漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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糖尿病その1・最近の選択肢

2009-07-14 | 老化・血流
薬剤師を対象とした病院医師による研修会にて

一昔前まではインスリン注射は最後の手段、というイメージで、
インスリンの自己注射(ジコチュー)は嫌がられたものです。
なんせ、毎食前および寝る前と、しょっちゅう注射をしなければならず、
仕事をしている人は職場でもおこなう必要があり、こっそり隠れて
おなかに注射針を立てる姿は、周りの理解がないと大変です。

しかし、
最近の治療では、早い段階から注射によるインスリン補充を行い、
その間に膵臓を休ませ消耗を防ぐというやり方が主流になりつつあります。

つまり、治療順位は、
1)食事療法
2)インスリン注射
3)食後血糖値を抑える(αグルコシダーゼ阻害剤)
4)高脂血症の対策
5)食欲を落とす対策

というわけで、
もしも職場の仲間が糖尿病で自己注していたら、
寛容な姿勢でみてあげてください。


インスリンの働き

1)血糖を下げる
2)脂肪分解酵素(リパーゼ)をつくる(⇒中性脂肪を抑える)
3)タンパク質や核酸の合成促進(⇒傷の治りを促す)
4)白血球の働きを高める(⇒免疫たとえばカゼなどの感染症やガンに対する抵抗力)

つまり、インスリンの分泌力が低下すると、
血糖値が高くなるだけでなく、中性脂肪も多くなるし、傷などの治りが悪くなるし、免疫力も低下してほかの病気にもかかりやすくなる。。。となかなか厄介なのです。 


糖尿病の合併症

糖尿病そのものは痛くもかゆくもないのが問題で、知らないうちに《合併症》が進行してしまいます。
微小血管の障害による腎不全、網膜症
神経障害によるこむらがえり、しびれ、インポテンツ
大きな血管では動脈硬化が進みます。

糖尿病が境界型であっても、コレステロール値が高いと心筋梗塞による死亡率がとても高くなる傾向があります。
また、HbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)の値が良好でも食後血糖値が高いとやはり心臓死の割合が高いそうです。

経口糖尿病薬には、食後血糖値の上昇を阻止するものをはじめとして作用する部位によって何種類もあるので、数種類を組み合わせた処方が多いです。

次回は生活習慣の改善についてです。