どるち & えこう の 『美術館・博物館めぐり』 & 『美味しいもの』日記なのだ

プレーリードッグのぬいぐるみの『どるち』と 飼い主?の『えこう』が書く 美術館・博物館や 飲食店の感想なのだ

『没後40年 髙島野十郎展-光と闇、魂の軌跡@目黒区美術館』なのだ

2016年05月20日 | アート【展覧会 & 常設】(~2022年)

<らーめん改>でランチをしたぼくらわ 目黒区美術館に移動して 6月5日まで開催している<没後40年 髙島野十郎展-光と闇、魂の軌跡>を見たのだ



ぼくが気になった作品なのだ

<蠟燭>の連作が1つの展示室に展示していて圧巻だったのだ

闇を照らす蝋燭から 明るい部屋の蝋燭など18点も展示して いろいろ見ていると 半分以上(11点)の作品で 炎の輪郭線が赤で描かれていたのだ

どれも素晴らしかったけど 明るい蝋燭の久留米市所蔵の<no.138>と 暗がりを照らす 個人像でキャンバスに描かれた<no.133>がいいのだ

1階にも 1点別に展示してあったのだ



<けし>なのだ(※<no.17>の方なのだ)

血を吸ったかのような 赤い花を咲かせているのだ

茎がニョロニョロと天へと伸びるさまと 妖しく官能的に思える芥子の花わ 野十郎が誰かを 芥子の花に見立てて 擬人化させて描いたように思えたのだ


<からすうり>なのだ

丸々と実ったカラスウリの実を付けた蔓が 画面上から 滝のように流れるように垂れているのだ

葉わ 枯れ 丸々とした実が 次世代へのつながりを感じたし 見れば見るほど 画面に惹きつけられてしまうのだ

あと 隣に展示していた同じような作品で 青々とした葉を付けた<葡萄>わ 対の作品のように思えたのだ


念願だった<蠟燭>の連作をたくさん見れた それに尽きると思うのだ

こんなにたくさんの蝋燭の連作わ きっと あと10年くらいわ 見ることもないだろうし 連作を見るだけでも この展覧会に行く価値があると思うし オススメの展覧会だと思うのだ  



ここから先わ 展覧会の詳細と えこうの感想を載せるのだ

目黒区美術館 <没後40年 髙島野十郎展-光と闇、魂の軌跡> 6月5日(日)まで

http://mmat.jp/exhibition/archives/ex160409

公式サイト
http://www.tnc.co.jp/takashimayajuro40/




展示構成

第一章 初期作品 理想に燃えて

第二章 滞欧期 心軽やか異国の体験

第三章 風景 旅する画家

第四章 静物 小さな宇宙

第五章 光と闇 太陽 月 蠟燭

没後40年ということで、高島野十郎の作品約150点を展示していました。

解説に書いてあったのですが、絵画技法は独学だそうですが、絵画スタイルにおいては岸田劉生やゴッホの影響を受けているそうです。


気になった作品

1.蓮華

中学校通っている時に描いた作品だそうで、近景に大きく蓮を描き、奥には、かすんで見える3つの塔(仏塔)が描かれており、仏教に興味を抱いたことを示しているそうです。


2.傷を負った自画像

首と足から血を流している不気味な自画像。何かを訴えかけるかのような感じにも見えるし、怒っているようにも見える。


11.リンゴを手にした自画像

リンゴを持ち、印のような指をしている自画像。この作品と、no.2の傷を負った自画像は、インパクトがありました。


20.百合とヴァイオリン

テーブルの置いているヴァイオリンに寄り添うように少し元気のない白い百合が乗っていて、2つが抱き合っているかのよう。


46.すいれんの池

現在判明している最大の作品だそうです。新宿御苑を取材したに描かれたみたいで、空や池が少し茜色に染まっているので、夕刻くらいの光景か。その茜色に白い睡蓮の花が映える。

人気がなく静寂で、少し怖さも感じるような風景でした。


63.法隆寺塔

74.雨 法隆寺塔

同じ構図で対の作品で、隣に展示していて見比べが出来ます。雨の降っている方は、旅情を感じるし、なんとなくですが、川瀬巴水のように思えました。


92.けし

同じ芥子だか、no.17と比べると、植物的な美しさ、清涼感がある。


103.割れた皿

赤絵の皿が割れている。意図的に割ったのは、割れてしまったのか、わからないが、ヴァニタス画の一種として描かれたかもしれないそうです。


115.煙草

灰皿に置かれたタバコの煙が上へと昇って行く。その煙がなぜか浄化されていくように見えたし、龍のようにも思えました。


129.満月

東京大学医科学研究所所蔵で、たぶん、去年開催した<夜の画家たち 蝋燭の光とテネブリスム>で見たものだと思います。夕月の作品も含めると、月の連作は9点展示していました。

同じタイトルの<no.125>、<no.131>は月のみを描いていて、解説によると、『月ではなく闇を描いたのだ』と語っていたそうです。月と太陽の作品が展示していたこの展示室は、もっと暗い状態で見たかったかも?


<寧楽の春>も良かった。


展覧会のチラシの画像も載せます。(クリックしたら大きな画像で見れます。)
 


私が、高島野十郎の作品を、まとめて見るのは、今回が初めてですけど、いろんな意味でインパクトがありました。

蝋燭の連作もそうですし、闇を描いた月の連作、誰かを思って描いたような気がした妖艶な<けし>、添い遂げるように寄り添うような<百合とヴァイオリン>など、素晴らしい作品がいっぱいあって、年間ベスト10候補の展覧会だったと思います。

目黒ではあと2週間、他の2か所に巡回しますので、お近くの際はぜひご覧ください。オススメですよ。


巡回情報

足利市美術館 6月18日(土)~7月31日(土)

九州芸文館 8月7日(日)~9月22日(木)


今回も素晴らしい作品を見れましたし、美味しいものをたべることが出来て大満足でした。

ありがとうございます。



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