福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

市販の高濃度フッ素歯磨き

2022-03-27 | フッ素について

歯磨き剤は、現在ではほとんどがフッ素含有で、虫歯予防では最も大きい役割をしています。
高濃度フッ素入りと表記されている製品も増えてきていて、小学生以上くらいではお勧めです。
歯磨き後、口腔内にフッ素をしばらく残すのが重要なので、うがいはせずに吐き出す程度か、少量の水で1回うがいという使い方が適切です。
ジェルタイプの方が研磨剤発泡剤が含まれていないので、うがいをしないという不快感は少ないと思いますが、製品は限られています。
スーパーやドラッグストアー購入できる、高濃度フッ素入り歯磨き剤を紹介します。
歯科業界でも歯科専売品は知っていても、市販品は意外と知らないこともあるので、一般または業界かかわらず参考にしていただければと思います。


   

  


よく聞くブランドの上位バージョンで、EXとかプレミアとかプロとか付いてます。
お値段もやや高めですが、コスパを考えると購入する価値ありです。
シュミテクトは知覚過敏用というイメージがありますが、フッ素は知覚過敏を緩和できる成分の一つでもあり、高濃度フッ素配合です。

  




全てフッ素含有は1450ppmの高濃度。
ペーストは歯ブラシの植毛部の長さほど出して下さい。あまり少ないと、泡立ちは減ってもフッ素の効果も落ちます。
これが令和の歯磨きの常識ですね(業界的には21世紀の常識です)。
実は、日本での20世紀の業界常識と真逆なんです。



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高濃度のフッ素

2022-03-16 | フッ素について

最近は、フッ素入り歯磨きやフッ素ジェルの濃度が高い製品も認可され、日本では1500ppm未満ということで、1450ppmの製品も市販されています。
諸外国では、もっと高濃度の製品やフッ素うがい液もドラッグストアで普通に購入できましたので、数十年遅れということになります。




左2つは市販のフッ素ジェルとフッ素入り歯磨き剤で、いずれも1450ppm含有。
右2つは歯科医院専売で対応しています。
専売品の方が、フッ素の吸着性能が改良される成分等が入っているため、若干割高ではあります。




こちらは、歯科医院でのみ塗布できる高濃度フッ素。
濃度はすべて9000ppmで、数か月(平均的虫歯リスクだと、3か月間隔くらい)に1回ほどの塗布でOKです。
泡状とジェル状の製品です。
同じ高濃度でも、家庭用と歯科医院用ではレベルが違って、フッ素が働くメカニズムも異なります。
こちらの方が、効果持続性があります。
定期健診で塗布してもらい、毎日の歯磨きでフッ素入り製品を使うというコラボがスタンダードです。
初期虫歯には、家庭用フッ素製品を毎日使う方が効果的なので、地道に使用することです。



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市販のフッ素入り歯磨き

2022-02-27 | フッ素について

当院の隣は大きなドラッグストアーで、歯磨き歯ブラシコーナーは時々市場調査という感じでチェックしています。
当院でも歯科専売の歯磨きジェル、歯ブラシ、フロスなどは揃えていますが、患者さんは市販品から購入する場合も多いと思います。
予防指導をする際に、特に虫歯予防では適切なフッ素製品の使用がKEYになります。
その分、指導する歯科衛生士、歯科医師側は市販品も含めての知識が必要になります。





今日、スーパーで日用品買い物のついでに歯磨き剤コーナーを覗いてみて、患者さん説明用サンプルに、クリニカブランドを2種類購入しました。
左は小児用のクリニカキッズ歯磨き。クリニカキッズはフッ素ジェルタイプもあって、これは市販品の中ではおすすめです。
クリニカキッズはいずれも900ppm以上のフッ素含有なので、しっかりした虫歯予防効果があります。
ジェルの方が発泡がないので、フッ素を残すために、歯磨き後のうがい控えめというのが実行しやすいですね。
右がクリニカアドバンテージでやや割高な分、フッ素濃度は1450ppmで、いわゆる高濃度フッ素です。パッケージの表裏に濃度も明記されています。
こちらは小学校以上の年齢が対象です。
これもジェルバージョンがありますが、キッズジェルも含め、販売しているところは限られているようです。
いずれもライオンの製品で、歯科医院専売のチェックアップブランドもライオンですから、近似していると思います。
両方とも歯磨き剤で発泡剤、研磨剤含有ですが、フッ素は有効濃度入っているので、うがいをしないか控えめという使用がより虫歯予防効果を高めます。
割とどこでも購入できる、フッ素入り歯磨きの紹介でした。




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歯磨き剤のフッ素を残す

2022-02-21 | フッ素について

世界の虫歯減少に最も影響があったのは、フッ素入り歯磨きの普及、というデータがあります。
もちろん水道水に薄い濃度のフッ化ナトリウムを入れる、水道水のフッ素化が行われている国や地域では、さらに虫歯減少率は大きいですね。





歯科医院専売の予防製品が多いライオンからのチラシ。
右側はライオンのフッ素入り歯磨きの歴史が説明されていますが、日本初のフッ素入り歯磨きは1948年だそうです。
最近は日本でも、ほぼ全部の製品がフッ素入りですが、他国に遅れて21世紀になってやっと普及したという歴史があります。
チラシの製品は高濃度フッ素(1450ppm)含有の製品で、当院では小学校後半頃からお勧めしています。
因みに3歳未満では500ppm、以降では950ppm程が、一般的です。
歯磨き剤でもフッ素ジェルでも、歯磨きの後にうがいをしないか控え目、というのが虫歯予防効果ではポイントです。
量的にあまり少ないと、フッ素の効果が減弱します。
もともと、ライオンの歯科医院専売のフッ素ジェルや歯磨き剤には、カチオン化セルロースという成分配合で、フッ化物が流れにくくなっています。
加えて、今回の改良版ではリンとカルシウム(エナメル質の主成分)配合で、さらにフッ素の定着が向上するとのこと。
製品の使い方ももちろん重要ですが、成分で停滞効果が増強され、結果、さらに虫歯予防効果が期待できます。



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虫歯予防効果、ナンバーワン

2022-02-02 | フッ素について

過去の臨床的および基礎的研究データから、虫歯予防に最も効果的なのは、水道水のフッ素化(1ppm)とフッ素うがい(225~450ppm)です。
虫歯予防率は両方が同率1位です。
日本では水道水のフッ素化はされていませんので、学校ベースで集団でフッ素うがいを実施しているところはあります。
九州では佐賀、熊本、長崎などの小学校ではかなり実施されており、効果が出ています。
フッ素うがいは個人で行うとなると、歯磨き習慣にプラスのものになり、実施率がどうかな?というところがあります。
なので、当院では歯磨きにフッ素ジェル(500ppm~1450ppmを年齢に応じて)を使用してもらい、うがいをしないか少量の水で1回、という方法をお勧めしています。




これは歯科専売のうがい用フッ素の1製品です。
濃度が450ppmで、通常2倍に薄めてうがいします。
うがいの後は吐き出すのが原則ですので、小学生以上くらいの年齢が対象です。
量的には付属のキャップの半分までで、5~10mlです。
最近はドラッグストアで同等品が購入できますが、歯磨きフッ素ジェルと比べ結構割高です。
市販品は225ppmで、薄めずに使用できる分さらに割高感ありますね。
歯磨きジェルの味がイヤな場合、歯科専売ではほとんど味のないフッ素うがいもありますので、一つの選択肢と思います。
価格的には歯科専売の方がリーズナブルで、学校での集団フッ素うがいでは、フッ化ナトリウムを水で薄めて使用しますので、無味無臭です。
とにかく、何らかの形でフッ素を使用することが虫歯予防のポイントです。


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歯磨き剤のフッ素濃度

2021-08-03 | フッ素について

歯磨き剤使用のメインの効果は、フッ化物含有による虫歯予防効果です。
歯磨き剤を使用せずに丁寧に磨くより、磨きは適当でも、歯磨き剤使用でフッ素による予防効果の方が大きいとも言えます。
歯磨き剤はある程度以上の量を使うこと、歯磨き後はうがいをしないか、少量の水で1回に控えることで、有効性が高まります。
歯科医院専売の歯磨き剤はフッ素濃度が明記されていて分かりやすいのですが、市販品を使用している患者さんもいますので、適切な歯磨き剤を使用するよう指導することは重要です。
最近は、特に成人用で1450ppm含有の市販品も増えています。小学生以上でかつ虫歯リスク高めの患者さんにはおすすめです。




若干お値段高めですが、上の製品は1450ppm含有の市販品です。他にもいくらかあるようです。



この辺りは、平均的な950ppm含有で、一番出回っていますね。
フッ素濃度に関しては3歳以上くらいではオススメですが、味がミント系が多いので、小児用のグレープ味などの950ppm含有が使いやすいかと思います。



上の製品は、フッ素なしで成人用が多いと思います。
虫歯予防効果(フッ素含有量)と製品価格は必ずしも比例していません。
皆が通常使う市販の歯磨き剤は、ほとんど有効なフッ素濃度含有ですが、乳幼児用で不充分な製品がありますのでご注意を。




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市販のフッ素ジェルは効果があるか?

2021-06-05 | フッ素について

当院では、ほとんどの患者さんに家庭でのフッ素ジェル使用をお勧めしています。
虫歯予防のキモはフッ化物使用なので、毎日のフッ素供給は重要です。
歯の質を強くするだけでなく、初期むし歯の再石灰化を促すという、有難い効果があります。
歯科医院専売のフッ素ジェル、歯磨き剤はフッ素濃度を明記してあるので、年齢に応じた製品をお勧めしています。
市販品では濃度を明記してないものがほとんどで、フッ素入りと書いてあっても、実は有効濃度に満たないものもあります。
特にフッ素ジェルがそのような製品が多いようです。





この製品は泡状で、フッ素濃度が明記されていますが、100ppmでは虫歯予防効果は期待できません。
低年齢でも、少なくとも500ppm以上は必要です。




こちらはいわゆる歯磨きジェルで低年齢をターゲットにしているようです。
これも100ppmで予防効果は期待できません。



同じメーカでも、このフッ素ジェルは少し上の年齢対象で、フッ素は500ppm。
低年齢であれば500ppmでOKです。




こちらは違うメーカーのフッ素ジェルで、いくつかフレーバーがあります。
こちらは500ppmなので、OKです。
3歳以上くらいでは1000ppm、小学生以上では1450ppmほどが適切な濃度です。
通常の歯磨き剤と比較して、フッ素ジェルでは有効濃度含有の製品は少ないですね。
今回は低年齢児用のフッ素ジェルを紹介しましたので、参考に頂ければと思います。
因みに、ジェルで歯磨き後にうがいは控えるか1回軽く行って、口の中に一定時間フッ素を残すことがポイントです。
このことはフッ素入り歯磨き剤でも同様ですが、ジェルの方が研磨剤発泡剤含まないので、違和感少な目です。



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家庭でのフッ化物使用 オススメ

2020-03-01 | フッ素について

前々回のブログでも書いていますが、フッ素は虫歯予防では強い味方です。
歯周病と比べて、ここまで虫歯が減少してきているのは、日本では21世記になって、フッ素製品の普及や国民の認識が進んだことによるものでしょう。



家庭での毎日のフッ素ジェルの使用が、最も簡単で現実的に実行しやすい方法と思います。
左は1450ppm(日本では上限の濃度)、右は最も一般的な950ppmのフッ素ジェル。
950ppmの製品は子どもを対象にしているため、色んな味やフレーバーがあります。
最近医院で購入した製品に、小さいカップが付いてきました。
フッ素ジェル使用後は、うがいは1回のみ少量の水(多くて15ml)で30秒ほどブクブクうがいという、イエテボリ法に準じた使い方をして下さい、ということです。
もちろん、ジェル使用後は唾液を吐き出すのみでうがいはしないでも全くOKです。どちらか実行できる方で大丈夫です。
家庭用低濃度フッ素の毎日使用は、特に初期虫歯の再石灰化効果が大きいことがわかっています。
中高生で虫歯リスクが高いのではと思われる患者さんには、1450ppmのフッ素ジェルの使用を勧めています。

新型コロナウイルス感染防止のため、福岡市でも3月から学校は休みに入ります。
来院予約を先延べしますという連絡の一方で、学校休みのため午前中からでも来院できますという連絡もあります。各ご家庭の事情も様々でしょうね。
歯科は患者さんからのHIVや肝炎ウィルスの感染リスクがある分野ですので、早い時期からユニバーサルプリコーション(すべての患者さんが感染者という前提で対処する)という考え方が普及しています。
当院でも、歯を削ったりクリーニングする折には飛沫による目からの感染予防で、必ずゴーグルを使用しています。
このような歯科医や歯科衛生士自身の感染予防もですが、歯科が患者さんから患者さんへの感染をさせる場にならないように、器具の消毒滅菌や患者さんごとに手袋を交換するというのが常識になっているわけです。




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フッ素洗口のむし歯予防効果

2019-06-09 | フッ素について

先日デンタルショーでフッ化物の講演会を受講し、アンケートを記載していたところ、フッ化物洗口のブックレットが送って来ました。
虫歯予防には、何よりフッ化物の有効利用が効果的なのですが、簡単で効果的なのはフロリデーションといって1ppm程度のフッ素を水道水に入れる方法です。
歯磨き剤のフッ素濃度は1000ppm位が多いので、1ppmは非常に低濃度ですが、むし歯は半減します。
フロリデーションとほぼ同等の効果が期待できるのは、通常225ppmのフッ化ナトリウム水溶液(5〜10ml)で毎日30秒ほどブクブクうがいをするフッ素洗口です。



 

九州で言えば、佐賀県、熊本県の小学校では、ほぼ100%学校でのフッ素洗口が実施され、特に佐賀県では全国むし歯率ワースト2からむし歯が少ないベスト2に改善しました。
ちなみに福岡県ではまだまだです。
5歳以上くらいですと、家庭でも保護者の管理下でフッ素洗口はできるわけで、当院でもいくつか製品は用意しています。
ただ現実的には歯磨きに加えてということで、毎日行う習慣化が難しい部分もあります。学校のように、集団で行うという方が実施されやすいですね。
当院では、歯磨き時のフッ素ジェルの方が取り入れやすいと考え、ほとんどの患者さんにはフッ素ジェル使用をお勧めしています。
ただし、中学高校生くらいでむし歯ハイリスク、歯磨きもイマイチという患者さんには、フッ素洗口という選択肢もあると考えています。
ポイントはどの方法が患者さんの日常で習慣化できるか? というところです。細かい歯磨きは面倒くさくてなかなか、という患者さんで30秒のうがいだったらOKもありかも知れません。
甘味食品や飲料の摂取なども含め、どの方法が患者さんに実行可能か提案することもプロの役割と考えます。
何しろ、多分一生で最もむし歯リスクが高くなる中高生は、面倒くさい、というのがベースにあることを前提に付き合うことでしょう。
むし歯のみでなく、歯周病も含めた予防歯科を考えると、なかなか悩ましい年齢。





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歯みがき剤のフッ素濃度

2019-05-29 | フッ素について

昨年中ごろですが、歯磨き剤や歯磨きジェルに含むフッ化物濃度の上限が1000ppmから1500ppmに引き上げられました。
先日のデンタルショーでも結構関連製品が登場してきています。諸外国では数十年前から認可されていますので、日本ではやっとと言う感じですね。
1000ppmの製品と比べて虫歯予防効果は数割アップしますので、特に永久歯の虫歯予防ではハイリスクの患者さん、思春期以降の患者さんでは、家庭での使用を奨めたいところです。




これはデンタルショーでもらった製品サンプルで、歯科医院専売の製品には、フッ化物濃度が1450ppmと明記されています。
市販品でも同様の製品があって、アピールしたいというメーカー側の作戦もあるでしょう、フッ素濃度が記載されています。
これらに比べて、市販の従来の製品にはフッ化物濃度が明記されていません。
通常の歯磨き剤は、フッ素入りの場合500ppm以上のものがほとんどですが、フッ素ジェルの場合さらに濃度が低いものもあって、これらはフッ素の予防効果は期待できません。
歯みがきの時に歯磨き剤や歯磨きジェル使用後のうがいをしないか、しても少量の水でうがい、というのが効果的な使い方です。
ジェルのほうが低発泡性、低研磨性なので馴染みやすくお勧めなのですが、フッ素濃度低めの製品もあるので、要チェックです。
ある程度以上のフッ素濃度の歯磨き剤、歯磨きジェルの使用で虫歯が減少すること、うがいを控えめにすることでより予防効果が高まることは、すでに20世紀の
研究で明らかになっています。また、ジェルの量はあまり少なめですと効果がありません。
日本でもこのような方法が定着して常識になると良いですね。





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