崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

アルコールアレルギー

2014年03月23日 03時59分00秒 | エッセイ
今自分史的な本を執筆している。その文を校正校閲している家内からの私の人生を評した言葉が気になる。私の弱点、痛い点であるからである。兄弟がいない子供の時から一人っ子で大切にされ、甘やかされた生活がずっと一貫しており、社会生活に不適応があったのではないかということである。6人兄弟姉妹の中で育った家内から見たらそうかも知れない。私には一人子的要因の他にも問題点は多い。その一つがアルコール・アレルギーである。酒は一滴も飲まなかった父親に見習ったのか、遺伝子が伝わっているのか酒とは縁が薄い。大学生になったばかりの時、成人になったという解放感から友人たちから強く酒を勧められるままに飲んで意識を失なって病院に担ぎ込まれ、大騒ぎになった。その後は酒抜きの社会生活をすることになるが、それが如何に難しかったか。可能な限り、酒宴などの会食には参加しないようにするのが常だった。
 この酒が飲めない社会生活は付き合いが悪い、飲酒で時間を共有することによって得られる相互理解、和解力が欠けるなど負の要因が大きい。その点を常に考えながら補充しようと努力したように今は思う。この話を韓国から来られた夫婦に話したら、彼の妻はそれは「幸いなアレルギー」であると反応をしてくれた。彼女に言わせると男の夜8時以後の酒の社交の時間は無用なものであるという。男の社交を無用と思い、私の味方をしてくれるような返事である。私のような体質は幸いなことなのに、それが悩みなんて良くわからないという。幸い日本には私のように一人で時間を過ごす人、私の子供の頃のような人は多い。いじめたり、いじめられたりする人も多い。個性を認め、調和する社会が望ましい。(写真は社交性のあるわが愛犬)