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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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チャイルド44(トム・ロブ・スミス)覚書

2008-11-24 | 
これも映画化されるそうです。しかもリドリー・スコット監督によって。
リドリー・スコット監督と言えば「アメリカンギャングスター」「テルマ&ルイーズ」は最高だった。「白い嵐」も好きだった。
ほかに有名なところでは「ハンニバル」「グラディエーター」も彼の監督作品だ。


で、「チャイルド44」はなかなかの問題作です。
1978年から90年にかけてソ連で起こった連続少年少女殺人事件(アンドレイ・チカロー事件)をもとに、舞台を50年代に戻してソ連共産主義の厳しさを強調しています。
すでに20カ国以上で翻訳されているにもかかわらず、未だにロシアでは発禁書。

共産国ソ連は理想の国。犯罪なんて存在しない。
そんな建前によって、事件が起こっても早めに犯人をあげてけりをつけようとしてしまう。そしてそれは隣近所の告発によっている。

この告発システムって本当に怖い。
他人を告発すれば自分の生活待遇がよくなり、告発されるとおそらく命はない。
首都モスクワあたりでは、特にすさまじい。
当然、ねたみ、恨み、都合といろんな感情や事情がからみ、それが真実かどうかなんて二の次だ。
告発されないように疑われないように、人々は息をひそめるように暮らしている。

そんな中、主人公は、子供の殺人事件の真実を突き止めたいと思い立つ(絶えず行動を監視されている中で勝手にあちこち動くのは告発の的になりかねず、このことは命がけの行動だ)、やがて鉄道沿いの各地で子供の殺人が同じような手口で多発していることをつかむ。

上巻では、じわじわねちねちとそして一見関連がないような話も・・・
だが下巻に移るころから物語の展開は加速度を増してゆきます。
そして
なんと皮肉な結末・・・。

展開のおもしろさはピカイチで、まさに映画化するためにあるような本。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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わぁ~。 (よの字)
2008-11-25 17:00:24
内容が気になるわぁ~。
皮肉な展開って・・・
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よの字さん、おかえりなさい (やく)
2008-11-26 14:11:51
ふだん、残酷そうなものは読まないんですけど、なかなかおもしろかったです。

皮肉な結末は、そうですねえ・・・
愛情に飢えていた彼(?)の仕業、ハードな社会派物語の中でちょっと意外な結末でした。
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