崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

27ヶ国語で同時通訳

2014年03月09日 05時32分58秒 | エッセイ

横浜の夜景の綺麗なホテルのコーナーで懇談会、懐かしい顔が多い。今度の国際シンポジウムの中心人物の佐野賢治教授(写真左右はキブルツ氏)、神奈川大学の小熊誠教授、30年ほど前に会った中国の冥婚研究者の広田律子教授、そしてフランス国立科学研究センターから来られたキルブツ先生、韓国の崔信権氏、中国の曹幸穂氏、神奈川大学常民文化研究所所長の前田禎彦准教授、一緒にするコメンテーターの佐藤健二東大教授らに会った。
 発表者から先に立って自己紹介があった。キルブツ氏はスイス出身でドイツ語が母語でありフランスに留学したフランス人、日本で現地調査をし日本語、フランスに帰国して韓国の女性と結婚した方で韓国語も話せる。英語を含め5カ国語を楽に話せる。以前パリでの日本学大会で会った時韓国語で話したことを覚えていたので、まず韓国語ができる訳を聞くと、奥様が韓国の有名な画家の権玉渕氏の娘の権イナ画家であるとのことである(写真下)。私は彼女に韓国での最新著の『참새님의 학문과 인생(雀様の学問と人生)』にサインして寄贈した。
 国際会議では常に気になるのが言葉である。今度の会議では中国語、韓国語の通訳が入り、他の発表より2倍時間をとっている。しかしキブルツ氏によるとEUでは公式な会議では27ヶ国語で同時通訳が行われるということでこの程度は楽な方であろう。国によって数個の言語があっても国語に決められているところも少なくないので全世界、同時通訳の時代、あるいはエスペラントか英語などから一つを国際語ができるか。あるいはさらにもう一つ言葉を増やしてしまうのではないだろうか。言葉は元々多くあるはずである。今国際化イコール言葉との戦いのように思われそうだが、多様な文化、多様な人々と近く親しくなっていく楽しい時代でもある。