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蕪村の俳句(115)




■旧暦2月5日、日曜日、曇り

朝から、松戸へ出かけて、引っ越しの残務整理。ようやく終わりが見えてきた。遺品整理と合わせると、10ヶ月を要した。

古いマンションの7階に住んだが、ここから、春には江戸川と富士が、秋には、花火がよく見えた。

ここからの春の山河も見納めか

冬には雪景色が、夏には、風がよく通った。

さて、いよいよ、本格的に生活の拠点が埼玉へと代わる。



帰る雁有楽の筆の余り哉

明和7年 落日庵




■この句は、「筆の余り」といういい回しに惹かれた。織田有楽斎については、信長の弟で茶人、武将というくらいしか知らないが、コミック『へうげもの(最新刊)』 での印象が非常に強い。このシリーズを読むと、信長亡き後、権力者の間を絶妙に泳いだ、やや調子のいい人、という感じが残る。実像は違うのかもしれないが。

「筆の余り」というのは、余分、なくてもいい部分、遊び、といったところだろうか。そうした生き生きした筆の遊びが、大空を帰る雁たちの姿に似ているという。蕪村は、おそらく、有楽斎の書を直接は見ていないだろう。雁書(手紙)という言葉から、「帰る雁」という季語を呼び出したとも考えられる。


蕪村句集 現代語訳付き     (角川ソフィア文庫)
クリエーター情報なし
角川学芸出版












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一日一句(1429)







咲きだして国会前は椿かな






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