江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

児童書

2013-09-23 23:21:21 | 劇評・他
最近小説を読まなくなったが、児童書や絵本は尚のこと読んでいない。
そこに眼に飛び込んできたのは、神宮輝夫という訳者の記事。
アーサー・ランサム著「海へ出るつもりじゃなかった」(岩波少年文庫)

神宮氏が同じ著者の別の作品を読んだ感想を
「生活苦や反戦平和がにじむ日本の児童文学とは全然違っていたが、
非常に面白かった」

この言葉に私は魅かれた。
日本で芸術作品と呼ばれるもの、必ず何らかの「意味」や「意義」が求められる。
私は常に、そのことへ違和感を覚えてきた。
「意味」や「意義」、テーマを持つことを否定しているのではない。
ただそればかりだと、息苦しくならない?
芸術そのものが息苦しいものにならないかと思ってしまうのだ。

あるプレゼンテーションに出席したとき、
テーマのオンパレードで、ちょっと嫌気が差したので、
「私のは何のテーマもない、他愛のない作品です」と
つい口を衝いて出てしまった。

本題に戻すと
この記事に誘われて読んだのだが、実に面白かった。
兄弟姉妹4人が小型帆船に乗り、
お母さんと「海に出ない」約束したのに、それを破って、
と言ってもそこで兄弟間の葛藤があったり、
海で嵐に遭遇してしまい、それを乗り切るやり取りとか、
その辺りになると息も付かせず読ませてくれる。
ヨットのことなんか知らなくても面白いのだ。

とても気持ちの良い作品だった。
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