崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

葬儀会館で死の話

2017年03月26日 05時10分43秒 | 研究業績

 松本の神宮寺の葬儀会館で冥界婚「冥界婚」の上映から始まった日本映像民俗学の大会は昨日も終日続いた。沖縄のユタと洗骨、東北のイタコの口寄せの映像、チベットの鳥葬、神宮寺の葬儀映像など死に関するものが主であった。映像特に動画に注目して見たが防犯カメラ的、あるいはハンドカメラ的、ドキュメンタリー、映画など様々な映像があると感じた。チベットの鳥葬に関しては深く探っていないので疑問を持っていたが、北村氏は通りすがりの撮影であったと解説した。私は納得してコメントをした。もしかしたら鳥葬という奇異な風俗の紹介になりがちなものを、曼荼羅と世界観や死後の世界を深く描いたことを称賛した。住職の高橋氏は研究者たちがむしろ宗教的な性向があると指摘した。なるほど牧師、坊さんなどの宗教業者はむしろ世俗的で職業的、営利的であることは私の研究経験からも十分知っている。しかしそれを公にする坊さんはいない。
 信州そばで昼食、私の貧困時代のソバを思い出しながら名物としていただいた。ソバを食べるそばに柳美里氏がおられた。食事や懇親会は人との出会いの楽しい時間であった。最高齢者の吉松氏、20代の筑波大の後輩というか、昔講演に訪ねて行った岡山の清心女子大学の加藤先生、イギリスのマンチェスター大学、ロンドン大学に留学したという学者らとの話で充実した1日であった。一人で夜の夜道を歩き自分自身の方向感覚をテストでもするようにホテル向かって歩いたが若干迷いながら無事着いた。早く寝て早く起きて、今日の研究会に備える。