崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

長い旅

2017年03月28日 05時21分11秒 | 旅行

 冬の温泉町のホテルでは私と林さんだけ、お茶も用意していない。不親切でこのように客なしに至った状況が伝わってくる。朝バス停へ歩きながら久しぶりに道を尋ねたところ78才の男性がいろいろと話をしてくれた。「どこからこられたか」と、私が「下関から」といった。「朝鮮半島両国は無くなる…」と金正恩のバスケットなどの詳しい情報を語り私も知らないことを延々と言った。互いに知らなくてもすぐ親しくなるのが高齢者の対話、それができるのはメディアによるものである。おそらく彼は家の中のテレビ大好きの一人であろうと思った。彼はなぜ私に朝鮮半島の悪口を言うのか、それは私が日本人と認められたことか、あるいは韓国系と感じたのか、その実を言う前に彼と別れバスにのった。窓が広く観光を意識したものであり、市内観光のように市内を眺めた。雪景色の南アルプスや城などを見ながら松本駅についた。
 林さんは満州映画を研究し、二人で話し合う良い機会であった。今回の映像民俗学のことを振り返りながら話をたくさんした。学会とはいっても鑑賞が主であった。映像作品を見てプロやアマチュアと区別がつき難く、その意味などを学問的に議論すべきであろうと思った。上映の後時間になり時間がないと終わった時も結構あった。コメントをしようとしても時間がない。鑑賞が主であれば集まって議論すべきではないとも思った。人との付き合い、考える時間になってほしい。茅野住の家内の弟が迎えにきてくれ、昼食し、信号の多い道路を走って空港へ、30分遅れで飛行機が出発。3泊4日長い旅は実に長かった。