崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

独脚鬼

2016年07月11日 05時41分10秒 | 旅行
 昨日大学のオープンキャンパスに参加してみた。来校者全員が説明会を終えてそれぞれの学科に分かれて説明会が行われた(写真)。参院選挙の投票をしてすぐに参加したが学科毎にテーブルを並べて記載する様子は投票会場とほぼ同様の風景であった。選挙のようなことはわれわれには身近なことであると感じた。投票の形式を問わず人を選び、選ばれることは日常茶飯事で行われている。一目ぼれで結婚して幸せな人も不幸な人もいる。もっとも重要な選びは人生を左右することもある。選ぶ基準はさまざまである。投票が国民の運を決めるのである。オーストラリア在住の韓国人の友人が韓国ではなく、平等な国に住む幸運を書いている。選挙も幸、不幸の運を決めるものであろうか。今参院選挙は自民党の圧勝となったと判明された。幸運か不幸かは運でもあろう。
 どいう人を選ぶか。トケビのような人を選ぶことを勧める。東洋経済日報に連載のエッセーの今回のテーマはトケビとした。今ごろ夏の蒸し暑い夜、陰気な森にはおばけのトケビが出る。トケビは韓国人であればとても親しみのあるお化けとして知られている。私は幼い頃、蛍が舞う夜には外出を控えたことを思い出す。使い減った箒や農具に血が付くと夜に化けてトケビになるとも言われており、脚が一つしかないので独脚鬼とも書かれる。人の姿と似ているが、一つの角がある。男性として「金書房」とも呼ばれる。プレゼントするなど気前がよい。面白いパーソナリティーを所有する霊的存在である。最も体力が旺盛な男性であり人の話を正直に受け取る真面目さ、悪戯もする。ある人はトケビに頼み一晩中金塊を運んでもらい急に大お金持ちになったという話もある。逆にトケビは人間が嘘つくことや真似することを嫌って、そのような人を失敗させる。私がトケビに関心を持つのは9尺の長身であり、角もあり霊的肉体的に強いが、弱点もあるという点である。脚が一つしかないのでバランスを取り難い、左側が弱いという。強い力を持っている人、つまりバカ正直の強さと弱点を同時に持っている人の性格が投影された人間像であろう。

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