真夜中に海がやってきた 2012-06-23 23:26:08 | 本 『真夜中に海がやってきた』 スティーヴ・エリクソン ☆☆☆☆☆ これはエリクソンが『アムニジアスコープ』の後に発表した長編小説である。いつもの混沌としたエリクソンの世界には違いないが、『黒い時計の旅』あたりで特徴的だったノワール映画的な暴力的な要素は後退し、瞑想的で儚げなムードが全体を覆っている。スナッフ・ビデオ(つまり本物の殺人を映したビデオ)のエピソードなどは出てくるものの、むしろその . . . 本文を読む