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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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愛を読むひと(映画)

2009-06-23 | 映画
「愛を読むひと」、題名がいいです。
ケイト・ウィンスレットは最優秀主演女優賞を獲得したし、
スティーヴン・ダルドリー監督は、「めぐり合う時間たち」
「リトル・ダンサー」と大好きな作品を作ってるしで、
期待が大きくなりすぎてしまったかもしれません。

そのせいか印象としては、いまいち。。。って感じでしょうか。

ケイトの演技も、「レボリューショナリー・ロード」のほうが
役柄もぴったりしていて数段良かったような気がしました。

      

文盲の女性ハンナが
若い若い男性マイケルに、肌を合わせながら物語を読み聞かせてもらう。
文盲だということを彼に明かすことなく・・・
彼女にとってそれはこの上なく幸せな時間だったと思います。

律儀な性格。文盲。ドイツに生まれ、戦争があった。
結局そんなことだけでハンナの人生は狂わされてしまうのです。

仕事を求めて、
ナチのユダヤ人収容所の看守という仕事を選んでしまったハンナ。
(おっと、ネタばれです)
その時そこになんの悪気もありません。
たぶん字を書くことがない仕事を探してのことだったのでしょう。

のちの裁判での受け答えの中でも、彼女の素直で律儀な性格がわかります。

自分に邪悪な気持ちなんてこれっぽっちもない、精一杯やってきたのに、
それが最悪な事態を招いてしまった、歴史の流れに翻弄された
悲しく逃れようのない事実。

投獄されてから字を覚え、そして出所が決まったゆえに死を選択したハンナ。

いまとなっては、
「どんな生き方をしようとどんな考え方をしようと、死んでしまった人は戻ってこない」
彼女にとってできることは、字を覚えることと死を選択することだけだったんじゃないでしょうか。

そうしようと思ったわけでもないのに、
まるでかげろうのような、はかない人生


★★★☆きっと原作本は優れているのだろうと思います。

監督スティーヴン・ダルドリー
原作ベルンハルト・シュリンク
出演
ケイト・ウィンスレット
レイフ・ファインズ
デヴィッド・クロス
レナ・オリン
ブルーノ・ガンツ