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ドイツ語の俳人たち:Gerd Börner(10)

■旧暦6月25日、日曜日、

(写真)夏休み

毎日、暑いので、いささか、疲れ気味。このころ思うのは、病気と人間の関係。ぼくの仮説だが、病気は、その病人の本質をデフォルメして出現させる。本質と言っても、幼少期からずっと変わらないなにものかという意味ではなく、その時の性格の核や髄といった方がいい。その人の立ち姿が、その人の人となりが、突然、極端な形で見えてくる。孔子は、人間を知る上で、人は嘘をつくから行動を見るように、行動も、人が見ていればかっこつけるものだから、その人の安んじた世界を見るように言ったが、ぼくは、病人を見れば、人間とはどんなものなのか、よくわかるように思う。むろん、「病人」と「健康者」の区分けは、医療機関や行政や司法が行うものであるから、社会的・歴史的なものであり、絶対的なものではなく、相対的なものである。したがって、論理的には、「病人」の中に「健康者」が、「健康者」の中に「病人」が存在する可能性が常にある。




Hinter der Ecke
endet der Wind


角の向こうは
風が止んでいる


■シンプルだが、面白い。放哉の句のようだ。角のこっちは風の中で、向こうは風が止んでいる。風を視覚的に捉えた句なのだが、向こうの静けさが伝わってくるような気がした。
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