐきが腫れています。
虫歯菌が神経血管部分にまで感染して、根の分かれ目部分に炎症像が発生しています。X線が透過して黒っぽく見える部分ですね。
永久歯で根の部分まで悪くなると根の先の部分に炎症が見られますので、根の先の相当部の歯ぐきが腫れますが、乳歯はこのX線のパターンが多いです。根の治療が必要なわけですが、直接アプローチできないので、治りにくいのが常です。下に永久歯も控えていますので、虫歯がここまでなるとやっかいです。小児の場合は痛み症状がはっきりしないので、発見が遅れがちです。
歯間虫歯は歯磨きだけでは予防できず、フロスやフッ素の使用がポイントですので、繰り返しになりますが、やはり個人管理でチェック、予防指導や処置が重要と感じます。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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