江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

哀悼

2024-05-05 23:44:56 | 劇評・他
唐十郎さんが亡くなられた。

私は結城座に入って2年目、
唐さんの作品「少女仮面」で”ボーイ2”の役に大抜擢
ところが台本を読んでみると、登・退場しか書いてなくて
そこで何をすればよいのか、台詞もなく分からない。
悩んだ。
ともかく思いついたことをやった。
演出の佐藤信さんや師匠の手助けもあって
何とか千秋楽を迎えた。
その千秋楽に、唐さんが来た。
そして、打ち上げ。
唐さんはとても機嫌よく酔っていった。
そこで若手だけで歌えという。
もちろん「少女仮面」の挿入歌

時はゆくゆく
乙女は婆に
それでも時が行くのなら
婆は乙女になるのだろうか

凄い詩だと思う。
手元に資料がなく、しかも記憶が覚束なく
間違っていたら申し訳ない。

歌い終わると、
唐さんは、歌い方が違うという。
こう歌うんだ
と唐さん、歌いだした。
味があるといえば、あるかもしれない、
でもその時私は、違いが分からなかった。
今もわからない。
でも、その時の情景は今も残っている。
何かが、そう何かが私の中に残ったのだろう。

唐さん、有難うございます。
安らかにお休みください。
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