崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

東アジア文化研究

2021年04月20日 16時23分18秒 | エッセイ
長周新聞に東亜大学東アジア文化研究所発行の論文集が紹介された。主に金田晉先生の講演文に絞られている。
金田先生からの感想文:まず、崔吉城教授、有難うございました。そして教授が所長として創設以来尽力されてきた「東亜大学東アジア文化研究所」10周年、おめでとうございます。下関の誇り直木賞作家の古川薫氏の支援も心に残ります。氏は研究所の銘板に揮毫されるなど、その充実に労を惜しまれませんでした。お蔭で、図書の充実、シンポジウムの開催、ワークショップの企画など、同研究所は少しずつですが、今では下関にある東亜大学の「東アジア文化研究」の拠点に育ちつつあります。
その記念論文集に、私が、ちょうど10年前、つまり同研究所が創立した年に、東北日本を襲った大震災下の研究者や市民たちに捧げた励ましのエール、講演録「地・人・藝術<芸術と地域>を問う」(日本学術会議・芸術学関連学会連合主催シンポジウム基調講演)を再録していただいたことは、光栄です。「地域に生きて世界に発信する」ことは、東亜大学の創立以来のモットーでもあります。
昨年末、私は下関市立美術館で「美と公共性-公立美術館を考える」という講演をしました。地域を生きることの中から芸術が生まれてくる、ゴッホも、セザンヌも、それから日本の近代芸術、アヴァンギャルドたちもそうでした。地域の「公立美術館」を大切にしよう、そういう趣旨でした。最近、私は「地域」を含めて人間が主体の「公共性」の語をつかうようにしています。
このたび長周新聞4月19日号に、拙論への長文の批評をいただいたことは大変有難いことでした。長周新聞に感謝します。東北・岩手の詩人宮沢賢治、幕末の郷土長周の志士吉田松陰、それから1945年8月6日の原爆投下によって廃墟化した広島で立ち上がった画家たちの心意気がじつに丁寧に紹介されています。このような批評を執筆された記者の方は、またご自身すばらしい思想家、哲学者だ、そう私は思っています。有難うございました。
この批評をもとに、もっともっとたくさんの読者ができて、<芸術と地域>という、あるいは「美と公共性」という現代喫緊のテーマを語り合えれば、と願っています。

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