崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

山口県文書館へ「長い旅」

2012年03月10日 05時48分05秒 | エッセイ
 山口市は人口の少ない県庁の所在地であるという。下関からJRで1時間半、その往来が長い旅のように感じた。昨日山口県文書館へまさに「三人行き」(洪、礒永、私の3人、「論語」)であった。市内の通りを歩いた。人の気が少ないのを実感した。しかし、文書館には人が多くて、人口が少ないというには相応しくないと思えるほどで驚いた。同行した韓国の出版社社長に閲覧者の多いことを指して「これが日本の強さだよ」とささやいた。1959年に開館した日本最初の公文書館である。朝鮮通信使、漂流記録、古地図など韓国関係の貴重な資料が膨大であり、それも見せていただいた。私は自分で懸案であるテーマの炭焼きに関する写真資料(写真)などを多く見つけた。
 帰路に寄った食堂で、洪社長は私に感謝の言葉を言ってくれた。それは「長生きを祈る」から始まった。軽く聞き流すつもりだったが、2男1女の末の子が幼児であるのに、その子が成長したら私のところに留学させたいと言うのである。「ずいぶん先の話だね」と本当に流す気持であった。しかし人生談を多く交わし、また資料を探す私の姿を見て話をしてくれるので耳を傾けざる得なかった。