崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「明太子の発祥地は?」 

2013年06月06日 04時55分08秒 | エッセイ
今年度の東アジア文化研究所主催の「楽しい韓国文化論」の構想が決まった。テーマは食文化である。全7回の講座と1回の韓国旅行で現地で韓国の食を味わうことを日韓親善協会と共催で行うことにした。最初のオープニングは「明太子の発祥地は?」というタイトルに決めた。講師は久間直樹氏(写真左から2番目)、彼は北九州のRKBテレビ支社報道部長であり、韓国に2年半も滞在したアジア担当者であり、明太子発祥に関する番組も制作した人であり、彼の映像と解説を依頼した。昨日私の研究室で行う読書会に久間氏が同報道部の女子リポーターの橋本氏が来られて参加してくださった。久間氏は1995年朝鮮総督府撤去の現場で撮影して報道した人であり、『朝鮮の風水』の話題を出したのに、私は失礼にもその話を最後まで聞く間もなく、私が翻訳者であるところに話を持っていってしまった。今思うと私はスピーチの一ポイントのリスニング(聞く)の違反であった。また読書会で「朝鮮」から農村振興に関する資料を紹介した。朴大統領のセマウル運動の起源を探る私の研究の一環でもあった。これも聞きに来たとはいっても一方的な話で失礼をしたのではないかと反省している。
 若い時に感じた老人の一方的な話方に、自分は老人になってはそうしてはいけないと思っていたのに、その戒めの一号というべきことであった。来週「朝鮮戦争を語る」予定をしている。私が経験した朝鮮戦争そのものやその過去を老人のつぶやきのように語ってはいけない。ビアスが南北戦争をテーマにしても戦争を語るのではなく、戦争から人間を小説にしたのを考える。小さいわが村が戦争で伝統文化が破壊されていったことを主に語りたい。そして戦争論、慰安婦の問題にも根本的なことを考えてみたい。悲惨な状況を生きている人々、その村が存続しているので将来フィクションにして真実を明らかにしたい。この話はまた聞き上手な人に話したい。1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争を6月に語るには心痛く、そっと語るように話したい。

註:アンブローズ・ギンネット・ビアス(Ambrose Gwinnett Bierce, 1842年6月24日 - ?)は、アメリカの作家、ジャーナリスト、コラムニスト。代表的な著作に、風刺辞書『悪魔の辞典』、短編小説「アウル・クリーク橋の一事件」がある。人間の本質を冷笑をもって見据え、容赦ない毒舌をふるったことから、「辛辣なビアス 」と渾名された。

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